特集 2022年5月9日

上野の街の動物モチーフ、パンダの次に多いのはどれ?

上野といえば、パンダだ。

いたるところにパンダ、パンダ、パンダ。

ちょっとパンダすぎないか、とも思う。

そういえば、上野で2番目に多い動物モチーフはなんだろう。ちょっと気になる。

平成元年生まれ。令和から原始まで、古いものと新しいものが好き。

前の記事:調布市・深大寺の「角大師石像」が圧倒的にかわいい

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上野はどこもパンダだらけだけど… 

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2019年春、上野駅構内

東京の北の玄関口、日本一の文化施設集積地、戦後闇市の面影残るアメ横など、上野はさまざまな顔をもつ街だ。

だが、上野といえば何よりパンダだろう。

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駅の構内にも…
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商業施設にも…
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回転寿司屋にも…
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銀行のディスプレイにも…
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おみやげ屋にも…
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とにかく、パンダ!パンダ!パンダ!なのである

さらに、2022年1月からはシャオシャオ・レイレイの公開も始まり、上野のパンダっぷりはとどまるところを知らない。

上野以上にパンダを飼育している和歌山のアドベンチャーワールドでも、ここまでパンダ一色ではなかった気がする。

そんな上野にパンダが来たのは1972年。日中国交正常化を記念してのことだ。

しかし上野の歴史はもっと長い。

動物園は1882年開園だし、さらに古くは江戸最大の寺・寛永寺の門前として栄えた場所だ。

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明治44年に作られた上野動物園の旧正門
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上野公園一帯はもともと東叡山寛永寺という比叡山延暦寺と双璧をなす天台宗二大本山だった

そんな上野で、2番目に多い動物モチーフは何か?

上野公園、上野1〜7丁目のすべての通りを歩き、調べてみた。

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上野という街に浸透している動物を知りたかったため、動物園や科学博物館などの内部は含めないことにした。(これでも膨大な量になったため、正直見落としはあるかもしれません)
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西郷隆盛像も犬として数える

また、お稲荷さんの狐も歴史ある動物モチーフとしてペアでひとつと数えることにする。

それでは、①上野公園内のランキング→②上野の街も含めたランキングの二段構成でいきたい。

 

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①上野公園内で2番目に多い動物モチーフは?

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日本最初の都市公園である上野公園

まずは動物園のある上野公園内を歩いてみよう。 

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縄文海進時代には海だった名残の不忍池も、住所としての上野公園にふくまれる

結果をあまりもったいぶる必要もないので、先に発表したい。

(予想してながらスクロールしてください…!)

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予想通りだったろうか

意外と上野公園内はパンダ一色ではなかった。2位はゾウ。

たしかに、上野動物園といえば戦時中の「かわいそうなぞう」のエピソードも有名だ。

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基本的な動物園マークはゾウなのだ
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掲示板もゾウの後ろ姿だ
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群像の場合もゾウはコンスタントに取り上げられている。右端のひょうきんな顔はマレーグマだろうか
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パンダが人気なのはもちろんだが…
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さすがにポスターではバランスよく取り上げられている

この次に上野の街も含めると一気にパンダだらけになるのだが、動物園自体はそこらへんフラットだ。

約300種3000点にもおよぶ動物を飼育しているのだから、パンダ以外にも見て欲しい動物はたくさんいるのだろう。

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パンダ、ゾウ、ライオン、トラ、ふなっしー(!?)
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キリンも人気だ

パンダ以前の上野動物園の人気ランキングを探してみたが、『上野動物園百年史』という本にも見当たらなかった。

だが、過去の資料からある程度は予想することができる。

例えば1902年の公式ガイドブック『上野動物園案内』では、人気の動物として図版になっているのはゾウ、カンガルー、ウォンバット、ラクダ、ダチョウ、エミュー、ヒクイドリ、ライオン、ホッキョクグマなどだ。同年、開園20周年としてドイツから購入し初来日した動物が多い。

