デジタルリマスター 2023年3月29日

世界遺産、の近くにある変わったパン(デジタルリマスター)

2007年の6月、島根県の石見銀山が日本で14件目の世界遺産に登録された。戦国時代から江戸時代にかけて、日本最大の銀山として栄えた場所だ。世界で流通する銀の3分の1を石見銀山の銀が占めていた、と言われている。その産出量だけでなく、山を切り崩したりせず自然環境に配慮した産業遺跡であるという点も世界遺産登録の大きな要因となったそうだ。日本に住む者として、一度は訪れたい場所である。

そんな石見銀山の近くでちょっと変わったパンが売っているという。パンの中に磯辺餅やおはぎが入っているというのだ。これは世界遺産と同じくらい気にかかる。

という訳で、島根県に飛びました。

2008年1月に掲載された記事を、AIにより画像を拡大して加筆修正のうえ再掲載しました。

1970年神奈川県生まれ。デザイン、執筆、映像制作など各種コンテンツ制作に携わる。「どうしたら毎日をご機嫌に過ごせるか」を日々検討中。


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> 個人サイト すみましん

男3人で変わったパンを目指す

石見銀山の近くに変わったパンを食べさせてくれる店がある。そんな僕の情報にウェブマスター林さん、東京カルチャーカルチャー店長の横山さんが飛びついた。是非一度食べてみたい、という話になり、男3人で石見銀山を目指す事になった。

JR出雲市駅から特急に乗って20分、大田市駅でバスに乗り換えて30分ほど行くと石見銀山に着く。

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出雲市駅から特急に乗る

さすがに、変わったパンを食べるためだけに3人で島根までやって来た訳ではない。林さんと横山さんは島根で別の取材を組んでいたのだ。2人は前日に自分の取材を済ませているのですっかり余裕である。あとは変わったパンを食べるのみ。住さん、頼みましたよ。無言のプレッシャーを感じる。

それほど変わってなかったらどうしよう。

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これくらい大きいんですかね? とパンへの期待を膨らます林さん
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責任感と胃の痛み

パンが期待外れだったら、という心配もあるが、僕にはもう一つ気がかりな事があった。朝方から胃がシクシクと痛んでいたのだ。いつもならガスター10を飲めばすぐに治るのだが、今回の痛みはいつもと様子が違う。電車に乗っている間も、どんどん痛みがひどくなっていく。

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……

しかし、わざわざ2人を巻き込んで石見銀山まで行くのだ。胃が痛い、とか言ってる場合ではない。仕事への責任感が胃の痛みを忘れさせてくれるだろう。ポジティブに考えているうちに、電車は大田市駅に到着した。ここでバスに乗り換える。

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大田市駅に到着。2人を案内する僕

大田市駅から石見銀山までのバスは本数が少なく、30分以上待つ事になりそうだった。林さんと横山さんはバスを待っても構わない様子であったが、僕はなるべく早く石見銀山に向かいたかった。何故なら、胃痛がどんどんひどくなっているからだ。

僕の独断でタクシーを拾った。
車内でゆっくり休めば痛みが治まるかもしれない。

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タクシーで向かう
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石見銀山の駐車場

タクシーで揺られること30分、石見銀山に到着した。平日の昼間にも関わらず、結構な数の観光客がいる。タクシーの運転手さん曰く、世界遺産に登録されて以来、観光客の数が一気に増えたという。大田市産業振興部の調査によれば、昨年7月から9月の観光客数は約24万9100人、前年同月の約1.9倍だそうだ。恐るべし世界遺産効果。

まずは、石見銀山の中心となった町、大森地区の入り口で記念写真を撮った。

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食事処の前で記念撮影

2人に声をかける元気がなかったので、3人の視線がバラバラである。でも、僕の胃痛はひどくなる一方であった。とにかく、一刻も早くパンだ。2人に変わったパンを与えてしまえば責任を果たせる。

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