デジタルリマスター 2022年12月8日

勝手に交通量調査(デジタルリマスター)

カチッ

みんながただ通り過ぎるだけの交差点で、ひとり立ち止まり、車や人の流れをカチカチと数える交通量調査。

見かけるたびに、かっこいいと思う。

街角にありながら、買い物をするわけでもなく、道行く人に声をかけるわけでもない。することはただ数を数えるだけだ。街に埋もれず俯瞰する。

ストイックで、楽しそう。一人でやってみました。

2007年5月に掲載された記事を、AIにより画像を拡大して加筆修正のうえ再掲載しました。

1976年茨城県生まれ。地図好き。好きな川跡は藍染川です。(動画インタビュー)

前の記事:コンビニ弁当を○○風に(デジタルリマスター)

> 個人サイト ツイッター(@mitsuchi)

交通量調査ってなにを調べているのか

街角でなにかを数えるのって楽しそう。そういう動機なので、べつにまじめに交通量を調査したいわけじゃない。それでも一応、あれってなんなのかを調べてみた。

・交差点を通過する車の台数をしらべる
・方向別、車種別にしらべる
・12時間やる

ということのようだ(他にも流儀あり)。12時間やるのは無理だけど、よし、真似してみよう。

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Aからの流入 = A→B + A→C

ちかくの交差点でやってみる

さっそく都内のてきとうな交差点へ。不忍通りぞい、西日暮里駅の近くの三叉路でためしてみた。

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A→Bは、田端→西日暮里駅方面。A→Cは上野方面へ。

上の写真の、AからBへとAからCへの車の量をそれぞれ数えるのだ。

ちなみに今日は土曜日。よく晴れた休日、こんなストイックに過ごしている人はそうはいまい。ひとり悦に入る。

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さっそく左折車が流入。
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カチッ。左折1。
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つづいても左折。
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カチッ。左折2。
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たのしい

なんだかかわいそうな子の一人あそびのようだが、これが意外と楽しい。カウンター(数取器)のメカニカルな手触りもいい。押したときの「カショッ」という手ごたえがくせになる。そして次第にカウンターハイになっていく。

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左折!
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カショッ!
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直進!
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カショッ!
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ひゃっほう!
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カショッ!
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うひゃひゃ!
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うひゃひゃひゃ!
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うひゃひゃひゃひゃひゃ!
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急激に飽きた

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何をやっているのか

楽しいのはせいぜい最初の10分だった。そこからは急に作業の単調さに飽き、時間がむやみと長く感じられる。

時計をなんど見返してもそのたびに2分しか経っていない。そういえば、街で見かけたバイトの学生たちの目も、こころなしか宙を見るようだった。今さらそんなことに気がつく。

結果

本当はこれを12時間やるらしいが、ほうほうのていで1時間を調べた結果は、A→Bが353台、A→Cが283台だった(ほんとうは車種も分ける)。それぞれ一分あたり6台と5台くらいだ。

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だからなんなんだ。

むなしい。始める前はあんなに楽しかったのに。なぜだ。

交通量という対象がよくなかったのかもしれない。もうちょっとふつうに知りたいことを、ふつうに数えてみることにしよう。

スーパーのお客さんの数とか

夜の6時ごろにうっかりスーパーに行くと、レジが大行列になっていて後悔することがある。夕飯時は混むってわかってるのに。

そういうことは感覚では確かによく知っている。けれど、定量的に夜は昼の何倍とかいうことはさすがに知らない。なので、この機会に計ってみよう。

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夕飯どきの18時台と、ふだん利用する22時台の1時間のお客さんの数を比較してみた(30分ずつ計って2倍しています)。

お客さんの数
時間
18時台 348
22時台 228

というわけで、夕飯どきはその他の時間のだいたい1.5倍のお客さんが来るのでした!

「でした!」と無理やりびっくりマークをつけてみたものの、それほどの興奮はない。ふーん、という程度だ。

もうちょっとプリミティブに

もっとこう、計ったかいがあった!といいたくなることはないだろうか。たとえば、一見無秩序にみえるのに、計ってみるとそこに一定の法則がある、というような。

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おっ

たとえば階段だ。最初の一歩をのぼるときに、みんなが右足から踏み出すというようなことがあれば、発見じゃないだろうか?

自分でもわかってる。もはやこれ、交通量調査じゃない。企画、迷走してます。でも気になる。計ってみたい。

どっちから昇るか
時間
右足 55
左足 45

結果は半々だった。散々といってもいい。

利き足が右の人が多いはずだから、右足が多いんじゃないかという予想だったが、歩いてきたタイミングで自然なほうの足で登る人が多いようだった。迷走した結果がこれか。


ただ計るだけなのに、むずかしい

楽しかろうと思ってはじめたことでも、うまくいかず失敗することはある。とはいえここまで当初の予想と違うのも初めて。勢いで買った数取器は、机の上にでも置いて、手慰みにカショカショさせることにします。

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