また、過去の年間来園者数にも人気動物の来園が大きく影響を与えている。

1887年のトラ、1888年のゾウ、1898年のオランウータンなどが来園者数の大幅上昇につながった。

特にキリンが初来日した1907年には年間来園者数が100万人を超えたそうだ。

日本導入時に、英語名のジラフではなく東アジアの想像上の動物である麒麟にちなんで「キリン」と呼ぶことにしたため、圧倒的な人気を誇ったそうだ。

さらに、1911年のカバ、1933年のキリン・マントヒヒ・フラミンゴ、1937年のキリンの子供誕生などを経て、1940年に戦前300万人の来園者数を超えたそうだ。戦時の猛獣処分を経て、1949年にゾウやライオンが戻ってきたことで370万人、1972年のパンダ来園時には500万人、翌年700万人を超したそうだ。その後は落ち着き、現在は300~400万人前後となっている。

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ちなみに公式マークは1970年に制定されたタンチョウである

さて、そんな古い時代のモチーフで印象深かったのが1933年築の旧博物館動物園駅である。

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京成電鉄の地下駅だったが、1997年に営業停止となった
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その扉の紋様には、当時の上野公園の見どころが形象化されている

自信ないけど上段中が動物園、中段左が埴輪、中段中がキュビズム的なやつ、下段中が図書館、下段右が奏楽堂あたりだろうか。

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動物園では、キリン、ダチョウ、ゾウ、ニシキヘビなどがいるようだ

真ん中の小さいのは1925年来園のカワウソか、1928年来園のナマケモノだろうか。

ちなみに、バックは今も現存する1932年築の日本最古の猿山だろう。

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また、より古い動物モチーフとしては寛永寺のカメ(住所的には範囲外になるけど)、
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弁天堂のヘビ(宇賀神)あたりもキャッチーだ

では、逆に新しいものではどうか。

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去年リニューアルした上野駅公園口の窓はパンダ&ハシビロコウの二大看板
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動物園のフェンスにも

インターネットでも人気のハシビロコウがクローズアップされている。

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他には、2020年に東京藝大とコラボして作られたトイレミュージアムも面白い
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排泄器官がしっかりモチーフにされている

だが、上野公園全体でみるとそれほど動物一色というわけでもなく、むしろ街の方が動物推しが強かったと思う。

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名だたる文化施設が集まる上野公園は動物だけじゃない、ということだろう
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科博のクジラも有名だ
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上野公園全体のキャラは2014年に誕生したこの子だった

ちなみに、上野動物園の公式ショップ※ではどうだろうか。

手動でそれぞれの動物モチーフの商品点数を数えてみた。

(※東京の動物園・水族館全体の公式ショップなので、上野にいない動物も入ってくるが全体的な傾向はつかめると思う)

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パンダ人気に圧倒される。人気ランキングもパンダが独占している。(2022年4月15日現在)

これが最新の人気ランキングなのだろう。

そしてゾウは相変わらず安定して強い。今ではそれほど珍しくもないが、なんだかんだ地上最大の動物だものなあ。一方でキリンの人気は過去ほどのものではないようだ。

また、公園内では見つけられなかったマヌルネコやレッサーパンダが入ってくる。

今後は、これらの動物モチーフが公園内を飾るようになっていくのだろう。

 

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②上野1~7丁目を含めると様相が一気に変わってくる

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おそらく日本一パンダで埋め尽くされた駅・上野駅舎(1932年築)

さて、上野公園内のランキングに一大繁華街である上野町も含めるとどう変わってくるのだろうか。

こちらも先に発表したい。繁華街に多い動物モチーフとは…?

