まずは大きなくくりを教えてもらう
石を見分けるといっても、世の中の石はきっと何百種類もあるんだろう。それを一つ一つ覚えるのはちょっと無理だ。木でいう被子植物と裸子植物みたいな、大きなくくりはないだろうか。
森さんによると、
「石屋さんでは、だいたい大きく
1.花こう岩
2.大理石
に分けるんです。」
とのこと。
花こう岩っていうのは、ごま塩みたいな石のことだ。みかげ石ともいう。
それに対して、大理石はデパートの床とかにあるペカペカした石。
もちろんこれに当てはまらないものはいっぱいあるけど、ビルの外壁とかに関してはこの2つが多く使われるそうだ。よしよし。ごま塩かペカペカかの2つなら何とか覚えられるだろう。
ではいよいよ、街なかで見かける石について、森さんに教わっていこう。
喫茶店の石はテラゾ
さっそく、ぼくが事前に街で撮ってきた写真を、森さんに見てもらった。
― ではまずこちら、近所の喫茶店なんですが・・
森さん:「(身を乗り出して)どれですか?」
― ここの壁です。
― この壁の石はなんでしょう?
二枚目の写真を見た瞬間に、
「ああ、これはねえ。分かります」
と森さんは軽くほほ笑んだ。
「テラゾですね」
ぼくもちょっと予習したので名前だけは分かる。テラゾっていうのは、人工の石のことだ。
「これ、中はホンモノで、外がニセモノなんです」
本物の石を並べた間をセメントで埋めて、うすくスライスするとこういうのがいくつもできる。安くあがるのでよく使われるらしい。木材でいうとバルサ材みたいな感じかな。
というわけで、ぼくなりの石の見分けポイントその1。
ポイント1. 色味がバラバラで模様が不自然なら、テラゾを疑え |
ていうか、いきなり花こう岩でも大理石でもないけど、大丈夫、これからです。
階段の踏み石はみかげ石
次は、地下鉄の入口の階段のところの石。
これは、このページの最初の写真と同じだ。ごま塩もよう。つまりみかげ石。
「白みかげは難しいんだよね・・。でも中国白みかげかもしれないね」
と森さん。
みかげ石は色によって黒みかげ、白みかげ、赤みかげとかに分かれるらしい。中でも白みかげはたくさんの種類があって、見分けがむずかしいとのこと。でも、国産のみかげ石は高い。こういうところに大量に使われるのは最近は中国産が多いんだそうだ。
ポイント2. ごま塩もようなら、みかげ石 ポイント3. 最近のものなら、中国産 |
よしよし、だいぶ分かってきた(ホントか)。