特集 2021年12月19日

サーモグラフィ・セーターで暖かくみえるか(デジタルリマスター)

サーモグラフィってあるだろう。体温分布がレインボーカラーで図表示され、熱い者はより赤く、寒き者はより青く見えるというあれだ。

そのサーモグラフィぶりを、この冬、セーターに編みこんでみたらどうだろうか。ただでさえ毛糸は暖かなうえ、視覚的にもより暖かく見えてお得なのではないか。エコロジーにも貢献の一着だ。

2007年12月に掲載された記事の写真画像を画像拡大ツールで大きくして再掲載しました。

1970年群馬県生まれ。工作をしがちなため、各種素材や工具や作品で家が手狭になってきた。一生手狭なんだろう。出したものを片付けないからでもある。性格も雑だ。もう一生こうなんだろう。(動画インタビュー)

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> 個人サイト 妄想工作所

体温データにはまったく基づいておりません

しかしサーモグラフィってどんなのだったっけ。と思い、あらためて画像検索してみた。レインボーカラーではないものもあるが、見慣れたものといえばやはり7色のあれだ。いちばん低い温度の青色から高温の赤色まで徐々に変化する、下写真左の図たちだ。

しかしこれらのサンプル、そのままではセーターにしにくい図柄。なぜかといえばブラ紐のあとがくっきり写っていたり、おじさんの3段腹の谷がまるわかりな色分布だったりするのだ。そんなの着れないじゃないか。

よって適当にそれらを組み合わせ、正確なデータにまったく基づかないサーモグラフィをセーター柄とすることにした。基準は「それっぽく見えるか」。

これが相当な作業となることがわかるのは、のちのお話。

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映画「プレデター」でもおなじみの、あのグラフです。
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基本、この6色で。安いアクリルの毛糸で、どうもすいません。

私はふだん好きで編み物をしているのだが、作るのは帽子など小物ばかりで、セーターという大物を作ることはめったにない。そして今日は編み図を独自に作らねばならず、よっていつも以上の正確さが要求される。

ふだんはめったにしない、ゲージ編みというものをしてみよう。10cmに何目・何段入るか最初に編んでみて、それによって各部のサイズを決定したり、編みの強弱を調整したりするのだ。

そのあとで編み図を起こす。「エクセル」で!

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このL字の縦横が10cm。12目×17段ありました。
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ゲージを元に、そしてサーモグラフィのサンプルを元に、編み図を制作。「エクセル」で!

初心者というわけでもなく、かといって学校に通ったりという上級者でもない私は、本の通りには編めるものの、応用を利かすまでには至ってない。セーターの編み図も、より形のよいものを作るにはそれなりのバックグラウンド知識が要るはずなのだが、その辺は「えいやっ」という感じでやっていきます。あしからず。

本に出ていた中でいちばん簡単そうなセーター編み図をもとに、いろいろ検討した結果、表計算ソフト「エクセル」で図を作成することに。

本当は「編み図作成ソフト」というものが存在するようなのだが、今回はこれでいいでしょう。「でいい」と言うには大変な作業だったが。なにせ、エクセルは描画ソフトではない。マウスのドラッグでガーッと塗る、という世界ではないのだ。

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罫線を4:3くらいの比率で細かく設定し、ひとつひとつ色を置いていくのだ!超面倒!でも結局こうするのが一番。
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実際には元の色を多めに置いて、細部だけランダムに変えていけばいいのだが、それでも大変だ。
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編んでる途中でわかんなくなるので、5マスごとに線を太くしました。
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54目作ってから、さあ編んで行きますよ!イバラの道ですよ!

