こういう遊びも、たまにはいいものです。
間違って後世にこの写真が残ったとしても、騒ぎにはなるまい。私の子孫は大いに困るだろうが。
踊ったりするのはいいが、走ったり飛んだりするのはどうにもだめだ。苦手である。
昔から体育の評価は「1」「がんばろう」しかとったことがない。跳び箱は4段がやっと(飛べないときもある)、高校生の時点で幅跳びの記録は「1m58」だ。
そう、幅跳び。どうにもコツのわからない、それが幅跳び。
テレビで見るオリンピックや競技会で、空中で足をバタバタッとさせて8mも飛んでしまう、あれは全くすごいものだが、まるで別世界の話だ。でも自分があれをできたらすごい。やってみたい。
しかしいかんせんそんな体は持ったことがないので、写真で夢を実現することにしました。ゴルフのフォーム研究とかでよくある、あの連続写真です。
※2007年3月に掲載された記事を、AIにより画像を拡大して加筆修正のうえ再掲載しました。
あの連続写真、ニフティの古賀さんにお手伝いいただくわけだが、さてどうやって撮るか。
まず、砂場全体が見渡せるところに、カメラを固定しておき、シャッターだけ切ってもらう。
私は、古賀さんにだいたいのイメージを伝える。そして古賀さんの視点で、立つ場所を指定してもらい、そこで「跳んでいる」かのようなコマを演じるのだ。
うららかな初春の午後、公園にはたくさんの親子連れだ。
そのただ中で、「砂場での停止姿勢」は、なかなかに恥ずかしい。
難しいのは、「空中でのシーン」だ。あの「足をバタバタ」を再現したいのだが、いかんせんそんな跳躍したことないので、まるっきりわけわからぬ。
だいたいこんなだろうとポーズをとるも、高さを稼げない。その場で真上に跳躍してみるが、幅跳びとはまた別問題にしたいほどの情けなさ。
あ、そうだ。あとで合成するんだった。じゃ、まあいいか。
そう気づいてからはたいそう気が楽になりました。
とりあえず一通りの撮影は終わり、家で合成作業だ。
こういうのは、いまどきは一発で連続写真にできるようなソフトがあったりするらしいのだけど、うちにはそんなソフトないので、手作業でゴリゴリ貼り合せたり線に沿って消したりなんだりしていくのみである。
途中ではあるが、こんな感じになる、というところをざっとお見せする。
ここで気になるのはやはり「足」だろう。いや、そういうこと言い出したら全部気になる。空中での跳躍シーン撮影時に一時空が曇ったのだな、とかたくさんあるが、とりあえずは足だ。支え足だ。
それを消して、軌跡をよりそれらしくするために人間をずらしたりしていき、できたのがこれだ。
幾多の難はあるが、個人的には着地部分が、それらしくできたので気に入っている。
全部「カメラ目線」なバージョンも撮った。ついでに見ていただこう。
目線だけじゃなく、滑空時の格好など、不自然極まりない。極まりないさ。
最後に、「ちらっとカメラが気になるアスリート」は、どうだ。
こういう遊びも、たまにはいいものです。
間違って後世にこの写真が残ったとしても、騒ぎにはなるまい。私の子孫は大いに困るだろうが。
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