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圧倒的なパンダ、そしてもはや動物園とは関係ない食材やペットがランキングに

公園内よりもずっとパンダだらけだ。より商業主義的な結果となった。

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猫は縁起物モチーフとしても人気のため、堂々の2位となった

ここからは、上野1~7丁目の簡単な紹介とともにこの結果を考察していきたい。

町ごとに歩くと、上野の多種多様な顔が垣間見れて非常に面白いのだ。

 

意外に遠い上野1丁目では、パンダの威光も薄れる

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1930年築の黒門小学校のあるあたりだ

上野1丁目がどこか皆さんご存知だったろうか。

自分も今回はじめて知ったのだが、不忍池の南側に上野2丁目、湯島3丁目、上野1丁目と並んでいる。上野駅からはけっこう遠いのだ。

以前は下谷区黒門町と呼ばれ、寛永寺の総門(通称黒門)が上野広小路のあたりにあったことに由来している。

このあたりは小学校があることから、上野2丁目・湯島3丁目と違い落ち着いた町並みとなっている。

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すぐそばは歓楽街。夜の街で最も見かけるモチーフは猫だという気づきを得た。それも猫が2位の理由のひとつだ(店名にはウサギ系もみられるが、それはバニーガールのことで動物としてイラスト化されることは少ない)※なお、正確にはこの看板は湯島3丁目なので票にはいれていない

一方の上野1丁目は言ってみれば歴史あるオーソドックスなエリア。

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老舗のツル文様や、
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ペットとしての犬など、

ここまでくるとパンダの威光も薄まるようだった。

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関係ないけど、若い世代に人気の不純喫茶ドープはここにある

 

不忍池の南は夜の街、上野2丁目

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上野最大の歓楽街であり、コリアタウンでもある上野2丁目

今でもギラギラだが、江戸時代から花街として栄えた歴史ある場所でもある。

ここに夜入るのは勇気がいるため、早朝歩いてみた。

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左側が上野2丁目、右側が入り組んで隣接する湯島3丁目となる
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このあたりはしっかりパンダしてる一方、
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食材としての動物も存在感をましてくる
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うさぎ日記といいつつ、目立つのは女性イラストだ。一方で食材としての牛はわかりやすい

朝6時前だったが、歩いて看板を写真に撮っているとまだ仕事中のアジア系女性に2度も声をかけられた。そりゃあ、朝からそっちに興味津々の男だと思われても仕方ないので、そそくさと退散した。

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あまり冷やかしで入る街ではないな、と思う

 

上野松坂屋を中心とした上野3丁目

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JR御徒町駅の西側~上野松坂屋のあたりが上野3丁目だ

戦前から上野のランドマークだった松坂屋を中心としたエリアだ。駅前なので新しい店も多い(モスクがあったりもする)。

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ここもやっぱりパンダ一色である。華やかな場所にはパンダが多い
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今回のベストオブパンダ。かわいすぎる

パンダって、動物の中では驚くほど柔軟にポーズをとれる。

立つだけのレッサーパンダがブームになったように、ポーズをとれることが人の心を動かす秘訣なのかもしれない。

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湯島天神にあやかって学問の神様にまでなっている
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一方で、駅前には鮮魚店として有名な吉池があり、魚の街としての一面もある

 

アメ横がある上野4丁目

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アメ横と呼ばれる一帯が上野4丁目だ

他の商店街が江戸時代からの伝統を誇るのに対し、アメ横は戦後闇市にルーツをもつ新興エリア。他の商店街は住居の一階で商いをする伝統的なスタイルだったが、アメ横は借地・借家がほとんどで外からきた人が多いため、以前は上野の商店街の中でもやや浮いた存在だったそうだ。

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ここは上野きっての商業地でもあるため、パンダ推しはどこよりも強い

そんなアメ横は商売替えのサイクルが早く、その時売れるものを売る、という商売っ気の強さがある場所。それゆえ、人気のパンダもいち早く取り入れていったのではないだろうか。

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ちょっと前までヨドバシの上にもパンダがいたような気がする
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一方で、食材やスカジャンのモチーフなど、多種多様な動物もみられる
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ほんとうに多種多様だ。アジア系のお店も多いため、エスニックな香りもする
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このうなぎ、かわいい!
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意外と夜は静かな雰囲気だ

