特集 2020年1月16日

トイレのマークになりたい

ジャジャーン

駅で、店で、毎日トイレのマークを見かける。

最近ふと「人型だし、自分もあのアイコンになれるのではないか…?」と考えた。

あのマークになって街を歩いてみたい。トイレマークのコスプレをしました。

1990年沖縄生まれ。営業日のお昼休みに(ほぼ)毎日更新する「今日の休憩」というブログを運営しています。

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今回目指す姿

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これです。

女性のマークは全身赤、男性のマークは全身青。とてもシンプルな作りだ。

ただバランスが絶妙である。これになりきるにはどうしたらいいのか。

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アイコンの美しさのままパネルにする

最初は「体を赤く塗り、赤いワンピースを着る」なども考えた。

しかし、できればきれいな比率を保ったままコスプレしたい。

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ちまちました計算をし、1パーツずつ「拡大すると何センチか」計算していく。

着ぐるみのように、体全部を覆う形状も考えたが、着ぐるみを作る技術がさっぱりなかった。

今回は「前から見たらトイレマーク」を目指していく。

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カラーパネルを切り、各パーツを作る。なんだかクリエイティブな写真が撮れたが、ただトイレのマークになりたいだけの人である。
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男子トイレとセットがいいので、友人の郡司さんにもお手伝いをお願いした。

ちなみに場所はカラオケルームを借りた。

「段ボール工作的なものをしてもいいでしょうか」と店員にきくと「全然いいですよ」とのことだった。全然いいんだ。

ドリンクバーを堪能しながら、パネルを切ったり貼ったりしていく。

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さっそく丸を切って画用紙を貼り、顔部分ができた。合成のようだ。これに合わせて体を作っていく。

「着た時に動けるといい」「ひざやひじは動かないほうが美しいだろう」初めてなりにこだわりも湧いてきた。

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パーツができた。裏に即興で考えたジョイント工作を施していく。絶対にもっといい方法があると思いながらも雰囲気で作る。
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ジョイントをひもにしたので各パーツは動かすこともできる。
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女子トイレで要領をつかみ、男子トイレも仕上げていく。

さらっと作る過程を紹介したが、めちゃめちゃ時間がかかった。切って貼ってつなげて5時間。

カラオケの「歌わないときの映像」を何ループも聞いたため、知らないアーティストの新曲が歌えるようになった。

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いざ、トイレマークになる

女子、男子。それぞれのパーツができ完成した。

コスプレして何をするか。せっかくなのでまずはカラオケをしてみる。

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お面の要領で、頭を装着します。服は全身黒にし、デザインの邪魔をしないようにした。
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体パーツにもひもを取り付けた。エプロンを着るように首に固定する。
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着れた。思ったより「男子トイレ」だ。男子トイレがカラオケしている様子をはじめてみた。
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動くとさらに面白い。あと関節が曲がらないのですごいマイクを離して歌う人になってしまう。
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ちなみに裏はこうである。「早くなりきってみたい」という気持ちだけでここまできた。思いつきの準備不足を隠せない。
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「作りが悪くてキレそう」と小さい声でいいながら脱いだ。

入ってみてどうだったか郡司さんにきくと「関節が動かないと人は不自由だ」「自分がトイレなんだ、と思うとなぜか膀胱に力が入る」とのことだった。すごい。マークになった人からしかでない感想である。

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いそいそと自分もやってみる。本当にあのマークになれるのか?
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めちゃめちゃなれた。私はいま女子トイレのマークである。そして同じように、マイクが届かずほぼ地声で歌うことになる。
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そしてなぜか動いた方が、違和感があり面白い。「なにこれすごい」といいながら撮影する。

 着心地より再現度をめざしたので目の部分もあいていない。

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着ている間は何も見えず、なんなら鼻も口もカラーボードに密着してたいへん不快である。

ただできた写真や動画をみると「すごい」となる。がんばって手を振ったりしてしまう。たのしい。

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街にも繰り出してみよう

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パーツをわけたので折り畳みが可能で持ち運びやすい感じに仕上がっていた。嬉しい誤算である。
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郡司さんにいたっては愛着がわきはじめ「これたたむとサーフボードみたいでかっこいいかも」といいだした。

ここで気づいたのが「男女で並んで撮りたいが、二人だと前もみえないので撮れない」ということだった。

急遽友人にきてもらいカメラをたくす。

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「休みの日にごめんね、すぐ終わるから!!」といいながら急いで着替えた。
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ちなみに足の固定もひもを巻いただけである。もう前からみてよければいいのだ。

いよいよ並んで撮影である。

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めちゃくちゃ実写のトイレマークになった。ならぶと余計にいい感じである。
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上をみあげたような写真。
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どこかカップルのようにも見えてきた。「星がきれいだね」「そうだな」とかいう会話だろうか。実際の2人の視界にはカラーパネルのみが広がっている。
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ちょっと小競り合うぐらいならコミュニケーションもできた。ただお互いなにが起きているかはわからない。
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途中不安になり、すぐお面をとって確認してしまう。でも写真をみるとたのしい。

ならぶとやはり「いつもみているマーク」感が増す。

また、しっかり立たないと知ってるマークにならないので「あのマークたちは毎日直立でピシっと立っているんだ…」という謎の情が湧いた。

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人通りが少なくなったので商店街でも撮ってみようということになった。独特の移動になる。あとこの日はカメラの設定を最初から間違えたので、全体的に週刊誌の隠し撮りみたいな写真に仕上がっており、申し訳なく感じております。
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観光気分でポーズした。本当にトイレマークが旅行にきたみたいだ。
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アップもかわいい!
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ただ背後は悲しい。

通りがけのおばちゃんが「かわいいわね」と言ったのが聞こえた。

前が見えないので私たちに言ったかどうかは定かではない。

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せっかくなのでトイレマークの前でも一枚。
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もうカメラ設定間違えすぎて亡霊みたいになった女子トイレ前の写真も一枚。
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そして横から見るとこうである。

よく見るものになりきると楽しい

比率をまもって拡大すると、パーツに分けてもしっかりマークに見え、人間が着ると動きがでてなんだかかわいい…などがわかった。

トイレマークはみんなが知ってるので、撮影した写真を友達や家族に送るとみんな笑ってくれた。「みんなが知ってるものになりきる」となんでも楽しいのではないか。交通看板などのコスプレもしてみたい。

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