特集 2022年6月26日

棒の先に荷物を下げて歩きたい(デジタルリマスター)

いったい君は、今までに 「棒の先に荷物をくくりつけた人」 を見たことはあるか。そして意気揚々と、葉っぱでもくわえながら歩くのを見たことがあるか。

私はない。ないよ。あるもんか。そんなバンカラの見事な見本のようなお方なぞ。

しかし漫画の世界や飛脚の世界では、当たり前の旅姿、こしらえ、のようである。見たことないけど、ちょっと憧れる、そういう姿ではある。ではさっそく試してみましょう。「棒の先の荷物を考える」。

2006年5月に掲載された記事を、AIにより画像を拡大して加筆修正のうえ再掲載しました。

1970年群馬県生まれ。工作をしがちなため、各種素材や工具や作品で家が手狭になってきた。一生手狭なんだろう。出したものを片付けないからでもある。性格も雑だ。もう一生こうなんだろう。(動画インタビュー)

前の記事:伊勢崎は『ヤキマンの町』らしい(デジタルリマスター)

> 個人サイト 妄想工作所

何に提げるか、何を持つか、それが問題だ

昔は上流階級は籠や馬で旅をし、庶民は 「棒の先に籠」 スタイルで旅をした、と何かで読んだことがある。いったい、そこで出てくるようなあの棒はなんなのだろう。なんなのだろうというか、たぶん木の切れ端、枝の類だろうか。あるいは刀とか。

でもうちは、木の切れ端や刀の置いてあるような住まいではない。

なので、「棒」 と認識できるもの全てを持ち、考えられる荷物やカバンを持ち、とある公園にやってきた。

RIMG11507_photos_v2_x2.jpg
傘、エクササイズブレード、カーテンの下がってたつっぱり棒、寝袋など各種を広げ、取り合わせを吟味だ。
RIMG11514_photos_v2_x2.jpg
近所の木材店で、自然の竹の棒だけは買ってこれた。200円。

さて、オーソドックスにまずはこの、最も 「棒らしい棒」 である竹に、女性の持ち歩きそうなアイテムを、バンダナでくくりつけることにしよう。

RIMG11510_photos_v2_x2.jpg
手帳、財布、化粧道具、携帯、ipod、それに非常用に傘もね♪
RIMG11518_photos_v2_x2.jpg
風呂敷がなかったので、より風呂敷っぽいバンダナを選んだが、ちょっとドロボウみたいだ。

総重量、1.3kg。重いか、軽いか。さておき、竹というものにはちょうど節がついているので、漫画のごとく最高の高さの節に留めることにする。そしてしょってみる。

……。

RIMG11529_photos_v2_x2.jpg
見た目は理想の 「棒の先に荷物」 ですが。
RIMG11527_photos_v2_x2.jpg
なんというか。
RIMG11530_photos_v2_x2.jpg
イテテテテ。とにかく重い。
RIMG11531_photos_v2_x2.jpg
で、ずれて肩に激突だ。
いったん広告です

うすうすわかっていたことですが

そう、何しろ 「重い」 のだ。

テコの原理でいうと、
「支点 (肩) を挟んで一方の棒に、支点からの距離m (この場合40cmほど) の位置に重さM (1.3kg) の荷物が吊り下がっているとき、もう一方の棒には距離n (30cm) の位置に手をかけている。これで釣り合う (水平になる) ように力 (N )を入れるとするなら、

    m×M=n×N

の関係があるので、

   40×1.3=30×N=52  N=約1.73kg が求められる。

その上、上に高く掲げようとするとその分の重みもプラスとなるので、普通に荷物を持つより1.5倍は重く感じているはずだ。

RIMG11533_photos_v2_x2.jpg
撮影の古賀さんにも実感してもらう。水平で「重い!」

まあ、こんなに先っちょにくくりつけなきゃいい、って話なんですがね。やってみたかったのだ。

次は組み合わせをいろいろ変えて実験だ。

いったん広告です

家にあるものは、ダメだ

家のカーテンをひっぺがして持ってきた、このつっぱり棒。プラスチックで、いかにも荷物が滑りそうではあるが、さてやってみましょう。

RIMG11534_photos_v2_x2.jpg
長さをくるくると調節して、と。
RIMG11541.gif
重いことには変わりなし。 どんどん下がってくるし