猥雑なイメージがあったアメ横だけど、やはり市場なので夜は閉める店が多く、2丁目などとは異なる雰囲気だった。

 

世界の宝石が集まる上野5丁目

マルイのある上野6丁目の南側が上野5丁目。

宝石の問屋街となっており、アメ横や御徒町中央商店街の観光地感から一気に雰囲気がかわる。

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世界の宝石がすべてここにあるんじゃないか、ってくらいに宝石店が立ち並んでいる
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まさにプロの街だ
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それゆえ、パンダの印象もそこまで強くはない

ちなみに、上野の宝石商はジャイナ教徒のインド人が多いそうだ。

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上野全体でも根強い人気のゾウだが、公園外ではアジア系料理店のモチーフとして存在感を示している
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上野5丁目の端はもう秋葉原である

 

上野駅の目の前、マルイを中心とした上野6丁目

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マルイやさまざまな商店街が立ち並ぶ、アメ横と隣り合わせのエリアだ

観光客的にはアメ横と一体となっている印象だが、七つの商店街があり歴史も沿革もさまざまだ。だが、最近では飲食店が増え、一部にはニューカマー外国人のエスニック料理店なども増えつつある。

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パンダはもちろん、鶏や豚などの食材が幅を利かせていた。ホルモン屋や焼肉店も多い
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ゾウはインド系でもタイ系でも見られる
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駅前の喫茶店のパンダロールケーキ、残念ながら売り切れだった

 

上野7丁目から再び上野駅へ

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最後は上野7丁目。JR上野駅の東側だ

このあたりは観光客もすくなく、ビジネスホテル街かつ一部がゲイタウンとなっている。

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どんな場所にも牛や、
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鶏はいることがわかる
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この記事のために泊まったホテルニューウエノはちょっとだけレトロで快適なビジネスホテルだった

実は今回、取材にいく時間がなかったので平日の仕事終わり~翌早朝まで上野に一泊して歩いた。それゆえ、動物モチーフだけでなく、普段はみれない街の顔が垣間見れた気がする。

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戦後すぐの1948年、上野駅にかかげられた壁画・猪熊弦一郎《自由》。馬や犬などの動物たちと人間たちが自由に過ごす様子が明るいタッチで描かれている

上野のフィールドワークを行う社会学者・五十嵐泰正氏によると、上野は世界的にも稀な街だという。上野の「山」と、下谷と呼ばれた「谷」があり、宗教的権威や天皇(上野”恩賜”公園)に由来する聖と、人間らしい俗が隣合わせとなっている。

そこに、北日本・成田空港の玄関口として、無数の人間たちがなだれ込んでくる。

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駅前の地下道は、戦後浮浪児たちであふれ、人攫いなども跋扈していたようだ

さらに、明治政府と旧幕府軍が戦った上野戦争、関東大震災、第二次世界大戦などの度重なる被害、そこからの復興によりごちゃまぜになって発展したのが上野だ。

権力、芸術、宗教、戦災、闇市、(かつては)スラム、歓楽街、アジアや中東系外国人など…そんな一言では言い表せない多種多様な文化・風俗を内包する場所である。

だからこそ、パンダという街全体をおおう明るいイメージがこれだけ広まったのではないか。そんな気がする。

 

まあ、商魂たくましいだけかもしれないが。

 

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今回のまとめ。文中で取り上げられなかったライオンは歓楽街などでも強い・成功者的イメージで使われていました

 

 

 

今回は上野公園~上野町に限ったが、日本最古のコリアタウンで有名な東上野や、職人町である北上野、徳川家霊廟がある上野桜木など、上野という街はもっとバラエティ豊かだ。さらに貝塚や古墳など歴史遺産にも事欠かない。

そのうち、もっと見聞を重ねて「上野がパンダの街になるまで」…なんて記事を書けたらいいな。

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明け方の上野駅がきれいだった

 


 

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