黒い何か
新聞紙の上から半紙を張って、ニコンの張子が完成。
うちにあったアクリル絵の具で塗っていく。私は今何をしているのだ、おっとカメラのグレードアップだった、と忘れるくらい地味でアナログな作業だ。
塗り終えた私の手の中に、黒い重い何かが納まっている。ニコンD100の形状をした、何かが。
完全に乾かしてから、型からはずしていく。一番楽しい作業だ。型抜き的な作業って、人間がサルだったときからあったのだと思うくらい、生理に訴える作業だと思う。
まあそのころはバナナ的なものを手でパンチしてつぶして喜んでいたくらいだろうが。
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グレードアップするのか
皮をカパッと外したら、裏は新聞紙だった。当たり前だが、なんという裏事情だろうか。
一眼レフ 裏から見たら 楽屋裏
というすさまじさだ。体育館のステージ横の小部屋によくある大道具っぽい。
まあいい。取材先には裏は決して見せないようにしよう。表さえなんとかなっていたらいいのだ。
後ろの部分はこの際思い切って捨てることにした。裏の機器類のごちゃごちゃを表現するのが面倒くさいからでは決してなく、裏から操作する利便性を考えてのことだ。
あとは楽しい細部のディテールだ。限られた予算でどのくらい本物に近づけられるのか?