炭酸水のイメージに必要なことがわかった
炭酸水のイメージに水しぶきは有効である。爽快感やシズル感、かっこよさを万人に理解できるような形で醸し出すことができる。
一方、水しぶきやスポーツといったありがちな状況以外ではどこかにデメリットが存在してなかなか成立しにくいことがわかった。
※編集部より
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炭酸水のイメージに水しぶきがあがっていることがしばしばある。
あれにはどういう効果があるのだろう。そもそも炭酸水をかっこよく見せるにはどうしたらいいのか。
実際にやってみてその効果を確かめることにした。
今回実験に使うのはサントリーが新しく出した『THE STRONG 天然水スパークリング』(以下、ザ・ストロング)という炭酸水である。
まずはそのまま炭酸水を飲んだ写真をご覧いただこう。
のど越しや爽快感といったイメージはそのままでもなくはないことはわかった。しかし弱いのである。
他の炭酸水についても見てみたのだが、どれも「水しぶき」が出ていることに気づいた。
爽快感やシズル感の演出ということだろうか。この水しぶきによる爽快感の効果とはどれほどのものか実験をすることにした。
調べてみたところ、まとまった量の水しぶきを出すには人の力でバケツに入れた水をかけるのが早かった。当たる直前に物体に当てて飛沫を拡散させるとなお良い。
練習をくり返して本番に臨んだ。
この程度であった。一人のバケツの量では足らないのだろうか。今度は二人で両サイドから水をかけることにした。
何度かやって成功したのでまずは水しぶきなしの写真からご覧いただこう。
ただ炭酸水を飲むだけだとこうだがこれに水しぶきがつくことにより
こうなる。事情に詳しい関係者からの意見もうかがい、要約と整形したコメントを以下の形式で載せる。
たしかにこちらの方が爽快感がある。これは水をかける者が二人になったことで水の量が増えたことに起因するのだろうか。
問題は水の量か。ためしにバケツでなくじょうろで置き換えてみた。
水の量が少ないことが明らかである。コメントは以下。
今度は水の量をそのままに水をかける方向を変えてみた。前方からである。
この水がそのまま当たった写真がこちらである。
水が出過ぎたようだ。
前からの水は訴求力においてあまり効果がなさそうだったが、炭酸水のイメージ画像において水しぶきは爽快感を与えてくれることがわかった。
まずは商品の特徴を知ることからだろうか。
この『ザ・ストロング』の特長は「超強炭酸」「氷山を思わせるようなバキバキのボトル」「強烈なボトルの開栓音」が特徴だそう。
開けるとたしかに屋外でも「開けたな」とわかるくらい爽快な音がした。ボトルもかっこよく、この商品においては爽快感とかっこよさを両方出していくのが良いと思われる。
爽快感と同時にかっこよさを出していきたいがどうすればいいだろう。
スポーツでかっこよさを演出してみてはどうだろうか。
被写体には空手着でそれらしいポーズをとってもらった。
そして『ザ・ストロング』の炭酸水を飲む。たしかにかっこよく、スポーツ後に飲む炭酸水が美味しそうだ。
これはスポーツをする側であるが、これがスポーツを見る側だったらどうだろうか。草野球を観戦するおじさん(一般人)に置き換えた。
バックネット裏にいるなんの関係もない野良の巨人帽の男が…
『ザ・ストロング』の炭酸水を飲む。プハーッである。
やはりスポーツは観るよりする側の方が訴えかけるものがあるようだ。 他はどうだろう。
スポーツに炭酸水をよく見せる効果があるなら、身体ではなく頭脳、例えば勉強も効果があるのであろうか。
被写体には数学Ⅲの教科書を勉強してもらった。
そして『ザ・ストロング』の炭酸水を飲む。
これもそこそこ高評価である。それではこれが同じ状況で弁当を食べていたらどうなるだろうか
被写体には弁当を食べてもらった。これはちがう意味が出てしまった。
被写体いわく「爽快感はうれしいが、開栓音で早弁がばれそう」とのこと。
ここで一度かっこいいから離れてみよう。次は爽快感に絞って実験を重ねてみる。
たとえば洗濯においてはどうか。
洗いたてのシャツを掲げて…
『ザ・ストロング』の炭酸水を飲む。爽快感がある。
評価が高い。もしかしたら洗濯のシチュエーションのおかげかもしれない。同じ状況で爽快感をなくしてみるとどうだろうか。
シャツと一緒にポケットティッシュを洗濯してしまったので
こそげとるのが面倒で
『ザ・ストロング』の炭酸水を飲む。爽快感がない。
爽快感ではなくかっこよさに戻ろう。それも美的なものでなく論理のもの、大人のかっこよさとも言える親切なシチュエーションである。
横断歩道において
足の悪そうなおばあさんをおぶって
『ザ・ストロング』の炭酸水を飲む。かっこいい。そして爽快感もある。
では同様のシチュエーションで不親切だとどうなったのだろうか。
おばあさんに重い荷物をたくさん持たせて
そして『ザ・ストロング』の炭酸水を飲む。爽快感がまるでない。
親切の中でも公共心を前面に出してみたらどうか
街を掃除して…
そして『ザ・ストロング』の炭酸水を飲む。爽快感がある。
ところが同様のシチュエーションで掃除道具を変えてみると…
土の上をカーペットクリーナーでコロコロしたうえで
『ザ・ストロング』の炭酸水を飲む。プハーッである。
たしかに狂気を感じるようなところがある。
かっこよさに戻ってみて、例えば悪いやつをやっつけるヒーローというのはどうだろうか。
悪漢にからまれて
腕をとってひねり上げる
そして『ザ・ストロング』の炭酸水を飲む。爽快感がある。
同様のシチュエーションで炭酸水を飲む人数を増やしてみたらどうなるだろうか
悪漢をひねり上げてから…
そして『ザ・ストロング』の炭酸水を飲む。
同様のシチュエーションでかっこわるい方向に振るとどうなるだろうか。
からまれたのでとっさに悪漢の靴をほめて…
そして『ザ・ストロング』の炭酸水を飲む。かっこよくはない
食事においても炭酸水は相性が良さそうである。ここでは仕事が忙しくさっと食事をとるかっこよさを求めてゼリードリンクを飲んでもらった。
仕事をしながらゼリードリンクを飲み
『ザ・ストロング』の炭酸水で流し込む。
同じ状況でゼリードリンクを変えたらどうなるだろうか。
おにぎりをゼリードリンクのように吸うのである
おにぎりをチュッチュッと吸い…
そして『ザ・ストロング』の炭酸水を飲む。プハーッである。
この辺りでもう新たな手法も思いつかなくなり、文脈も失ったがダメ元でやってみたものがこちらである。モデル、安藤昌教が精一杯がんばった結果である。サービスショットだと思って見届けていただきたい。
ばねを持った男が
芝生の上を楽しそうに…
転げ回って…
その曲がり具合を慈しみ…
『ザ・ストロング』の炭酸水を飲む。
プハーッである。
実験は以上である。
炭酸水のイメージに水しぶきは有効である。爽快感やシズル感、かっこよさを万人に理解できるような形で醸し出すことができる。
一方、水しぶきやスポーツといったありがちな状況以外ではどこかにデメリットが存在してなかなか成立しにくいことがわかった。
※編集部より
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