 

 

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白鳥の王子の魔法は解けない

見出しは何のことかというと、まるで「白鳥の王子」のエルザのような気分なわけですよ、来る日も来る日も困難な編み物で。なぜ困難かというと、毛糸をひんぱんに変えねばならず、それがヘタしたら1段で全色を操らないといけないのだ。朝のキオスクかってくらい忙しいのだ。

編み進みながら、「ほんのちょっとの色の変化くらいなら、地の色で塗りつぶして(編みつぶして?)しまおうか」と何度も誘惑を感じたが、それでは編み図で苦闘した意味がない。そこで楽してどうする。

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数十段編めたところ。ちゃんと裾はゴム編みにしている。丁寧な仕事。
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しかし裏はこんな。カニひっくり返した、って感じか。
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編み進むうち、こんなになる。カブトガニひっくり返した、って感じか。
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編みDJ。糸のツナギが肝心です。って謎かけか。
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来る日も来る日も窓際で。あやうく隠退してしまうところ。

意外に時間がかかって、本当なら先々週に記事として披露するところ、今日の記事になってしまった。座りっぱなしで編みっぱなし、肩に相当乳酸がたまって、自分がガンダムになったみたいだ。今日はバブのお風呂ですっきりしよう。

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浜に打ち上げられた何か、っていうか。
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裏表、かなりの温度差をつけました。

言いにくいが・・・なんだか・・・こういうセーター着てる人いるよね、という仕上がりになりそうだ。

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裏のモジャモジャ飛び出た部分を、地に編みこむ、ってだけでもこれまた大変なんだな。
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綴じ糸で各部を縫い合わせて、やっとセーターの完成だ。

 

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こういうセーターあるよね

極太毛糸で編んだだけあって、見た目から暖かそうだ。

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もっこもこ。

実際、ストーブの前に座ったりベランダに出たりしてみる。

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いかにも暖かい人。
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いかにも寒い人。

……おお、胸部全体が赤外線効果で暖まっているのがわかりますね、末端部の血流が悪くなってますね、ってことになるはずなのだが正直そんなに「柄のおかげで」暖かそうというわけでもない。というかよくわからないな。

それより、ふだん寒げにしている人に着てもらうとわかりやすいのではと思ったので、ここである人に登場を願った。編集部員兼デイリーライター「ざんはわ」の石川さんである。

いつもけっこう寒色系の服を着てるし、体の線もシュッと細いし、記事でも水を浴びたり北海道行ったり寒い戸外でロケだったりと寒そうなイメージがつきまとう彼だ。きっと効果が目に見えるに違いない。この辺の論理は気にしないでください。

寒げな石川さんの場合

ニフティまで出向いて、セーターを渡しに行った。戸外に呼び出し、そこで着替えてもらう。いきなり手編みのセーターを渡す、ってとこは中高生みたいだが、初々しい告白なんてもんじゃなく、かなり強引な展開である。

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ぬるめの表情。
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冬木立の中、悄然と立ち尽くす。
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寒いポーズをしてもらう。

こんどは、暖かい!という表現をしてみてください。

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なんだか違うように思うが、楽しそうなので可。

おや?ところであのわき腹、温度分布が偏っている箇所がありますね。拡大して分析してみましょう。

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犬、逃げる。それはそうと、向かって右のわき腹です。
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赤い部分が、ちょっと離れた所に現れていますね。
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臓器の異常か何かで体温が一部高くなっているのでは・・・あれ?何か取り出してますね。
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あ、肉まん!

どうもすみませんでした。

よく考えたら、暖色で編めば「あったかそう」には見えるし、逆も真なり。わざわざサーモグラフィにしなくてもよかったのかもしれない、ってことはさて置き。

あまりサーモグラフィカルには見えなかったこのセーター。やはり、顔や手まですっぽり覆ってのレインボーカラーじゃないと、それらしくは見えないのかもしれない。

そう思い、セーター以外を黒く塗ってみたのが下写真だ。なんとなく・・・サーモグラフィに見えてきませんでしょうか。それともまだ「変な派手なセーターの人」でしょうか。

全身タイツ・・・それはまたあとで考えましょう。

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手編み怪人・サーモグラ。
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