檜原村の滝
次は人工の滝ではなく天然の滝を見に檜原村(ひのはらむら)にやってきた。
檜原村にあるいくつかの滝は観光地化されているので気軽に見に行くことができるようなのだけれど、やはりコロナの影響で今は駐車場が全面的に閉鎖中とのこと。滝とウイルスとがこんなにもやり合う未来を誰が想像しただろう。
バスは出ているが時間が読めないため、途中の駅まで車で行き、そこから積んで来た自転車に乗り換えた。
檜原村は天気のいい日に自転車で走るには本当に気持ちのいい場所だと思う。
檜原村に点在する滝を車でめぐるのはちょっと面倒である。
細い道が多いし、名もなき滝は観光地化されていないので駐車場がない。
もちろんメジャー級の滝もいくつかあって、これらをめぐるのであれば車でも大丈夫かもしれないが、この時期は駐車場が閉鎖されていたりするので行く前に調べた方がいい。
自転車で檜原街道を走り、水の音が聞こえるたびに止まってちょっと山に入る。するとそこには野良の滝がある。
これは宝探しみたいで本当に楽しい。このあたり、本当に水が豊富なのだ。
当たり前だけど、滝はサイズも形も水の量も、同じものは一つもない。だからおもしろい。ドカドカと大量の水が流れる滝ももちろんいいけど、ちょろちょろと糸のように流れる滝も、首を縦に振りながらずっと見ていられる。
迫力!払沢の滝
檜原街道を登り切ったあたりに払沢の滝がある。ここは日本の滝100選に選ばれるほどの名勝らしい。
滝までの道はきれいに整備されているので、天気のいい日なら登山靴でなくても大丈夫だろう。川沿いを歩いていくと小さな滝がずっとある。ほんとうに無数の滝がある。
川沿いを歩くのでずっと水の音は聞こえていたんだけど、気が付くと徐々に大きくなってきていて、ふっと風を感じたと思ったら気温が2℃くらい下がった。
そしたら目の前にでかい滝があった。
こういう圧倒的な存在を目の前にすると、絶対に安全な場所から眺めていたとしても、どうしても滝つぼに吸い込まれた時のことをイメージしてしまう。
想像しただけで背中の上の方がみぞみぞする。絶対入らないとわかっていても、考えちゃだめだと思えば思うほど、想像しちゃうのだ。
払沢の滝、あまりにすごかったのでアニメーションでもどうぞ。
本格的な機材で撮影に来ていた方に話を聞くと、今日はいつもよりも水量が多くて迫力あるぞ!とのことだった。ですよねですよね。
滝を見た後は「うの花ドーナツ」を食べよう
ずっと上り坂だったので自転車には過酷な道のりだったが、車では止まりにくいお店にもふらっと立ち寄れるのがいい。このお店にもいい匂いにつられてやってきた。
手作りおやきが売られているコンビニ
緊急事態宣言中ということで、滝の近くの食事処がのきなみ閉店していた。そんなときに頼りになるのがコンビニである。
地方に行くとコンビニ化した個人商店というか、個人商店化したコンビニみたいなお店があるだろう。このお店もまさにそんな感じだった。東京、ほんとになんでもあるな。
たぶん同じく滝を見に来た家族だろう。子どもがお父さんに「コロッケ売ってなーい」とごねていた。たしかに下界のコンビニみたいにレジ横にホットスナックは売っていないだろう。こんにゃくとか地元の野菜なんかはコンビニ以上に置かれているが、子どもにとっては予想外なのかも。
ちょっとまって、おやき売ってる。
お店の人に聞くと
「この先ちょっと行ったところにある乙津(おつ)っていう地域のおかあさんが作ってるおやきなんですよ」
とのこと。もちろん買った。
歯ごたえ、味、見た目、すべてにおいて流行りのマリトッツォの対極をいく逸品だった。ほんのりしょっぱいあんこが硬い皮に込められている。どちらも美味しいけど、僕はこっちが好きかも。