変わった形に鉛筆を削る(絵画編)
絵画編は当サイト土曜日に連載しているべつやくれいさん。中・高・大と美術系の学校に通っていた。中・高・大といったら10年間である。そのべつやくさんにスケッチがうまく見える動きを聞いた。
「まずは鉛筆の削りかたはこう」
といって不器用な子どもが削ったみたいな鉛筆をとり出した。鉛筆を横に持つのでこの削りかたが便利なんだそうだ。こんな持ちかた学校では教わらなかった(僕が聞いてなかっただけかもしれないけど)。
「描くものとスケッチブック、自分の3つが一直線になるようにすると描きやすいです」
だめな例として振り返りつつ絵を描いている(下の写真1~2参照)。全身から漂うだめオーラ。こうならないように注意したい。そしてさらにアドバイス。
「鉛筆で描くものの長さを測るとき、腕をまっすぐにするとうまい人に見える。腕を曲げてると大きさが正しくわからないから。」(下の写真3~4参照)
描くものの前に鉛筆をかざしてその長さをつかむ。たしかにそんなポーズ見たことがあるが、自分ではやったことがない。そのポーズだけでもうまそうに見えるのに、腕を伸ばすというコツまで聞いた。
ああ、人に自慢したい。見せつけたい。
逆さにして眺めろ
慣れてる人は鉛筆ではなく自転車のスポークを使うそうだ。スケッチにスポークなんて、地震が来て枕持って飛び出すぐらいのおっちょこちょいに見えるがそうではないのだ。
「ときどき描いた絵を遠くから見たり、逆さに見るのも上手そうに見えるかもね」
イーゼルで描いてるときは自分が離れる。ないときはスケッチブックを離す。逆さにすると描いたもののゆがみが分かるそうだ。うまく見える、じゃなくてうっかりほんとのテクニックになってないだろうか。
「木炭でデッサンするときは消しゴム用にパンを使うんだけど、書き始めてすぐにそれを食べてるのも下手に見える」
それはわかりやすい。ちなみにべつやくさんは「たべてた」そうだ。
「へーへー、ほほー」で絵の見る
こんどは美術館などでの絵の見かた。分かってる風の動きはあるのだろうか。
「遠くから『へー』『へー』って感じで見て、近くによって『ほほー』と筆づかいを見る」
「へーへー、ほほー」の動きとおぼえることにした。
「いや、『へーへー』 『ほほー』 って実際に口に出してる人はいないのであくまでニュアンスで。湿度を測る装置とか、隅っこに座ってる女性の膝掛けの模様に興味を持つのもアウト」
当サイト的にはそういう隅っこにしか興味をもたないのだが、絵が分かっているようには見えないらしい。気が利いてるように聞こえる感想のいいかたとかあるのだろうか。
「絵の感想はあまりいいあったりしなかった。巨匠って言われる人はたいてい死んでるから気にせずなにを言ってもいいと思う」
前ページの音楽、写真はうっかりライブや個展でアーティストの前で感想を言わなければならない状況になるが、ルノアールでその状況はあり得ないのだ。イタコでも使わない限り。
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