もらったので自宅でも飲んでみます

古本屋で買った「媚薬の博物誌」という本。古今東西の媚薬(びやく)が載っていて面白い。中でも普通の草から滋養強壮の薬が作れるらしく、色々と載っているのだが、読んでいて心当たりのある草の名前があった。
※この記事は4月1日はテキストなしで公開されていました(テキストなしバージョンはこちら)。
媚薬(びやく)とは一般的にはちょっとエッチな気持ちになったりする薬のことである。漫画やアニメなどで薬のせいで主人公が色んな女の子にモテるシーンが出てくるがそういうのをイメージしてください。
そんな媚薬であるが、古本屋で買った「媚薬の博物誌」ではそんな怪しい効果だけではなく「健康増進、滋養強壮に効果があり、ビタミンとミネラルを豊富に含んでいる」ものも媚薬と定義されている。
リンゴやトマトも媚薬だったという歴史が書かれていたり、江戸の媚薬など色々な媚薬の情報が載っていたりと面白い本である。だが、その中で媚薬リストが掲載されており、ある植物で目にとまった。
母の実家で風邪をひいたときのことである。「元気になるから」とイカリソウをせんじたお茶を飲ましてくれことがあった。あれ、媚薬だったのか。
母に改めてイカリソウのことを聞いたら、まだ家にもあるそうなので実物を見に行った。
母が言うにはイカリソウは母の生まれ故郷の福島県田村市の一部の人たちの間で飲まれていた。そこの地域では野草をお茶にする習慣があったそうで、あるとき、近所の人が山でイカリソウを採ってきて、お茶にしたところ「元気になった!」という話題になり、そこからイカリソウ茶がブームなったそうだ。今でも飲んでいる人がいるという。
本当に色んな野草をお茶にしたらしく「マタタビもお茶にして飲んだ」と言っていた。爽健美茶の開発チームぐらい色んなお茶を飲んでいる。
名前の由来は船を止めるときに使う「いかり」に形が似ているからイカリソウと名付けられた。ちなみに中国語では「淫羊藿(インヨウカク)」と書く。名前がすでにエロい。
名前に羊が入っている理由として、ある地域に放牧されていた羊がこっちが恥ずかしくなるぐらいはちゃめちゃに交尾をしていた。疑問に思った村人が調べてところ、このインヨウカクことイカリソウを食べていたことが由来らしい。そんな元気な羊を数えても眠くならなそうである。
花が咲くのは夏、収穫するのは秋である。主に葉っぱを収穫し、干して乾燥させてから使用する。ちなみに花が白くないと効果が高くならないそうだ。また、茎も効果は効果があるが葉っぱの方が効果高い。
実家にも植えてあるが、今の季節ではその姿が見られなかった。
花の部分も焼酎に漬けておくと効果がある。捨てるところがない野草である。
作り方も簡単で干したイカリソウを弱火でじっくりと15分以上煮出すだけである。
焼酎に漬けて飲むのも効果がある。ただ、焼酎に漬けるときはアルコール度数の高い(35度以上)だと効果が良く出るそうです。
効果としては体力がないときなどの滋養強壮(じようきょうそう)に効果があり、夏の暑い時期に母が知人へあげて、毎日飲んでいたら夏バテしなかったそうだ。あとで調べたら養命酒にも入っていた。納得できる情報源を見つけた。
「先日のその先生に行ったら展覧会で50万で買った人がいた。50万円欲しい。」と言われたが、息子としては「そうだね」としか言えなかった。
そんなことよりも味と実際の効果が気になるだろう。
わかりやすくいうとよく売っているような健康茶の味だ。少しクセがあるかもしれないが飲みやすい。ウーロン茶がサブカルに目覚めたような「おれ、変わってるんだぜ」というような自己主張がある。もっと濃く煮だしたら苦く、薬草独特の匂いが強くて飲みにくいかもしれない。
そして、効果であるが急に元気になったりはしなかった。毎日少しずつ飲んで効果が出るお茶であり、即効性のあるものではないのかもしれない。
ただ、夜に飲んで翌日、いつもより元気に仕事ができた気がする。栄養ドリンクのような効果はあるかもしれない。(個人の感想です)
![]() |
||
▽デイリーポータルZトップへ | ||
![]() |
||
![]() |
▲デイリーポータルZトップへ | ![]() |