特集 2020年1月9日

津軽海峡の冬景色を見てみたい。船で

石川さゆりさんが『津軽海峡・冬景色』を昨年末の紅白で熱唱した。なんでもこの歌、昭和、平成、令和と3つの時代をまたいで歌い継がれているという。

思えば、聞くたびに「津軽海峡ってどんなところなのだろう」と思いを馳せ、過ごしてきた。薄暗そう。海がひたすらに荒々しそう。風の音がけたたましそう。漠然としたイメージこそわくけれども、実態はわからないままだ。ここらで一度、肉眼で見ておきたい。

フェリーに乗って見てきました。

1981年群馬県生まれ。ライター兼イラストレーター。飲食物全般がだいたい好きだという、ざっくりとした見解で生きています。とくに好きなのはカレー。(動画インタビュー)

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青函連絡船は廃止されたが、フェリーはある

『津軽海峡・冬景色』。ご存知な方も多いだろう。

上野から青森まで夜行列車で移動したのちに、青函連絡船で北海道(たぶん故郷)へと帰っていく人(おそらく悲恋を抱えている)の心情が、切々とつづられた名曲である。

シングルレコードが発売されたのは1977年のこと(※最初CDと書いてしまっていたが、どう考えてもレコードだ)。当時、青森駅と函館駅とを海路でつないでいた鉄道連絡船(青函連絡船)は、青函トンネルの開通に伴い、1988年に廃止された。

 

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青函連絡船の航路

だが、フェリーはある。あるのだ。

鉄道連絡船とは、運営も構造も成り立ちも、諸々が異なるが、実質「船に乗りながら津軽海峡を眺める」ことは可能なのだ。

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きほん毎日運行。深夜便もあるうえ、大晦日も元旦も運航。働き者である

フェリーには、大きくわけて「青函フェリー」「津軽海峡フェリー」の2種類がある。両者の違いは、ざっくりいうと下記のとおりだ。

・運営会社が違う
・ターミナルの位置が違う
・運賃が違う
・乗船時間(津軽海峡フェリーは約20分少ない)
・犬が乗れるか否か(乗れるのは津軽海峡フェリー)

今回乗ることにしたのは青函フェリー。決め手は値段とロゴが好みだったことにつきる。

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「リ」の文字の台形っぽさが良い

 運賃は、人間のみ(車なし)の場合、今の時期は片道1620円である。

2月に運賃が改定されるほか、夏場は値段設定が異なるが、それでもマックスで片道2200円。新青森〜新函館北斗間を新幹線で移動するばあい片道7190円なので、割安感はそこそこある。

ただ、所要時間もそこそこある。約4時間。飛行機なら、グアムに行って少しおつりが出るくらいの時間だ。

長いと思う人もいるだろう。しかし、ぼんやりと過ごす時間を愛する者にとって、船に乗船するだけの4時間はそれほど苦ではない。

むしろ嬉しいのだ。道中、思う存分呆然とできる。

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船旅は良い!

今までにも何度か航路を利用したことはあり、好印象を持っていたのだが、今回久しぶりに乗船してみて、さらにさらに、好きになってしまった。

ふだんどおりにゴロゴロしたり、食事をしたり、インターネットを見たり。ただそうやって過ごすことが、船という非日常を介して至福の時間へと成り代わる。「目的地に着くための手段」「安価な移動手段」とだけ言ってしまうにはあまりにもったいない。贅沢な時間の味わい方だと思うのだ。今年はもっと船に乗るぞ!と気持ちを新たにした次第だ。

ところで。

記事に盛り込みきれなかったのだが、青森駅と函館駅のそばにはそれぞれ、かつて活躍した青函連絡船が博物館として残っている(青森のほうは、近くに『津軽海峡・冬景色』の石碑もある)。こちらも、なかなかに良かったのである。

特に、青森の「八甲田丸」船内の鉄道車両が置かれた車両甲板やエンジンルームの様相にしびれたので、最後にずらっと並べさせてください。

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