「写ルンです」の人気が復活
1986年に発売され、昨年35周年を迎えた使い捨てカメラ「写ルンです」。買って開封したらすぐに使え、規定の枚数を撮り終えたら、カメラ屋さんに持っていって現像をしてもらえばOKという手軽さが革新的で、一世を風靡した商品です。
その後、コンパクトデジタルカメラの進歩や、携帯電話で写真が気軽に撮れるようになったこと、さらには、もはやそんじょそこらのカメラよりもきれいな写真が撮れてしまうスマートフォンの登場などにより、徐々に生産が縮小。
ところが最近、そのどこか懐かしい写りが「SNS映えする」ということで、再び人気が復活。あえて写ルンですで写真を撮る若者が増えているそうなんです。
そんななか、写ルンですの使い終わったレンズを再利用し、各社のデジタルカメラにつけて使用することができる「Utulens」なる商品があると知りました。それは興味深い!
先月、大変ありがたいことに、今年も家族から「誕生日プレゼントになにか欲しいものある?」と聞いてもらうことができました。そこで、そりゃあもう一択! という感じでお願いしたところ、無事手に入れることができたというわけで。ありがたやありがたや……。
価格は現在、5〜6000円ほど。メーカー各社のカメラの規格に合ったものがそれぞれ発売されていますので、もし「買ってみよっかな」という方がいたら、よくご確認のうえでどうぞ。
※リンクは「Eマウント用」です。
ちなみに僕がふだんメインで使っているカメラがこちら。
そこに「ズームレンズE 18-55mm F3.5-5.6 OSS」をつけて使っています。レンズの規格は「Eマウント」。
発売は2012年の1月だから10年以上前ですが、バリバリ現役。というか、デイリーポータルZのこれまでほとんどの記事の写真はこいつで撮っており、いや〜、我ながら使い倒してるな〜。
で、ここに「Utulens」を装着してみると、
このどこかチープなかわいさもたまらないんですよね〜。
撮られた時代がわからなくなるレンズ
さぁここからは実際の作例をご紹介。今回は、撮った写真の色調や彩度、コントラストなどの加工は一切なし。行ったのはサイトのフォーマットに合わせたリサイズだけ。つまり、正真正銘純粋な、Utulensの写りとなっております。
どうでしょうか。言われないと90年代に撮られた写真にも見えるような、このエモい写り!
しかも、本家写ルンですと違い、デジカメなのでいくらでも写真が撮れる! これは楽しいな〜。
平成元年くらいの子供に見える。
Utulensの特徴
ここでいったん、Utulensの特徴についても説明しておきましょう。
そもそもが安価なレンズなので、高級レンズのような精密な写りを期待してはいけません。たとえば、逆光で写真をとると、光の反射が暗部にもれる
また、焦点距離が固定されている「単焦点レンズ」なので
通常ならば手前の花にピントを合わせたい構図でも、容赦なく奥の景色に合ってしまいます。
でも、その味わいが良くないですか? だって、スマホでこんな腑抜けたような写真、逆に撮れないですよ。アプリでレトロ風に加工するのともまた違う、本物の味わい。
まるで、20代のころにクラブでオールした朝に食べた富士そば!
それからちょっと意外だったのは、遠目の景色はけっこうくっきりと写ってくれること。
って、よく考えたら、商品名で「写ル」と宣言してるんだから、当たり前なんですけどね。失礼しました。
石神井公園、夏
それでは最後にですね、ついさっき、家の近所の好きな公園である「石神井公園」へ行ってむやみやたらに撮りまくってきた写真を、ババーっとご紹介させてください。ここからは写真ごとの説明もなしで。
めっちゃ天気良くて、ザ・夏! という感じのエモい写真がいっぱい撮れて、いや〜楽しかった〜。
以上、とにかく楽しい「Utulens」のご紹介でした。