電車から降りてみてさらに驚いた。下の写真を見て欲しい。もう近い、とかいうレベルではなく完全に街にとけこんでしまっている。
街に出ても威圧感がない
江ノ電は一部で路面を走るのだが、道で江ノ電に出会ってもまったく威圧感がない。車両自体がコンパクトということもあるのだろうけど、それ以上に全体から「ごめんなさいちょっと通してください」という表情がにじみ出ているからではないか。
路面に出れば確かに街に近いわけだが、電車としての威厳を保ったままの近さという点でいうとやはり路面区間ではなく線路区間の風景をお勧めしたい。
そして線路区間の車窓風景で気になるのがこの階段だ。
そのまま乗り降りできるんじゃないかというくらい線路のすぐ近くに階段があるのだが、あれはいったいどうなっているのだろうか。降りて外から見てみよう。
こんなだ。
階段降りたらそのまま線路。線路を越えた対岸にある車道へ出るために、この階段は普通に使われている。
ここまで近くてもこの家の人は線路と階段との間にフェンスも塀も設けていない。この家だけでなく、他にも線路と隣接する家はたくさんあるのだが、どこもかなりオープンな感じなのだ。この環境ならば階段の上に住む子供は電車のことを怖がるよりまず好きになると思う。
線路には平行して車道が走っているので基本的にはガードレールで仕切られているのだが、対岸に階段がある場所ではそれもとぎれている。
これはあれだろうか、広義の第4種踏切というやつだろうか。
対岸の階段はかなり線路ぎりぎりまで迫っているので座って電車を鑑賞するにはもってこいといえる(とはいえ危険ですのでくれぐれも線路構内にははみ出ないように気をつけましょう)。
線路内には雑草に混じって隣接する家の庭から飛んできたと思われる植物が育って花を咲かせていた。それとも蒔いているのだろうか。
「近さ」も魅力なのかもしれません
線路の向こう側にお店があったりもする。もちろんここも踏切はないので気をつけて線路を横断してお店に入ることができる。
この状況について江ノ電はどう考えているのだろうか。最初は「危ないからなんとか対策しなきゃ」と考えているのでは、と思ったものだが、車内に貼られた「好きです江ノ電」の歌詞や周囲の看板などを見ると、この近さをむしろ大切にしているんじゃないかと思う。
江ノ電は本当に近い。これが普通の電車ならば即「危険!」と言われて距離をおかれるところなのだが、江ノ電は違う。危険な場所は外からの進入をふさぐのではなく、電車の方が減速して走ってくれるのだ。それに対して乗客もとやかく言わない。ほんとにのんびりしている。
江ノ電の他にも「近い」電車が都内にあると聞いたので、どの程度のものなのか勝手に対抗心を燃やして見に行ってきました。