特集 2025年3月20日

日本とブラジルで同時に団子を地面に刺し、地球を三色団子にする

地球はまるい。そして(部分的に)緑色だ。
地球のほとんど反対側に位置するブラジルと日本で同時にピンクと白の団子を刺したら、地球を三色団子にできるのではないか?
ちょうどブラジルに行く用事があったため、「地球だんご」を実行しました。

1999年生まれの人類。記事を書いたり短い動画を作ったりしている。
室内用サインプレートと国語辞典、絵本が大好き。酒が苦手。
飲み会でオレンジジュースを6杯飲み、同僚に心配されたことがある(果糖の過剰摂取を)。

前の記事:巨大なキリスト像、カーニバル用山車の路駐~突然ですが今ブラジルにいます

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一本の団子を分ける

ブラジルに出発する当日の昼、日本サイドで協力してくれる友人と駅で落ち合った。

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三色団子を手に持って駅のホームを歩く機会なんてなかなかない!
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串から緑の団子を外し、食べる
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残りを分けやすいように整えて…
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ひとおもいに
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切る!!

作戦を立てた当初はそれぞれ別々に団子を買って用意することにしていたが、一本の団子を分け合ったほうがロマンがあるので急遽そうした。ちなみに2月の下旬はギリギリひな祭りでもお花見シーズンでもなく、スーパーをまわっても全然売っていなくて焦った。

分けた団子をパックに入れ、しっかり携えてブラジルに向かう。

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「白団子、行ってらっしゃい」「ピンク団子、元気でね」
団子を入れたパックを合わせる姿はさながら赤外線通信
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成田エクスプレスの窓を挟み、別れを惜しむ団子たち

このあと成田空港の手荷物検査で私の手荷物が引っ掛かり、団子が通れなかったかと思ってヒヤヒヤした。同行者たちはこのプロジェクトを知っていたため、通り抜けた先で「団子かなぁ」「団子かねぇ」と話していて笑ってしまった。
ちなみに団子の持ち込みはまったく問題なく、飲み物のペットボトルを捨て忘れていただけでした。

合計25時間の特大フライトの末、団子とわたしは無事ブラジルに到着した。

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ビニールに包まれた団子、空港の「Rio」とご対面
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地球団子化計画、決行

ホテルにチェックインして翌日の朝、さっそく「地球団子化計画」を決行した。
東京にいる友人と都合が合ったのは5時半(東京:夕方17時半、リオ:早朝5時半)。時差がちょうど12時間なので、お互いが同時に行動できる時間は限られている。

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早朝5時半のリオデジャネイロ。早朝なのに人通りが多く、店も開いているしバスも通っている
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一方、友人がいるのは夕方17時半の東京駅。仕事帰りとおぼしき人々が行き交っている

リオの街を一人で歩くのは危険なので、ホテルを数歩出ただけの敷地内で実行することに。ホテルのロビーで友人に電話した。電話中は動画が撮れないので、「この電話を切ったら地面に刺す」と決めた。
いそいそと団子をラップで保護し、準備万端!「じゃあ、刺すね!」と電話を切り、ホテルを出た。


ちなみにこの撮影中、わたしの5倍くらいの体積の屈強なガードマンがホテルの入り口からずっと怪訝な目で見ていた。ごめんなさい、ちょいと地球を団子にするだけなのでね…。
 

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リオから団子を刺し、
動画2.gif
同時に東京からも刺さった!
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上下に並べると感動的
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絵に描くならこういう状態です。地球を団子の一部に組み込めた。なお団子(真ん中の地球は除く)はスタッフが美味しくいただきました。
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まとめた動画がこちら

刺している間、通行人たちが団子を持ってしゃがみ込む小さな外国人(私)を一瞥して通り過ぎていく気配を感じ、ポルトガル語で話しかけられたら何も説明できないぞという緊張で手がめちゃくちゃ震えた。

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広くて狭い世界を実感した

団子を石畳に突き立てた瞬間、遠い遠い「地球の裏側」を感じて興奮した。串は貫通してこそいないものの、独特な匂いが漂うリオの路上と忙しい午後の東京が確実に繋がった手応えがあった。

また日本から一番遠いとも言えるであろう国に飛行機に25時間座っているだけで行けて、かつ日本にいる友人とリアルタイムで通話までできてしまう文明の発達具合にも感心した。飛行機がなかったら一生を懸けてトライアスロンしないと辿り着かない土地であると考えると震える。

世界の広さと狭さを同時に味わえる企画でした。


去年は「地球サンドイッチ」

ちなみに昨年も同時期にブラジルに行ったのですが、その時も同じ友人と食パンで地球を挟む「地球サンドイッチ」を作りました。

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2024年に作った地球サンドイッチです。地球上の全員が「挟まれている」ことになる。
これを読んでいるあなたもパンに挟まれたのですよ。

 

編集部からのみどころを読む

編集部からのみどころ
世界を勝手に団子にしたふたり。むかしのSFに出てくる悪の組織のような仕業です。
それでいて「独特な匂いが漂うリオの路上と忙しい午後の東京が確実に繋がった手応えがあった。」とちょっとアーバンなことを書いています。「してやられた」という感想がぴったりの企画です。悔しい。(林)

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