わざわざgifアニメにしてみたが、する必要なかったな。

次、傘。これは一度は 諸兄もやってみたことがあるだろう。この持ち手は、荷物を引っ掛けるためのものでもあったのだ。

だいいち、短くて持ちやすい。「実験」などと大仰に言っているが、もう結論は出ている気がさっきからしている。でもまだ続ける。

RIMG11549_photos_v2_x2.jpg
普通にやるぞ、これ今も。

エクササイズブレード。そう、真ん中を持ってブルブル震えさせ、トレーニングする、一時流行ったアレだ。うちに立てかけておいても、ときどきいきなり夜中にバターンと倒れたりする。つまりもう使ってないってことだ。

RIMG11554_photos_v2_x2.jpg
ブルブル。

みんな、もう予想はついてると思うけど、さあ吊るしてみよう!

RIMG11561_photos_v2_x2.jpg
土佐の一本釣りだ! 白鶴○(マル)!(すいません)
RIMG11566_photos_v2_x2.jpg
でも持ち手に引っかかって、ちょうどいい位置ではある

ここからは間違った例を紹介します

上右の写真のように、納まるところに納まれば、このまま東海道を歩いていってもいいだろう。

となると、長旅だ。女性グッズだけでは終点、三条大橋までの旅は厳しいぞ。寝袋を持っていこう。

RIMG11568_photos_v2_x2.jpg
竹に寝袋も。 Deuterの、「-2度」まで耐えられるシュラフだ!
RIMG11573_photos_v2_x2.jpg
笑っているがとても重いぞ。

今度は荷物を入れるバッグにこだわってみたい。

ヴィトンではどうだろう。結婚式用のミニバッグでは。リュックなのにわざわざ棒に、ってのはどうだろう。

RIMG11580_photos_v2_x2.jpg
LVMHに怒られそうだ。「棒の先につけるな!」って。でもこういう広告もいいんじゃないか?と開き直る。
RIMG11583_photos_v2_x2.jpg
パーティーシーズンには、ちょっと目立つあしらいはいかが?
RIMG11586_photos_v2_x2.jpg
提げずに、しょえ。
RIMG11589_photos_v2_x2.jpg
もう棒の存在理由がない。
いったん広告です

本当にやってみたかったこと

さて、実験はあらかた終え、すっかり棒に慣れた私だ。格好もサマになってきた。

RIMG11601_photos_v2_x2.jpg
学ランで行進 (学ラン提供:ライター三土氏)。
RIMG11597_photos_v2_x2.jpg
鼻にはバンソーコー。何事も形から。
RIMG11603_photos_v2_x2.jpg
「オレの行く手をさえぎるものは容赦しないぜ」
RIMG11605_photos_v2_x2.jpg
「絶壁もなんてことはないさ」
RIMG11607_photos_v2_x2.jpg
「腰がひけてるわけじゃない。これがオレのやり方なのよ」
RIMG11609_photos_v2_x2.jpg
「だが時にはあきらめも肝心だ。自分を過大評価するのは間違いだぜ。降りよう」
RIMG11611_photos_v2_x2.jpg
すごく疲れた。

「棒の先に荷物をつけて、鼻歌歌ってゲタはいて行進」にはちょっと及ばなかった。

無駄に疲れた気がする。

棒に荷物は、そのやりたい衝動はわかるが、費用対効果(何の費用だ) がよくわからない。

でもバンカラを気取れて満足だ。

RIMG11620_photos_v2_x2.jpg
コンビニで買い物して出てきた人 (嘘です)。こんな人はいない。
▽デイリーポータルZトップへ

デイリーポータルZのTwitterをフォローすると、あなたのタイムラインに「役には立たないけどなんかいい情報」がとどきます!

→→→  ←←←

 

デイリーポータルZは、Amazonアソシエイト・プログラムに参加しています。

デイリーポータルZを

 

▲デイリーポータルZトップへ バックナンバーいちらんへ
↓↓↓ここからまたトップページです↓↓↓

 

今日のみどころ