僕、これからはもう、カレー売り場で迷いません。だって、自分好みのルーを知っているから。そしてまた、今夜はいつもと気分を変えて、ちょっと優しいクリーミーさに抱かれたい気分だな、なんてときに、どのルーを選べばいいかも知っているから。
あぁ、もっと早くやっておけばよかったよ。この検証。
ただ、今回味見したのはあくまで「中辛」オンリー。そこに、甘口、辛口が加わってくると、また結果も変わってくるだろうなぁ。組み合わせも膨大な数になってくるし……。
家カレー道、まだまだ道は長そうです。
じゃああとはもう、そこに好きな具材を加えて実際にカレーを作っていきましょうか。
カレーのなかにほんのりとくたくたになった食感が残っているのが好きなので、みじん切りではなくざっくりとした細切りで。
続いて肉。これはもう、完全に僕の好みなんですが、「脂身の多い豚肉の、ごろごろとした角切り」。これが至上。
ここでにんじんも加えました。じゃがいもを入れると日持ちが悪くなるという話を聞いてから、家カレーでは入れないことが多いんですが、そこは気分かな。
水を注いでぐつぐつと、しばらく煮ていきます。ちなみに、ゴールデンカレー2分の1箱ぶんの水分規定量は750ml、カレーZEPPINは550ml。なので、間をとって650mlで作ってみたところ、どちらも強い味のカレーだからか、若干濃くなりすぎたので、ここはゴールデンに合わせ、750mlで良さそう。
さて、しばらく煮込んだら火を止め、
よく混ぜてルーを溶かし、ふたたびしばし煮込めば、
すでにたまらなくうまそうです。
が、ここからもう少しだけ手を加えて、個人的な理想にさらに近づけていきたい。
実はですね、かつて通っていた大学の近くに「まんてん」というカレーの名店がありまして、僕、あそこの、まんべんなくひき肉の粒が散りばめられたような、カレーのソースの感じがものすごく好きなんですよ。我が家カレーにもあのテイストが欲しい。
というわけで、豚肉はすでに入っているので、牛ひき肉と、鶏のももむねあいびき肉を買ってきて、別々に加えてみることにしましょう。
するとここでもはっきりと明暗が。まず、牛肉は味も脂も強すぎる。一気にバランスが崩れ、カレーに品がなくなってしまう。最初から濃厚ビーフカレーを作りたいならばいいんですが、ちょっと過剰。
そこへいくと鶏は、味の邪魔をせず、それでいて旨味と楽しい食感が加わり、かなりいいです。が、入れすぎるとやはりバランスが崩れだすので、今回の分量であれば、50〜100gくらい加えるのでじゅうぶんかな。
そして最後に隠し味。僕、冒頭からやたらと酸味酸味と言っていますが、甘酸っぱさを感じるカレーがとにかく大好きなんですよ。その要素を、現状でもすでにうますぎるカレーに、なんとか足せないか?
そこで思いついたのが、
すると、これがばっちり! 言われなければ気がつかないくらいではあるけれど、きっちり効果的に、トマトの酸味と華やかさが加わったぞ。
よし、とりあえずこれで完成だ!
さ〜、あとはもう食べるだけ! 器にごはんとカレーをよそって、忘れちゃいけない真っ赤な福神漬けを添えて、もちろんビールも用意して。
いやはや、これはもう……自分が自分の好みを追求して作ったんだから当然なんだけど、それにしたって好きなタイプのカレーすぎます……。もったりとした濃厚さも、甘酸っぱさも、スパイシーで爽快な刺激も、すべてがバランス良く融合。なんという達成感。
我が家の王道カレーレシピ、現状はこれで決まりだな。
【パリッコ家カレー】の材料
「カレーZEPPIN」:1/2箱
「ゴールデンカレー」:1/2箱
玉ねぎ:大1個
にんじん:大1本
豚角切り肉:好きなだけ
鶏ひき肉:50〜100g
水:750ml
食塩無添加トマトジュース:100cc
以上、あくまで個人的な好みですが、ご参考まで。
僕、これからはもう、カレー売り場で迷いません。だって、自分好みのルーを知っているから。そしてまた、今夜はいつもと気分を変えて、ちょっと優しいクリーミーさに抱かれたい気分だな、なんてときに、どのルーを選べばいいかも知っているから。
あぁ、もっと早くやっておけばよかったよ。この検証。
ただ、今回味見したのはあくまで「中辛」オンリー。そこに、甘口、辛口が加わってくると、また結果も変わってくるだろうなぁ。組み合わせも膨大な数になってくるし……。
家カレー道、まだまだ道は長そうです。
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