特集 2023年11月6日

あの「ウミガメのスープ」を食べる。ついでにウミガメフルコースも食べる

ウミガメらしさ爆発の部位、手羽

スープを煮込む横で手羽を調理しはじめた。ごつごつした皮の部分がそのまま残っていていかにも「ウミガメから切り取ってきました」という見た目なのがおもしろい。

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こんな感じ。
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ブリンブリンしたゼラチン質の皮の下から筋肉が覗く。
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この部分をぶつ切りにしたものだろう(写真はアカウミガメ)
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薄切りにする。3mmくらいの幅で...と描かれていたけれど、ぐにぐにしていて切りにくくて分厚くなってしまった。
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スダチと醤油をかけて食べる。

ライターの拙攻さんがスダチを持ってきてくれたので、しぼり汁と醤油をかけてあっさりとした味付けでいただくことに。

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卵を茹でる

「ウミガメのスープを食べる」などというタイトルで記事を書いておきながらなかなか食べはじめなくて恐縮だが、もう少しお付き合い願いたい。

次は卵を茹でる。

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生き物好き人間たちの手から手へとわたって観察される卵。

ところで、ウミガメの卵と言われて私が思い出すのは『ウルトラマンタロウ』に出てくるウミガメ怪獣キングトータスの卵を食べてしまった人間が体中に発疹が出て苦しむシーンである。

ウミガメスープと偽って人肉スープを食わせる話といい、ウミガメを食べる話はどうしてこうトラウマを植え付けるようなものが多いのだろう。

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殻が柔らかくてふにゃふにゃだ。ただ、この卵は親ウミガメの体内にあったものが取り出された産卵される前のものなので、砂浜に産み落とされた卵がこれと同じなのかはわからない。
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光にかざしてみても中はなにも見えませんね......。
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試しに一つ割ってみた。と、べしゃべしゃだ!

卵はたくさんあったので、試しに一つ割ってみることに。

殻が柔らかいので「割る」というよりも「破る」というのに近かった。破れた殻からは、なんと水がぼたぼたと溢れてきた。「あれ、白身は?」と思っている間に、最後におおきな黄身がぽとりと落ちた。

なんということだろう。ウミガメ卵の白身は、ほとんどただの水みたいなしゃばしゃばの液体だった!

しかもさらに驚いたことに、この白身は加熱しても固まらなかったのである。

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ラーメン用の湯切りザルで卵を茹でる。調理場が自慢の貸しスペースなので変わった調理器具があるのだ。
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しつこく茹でたのに白身が固まってない!参加者はみんなこの常識外れの展開に興奮して「おー!」と歓声を上げた。

黄身の周りにうっすらと半透明の膜ができたけれど、白身というか白水の部分はやはり液体のままだった。

参加者の中に爬虫類が好きな人がいて、彼は前にミシシッピアカミミガメ(通称ミドリガメ)の卵を食べたことがあるというツワモノなのだが、曰くそのとき食べた卵も同じようにいくら焼いても茹でても白身が固まらなかったらしい。

「キミだけが頼りなのかあ」

とだれかJ-POP風に表現していた。

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断面は少しスが入っているものの、黄身は鮮やかな黄色できれい。

そして最後に、卵管と余った手羽で炒め物を作ったら、ようやくアオウミガメのフルコースの完成だ!

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卵管を炒める。見た目は焼肉の「てっちゃん」にそっくりである。

⏩ いよいよ食べます!

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