特集 2023年6月19日

チャレンジ!ノー包丁手ちぎりクッキング

レベル3「肉野菜炒め」

最後は今回最高難易度と思われる、肉野菜炒め。

野菜炒めといえば、全ての野菜の多きさを揃え、フライパンに入れる順番を考慮しつつ、全体の火の通りを均一にすることが、美味しく作るポイントですが、手ちぎりだとそのあたりが絶望的です。

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野菜はオーソドックスにこんな感じ

正直、麻婆豆腐に使った九条ねぎもまだ冷蔵庫に残ってるんです。あれがちぎりやすいことはもう知っている。ただ、ここでも九条ねぎを使うのは、逃げにならないか? 僕は野菜炒めに入っている、普通に太い長ねぎが大好き。ふだんどおりにそれを使ってこそ、いつもとの違いがわかるはず。というわけで、長ねぎ、買ってきました。

では野菜をちぎっていきましょう。まず、キャベツは余裕。もう、葉物野菜全般、これからは「ちぎり野菜」と呼んでもいいくらい。

しいたけも余裕。繊維に沿ってさっくり割れて気持ちいい。ピーマンをばきばきと割っていくのも同様。

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ここまでは問題なし

続いて鬼門のにんじん。今回もまた、なるべく細かくなるよう、うおりゃ〜! と気合を入れてトライすると、割りどころが悪かったんでしょう。カレーの時は4分割できたのに、今回は3分割にしかなりませんでした。

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なんてこった……

あぁ、包丁などとぜいたくは言いません。せめてここに石でもあれば、がんがん叩いてもっと細かくできるのに。いや、さらにその石の一部が尖っていたしりたら、もっと均一にカットできるかも? ……こうやって人類は進化してきたんだろうな、と、実感させられますね。

続いて、はたして手でちぎれるものか? まったく予想がつかない長ねぎ。

ところがですね、これが、ぞうきんを絞るように力をかけてやると、ちょうどいい大きさくらいのどんどんちぎれていってくれます。なんだ、長ねぎってちぎり野菜だったのか。

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ただし、手はねぎくさくなる

では作っていきましょう。カレーの時同様、まずは弱火でじっくり、にんじんに火を通していきます。

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20分くらい

そうしたら他の野菜たちを投入。にんじんに覆いかぶせ、さらに蒸してあげるようなイメージで。

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にんじんにおふとんをかけるように

これまたじっくり10分くらい火を通したら、最後に肉を入れましょう。でっかい塊の豚肉を買ってきてちぎるということも考えましたが、よく考えたらいつも野菜炒めに使っているのは、薄切りの豚肉。おもしろ演出に引っぱられてふだんと違うことをやっては本末転倒なので、素直に薄切り肉を買ってきました。

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30%引きやったぜ

ただ、取り急ぎちょうど良さそうな肉を買ってきたところ、100g279円と、ふだん100円前後目安で買っている僕からするとかなりの高級肉。フライパンに入れてみると、

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なんだかやたらとうまそうだ

これまたよ〜く火を通し、ここまでずっと弱火で加熱し続けているので、素材の味はしっかり引き出されているだろうと、味つけは塩のみとしてみました。

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きっとこれでじゅうぶん

というわけで、完成!

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「ノー包丁手ちぎり肉野菜炒め」
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いただきます!

って、今回もなかなかに異様な光景ですよね……。特にこの、

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そそり立つ巨大にんじんが

中華屋さんで肉野菜炒めを頼んでこれが出てきたら、「私、なにか店主さんを怒らせるようなことしたっけ……?」と、不安になること間違いなし。けど、作ったのは自分なのでその点は安心。

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チューハイ飲みつつ
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小さめのにんじんは

マナーが悪いと思いつつ、確認のために箸を刺してみると、お、柔らかい。そして、シンプルな塩味によって甘みが引きたれられていて、うまい〜!

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その他の具材も

しゃきしゃき、ざくざくとした食感がいつもの野菜炒めよりもワイルドで、美味しい&楽しいですよ。このあたり、手ちぎりクッキング共通の感想だな。あと、さすがに肉が上品な香りでひと味違う!

肝心の大にんじんはというと、これまたカレーの時同様、芯に近い部分はまだザクっとした食感が残っていて、食べごたえがすごいです。しかも、他の野菜や肉と絡めながら食べることができないから、おのずとこいつだけは単体食べになる。

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野菜炒め→にんじん→野菜炒め→にんじんの順になる

結果どういうことが起きるかというとですね、食べていると、「大にんじん以外はおかず、大にんじんは主食」という感覚に、どんどんなってくるんです。このひと皿をおかずにごはんを食べるのではなくて、大にんじんがごはんの代わりというか。

最終的にこの日のお昼はこれだけ食べて大満足でしたし、ダイエット中の方なんかにも向いているかもしれません。手ちぎり肉野菜炒め。


次は「石クッキング」

以上、未体験の手ちぎりクッキングをやってみた結果、

・いつもと同じ材料なのに、いつもと違う食べごたえになって楽しい
・食材の切りかた(ちぎりかた)が、なぜか仕上がりの味にもしっかりと違いが生まれる
・「いつもどおり」「手ちぎり」またはその「混合」と、今後の選択肢が増えた
・根菜はとにかく時間がかかる
・にんじんがおかずにも主食にもなる

などのことがわかりました〜。

次は手ちぎりクッキングを一歩進化させ、包丁は使っちゃダメだけど石だけは使っていい「石クッキング」に挑戦してみたいと思います!

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