特集 2023年6月19日

チャレンジ!ノー包丁手ちぎりクッキング

レベル2「カレーライス」

続いてはカレーいってみましょう。カレーに入れる野菜といえば、おなじみのこいつら。

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にんじん、玉ねぎ、じゃがいも

いきなり難易度が上がりますよね。どいつもこいつも「ちぎる」という行為と結びつかなすぎる。

ただ、カレーは煮込み料理ですからね。最終的にこのまま煮込んでしまったって、時間さえかければなんとかなっちゃうだろうし。気楽にいってみましょう。

とりあえずにんじんから。って、そもそも非力な自分の力で、2分割にすらできるもんなんだろうか……。まぁ、やってみるしかありません。

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うおりゃ〜!!!!!!!!!!

………………ポキッ。

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あ、いけた

ただし、直径が太くなるほど当然力が必要になり、

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4分割が限界でした
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じゃがいも

こいつはそもそもちぎれるわけがないので、よ〜く洗って芽の部分は入念に爪で削りとり、下ごしらえ完了。

続いて、これまた不安要素百点満点の玉ねぎ。

とりあえず、身に沿って縦に爪で切れ目を入れ、そこを手がかりに皮をむくことはできました。

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つるんっ

ただ、その先がうんともすんともいかない。てっぺんのこの、絶対に切り離しておきたいもじゃもじゃしたやつも、どうやってもとれない。

通常、細かく切ってじっくりと飴色になるまで炒めたいところなんですが、

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もう、いいや

とりあえず鍋に入れてしまいました。で、焦げないように弱火にして、気長に火を通していきましょう。というか、それしかやりようない。

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10分後

なんとなくひっくり返してみると、裏面に美味しそうな焦げ目がついていましたが、変化はそのくらい。まだ、かっちかち。

こりゃあだいぶ時間がかかりそうだぞ。玉ねぎが柔らかくなるのなんて待ってらんない。

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他の野菜も入れちゃえ

で、熱が回りやすいようにフタをして、さらに15分ほど放置してから様子を見てみると、

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見た目はそれほど変わってないけれど
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お!

木べらで崩せるくらいに玉ねぎが柔らかくなってますね。

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えいっえいっ

しかも、こりゃあいいぞ! これならカレーになるぞ! と嬉しくなって突っついていたら、

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あの嫌な部分も勝手に外れた

良かった良かった。

ただ、調子にのってこのまま玉ねぎをつぶし続けていたら、細かくなりすぎて、手ちぎりクッキングの意味がなくなってしまう気もします。適度なところで止めておき、たまに全体を混ぜつつ、さらに10分。

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おお!

じゃがいもや、にんじんの小さいブロックは、これまた木べらで割れるくらいに火が通りました。ごらんのとおり、にんじん(大)はまだ硬く、途中で挫折しましたが。

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ちょっと味見

あまりにうまそうなんで、にんじんとじゃがいもをひとかけずつ取り出し、塩をふって味見をしてみると、ほくほくで甘くてものすごく美味しい!

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さらに10分

ここまでかかった時間、45分。全体がとろりとしてきて、これはもう、カレースタンバイ完了と考えていいんじゃないでしょうか!

では肉を加えていきましょう。今回は、スーパーでお手頃だったのと、せっかくの手ちぎりクッキングなのでちょっと豪快にいきたいと、ステーキ肉を選んでみました。

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ステーキ肉のビーフカレーを作ります

サシの入った国産牛というわけではないので、どの程度ちぎれるのか、僕の腕力くらいでは歯が立たないのか、まったく予想できていなかったんですが、この肉が驚くほど柔らかかった!

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ひきちぎり余裕
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なんだなんだ、うまそうじゃないか

ここでたまらず、火の通ったステーキ肉を味見してみると、甘みのある野菜が絡んでめちゃくちゃうまい! もはやこの時点で「ちぎり野菜とちぎりステーキ肉のじっくり炒め」というレシピとしてプッシュしたいくらい!

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今夜の献立にいかがでしょう?

さて、鍋のなかの様子はふだんカレーを作る時とまったく違いますが、そろそろ最終工程に移っていきましょう。規定量の水を加え、ぐつぐつと煮込んでいきます。

するとちょっと意外な現象が。というのも、

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アクがあんまり出ないんです

ふだんのカレー作りだと、この段階でどんどんアクが出てきて、それを何度か取り除く作業があるわけですが、今回は上の写真くらいのアクが一度出て、それをさっととってしまったらもうそれっきり。なぜだろう? 各食材の断面が、いつもよりも少ないということが関係しているのかな。

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火を止めてルーを投入

アクが少なかったぶん、汁に旨味がたっぷり出ているようにも見えますね。こりゃあ期待大だ。

で、ルーを溶かしてさらにしばし煮込めば、約1時間を費やして完成!

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「ノー包丁手ちぎりカレー」

豪快にお皿に盛って、

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いざ実食

いや、うまそうではあるんだけど、やっぱり異様な見た目ですよね。特にこの、

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にんじんと目が合う感じ……
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ではいただきます

もぐもぐもぐ……あ! うっめー!

そりゃあまぁ、ぜいたくにステーキ肉を使ったからというのはあるんでしょう。けれどもなんだろう、それ以外はいつもどおりの食材なのに、野菜のフレッシュかつ濃厚な香りと甘味が爆発しているというか。玉ねぎはもちろん、にんじんやじゃがいもにも弱火でじっくり火を通したのが良かったのかな。なんだか、いつもの家カレーよりだんぜんうまい気がするぞ。

だいぶ溶けてしまいましたが、それでも一部残っている大きめの玉ねぎ。違和感があるどころか、食べごたえがあって最高です。そういえば、町中華のカレーの玉ねぎって、こういうタイプ多いよね。

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じゃがいもも

あえて途中で潰さず残しておいたじゃがいもがまたうまい。さっくりとした食感が残っていて、じゃがバターのような素材本来の美味しさを感じることができます。

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そして肉!

ステーキ肉って、レアに焼いてシンプルに食べないともったいないような気がしてしまい、ふだんカレーになんて絶対入れないですよね。だからこそ、強烈すぎるな……このごちそう感。とろとろでありつつ、しっかりとした噛みごたえもあって、牛ならではの旨味が強烈で。そもそも僕は、カレーが大好物なんですよね。それとステーキが合わさっちゃってるんだもんな。好きに決まってるよな。そりゃあ。

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脂身のところがまたうまい
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太にんじん

小さいブロックのにんじんはなんら違和感なかったんですが、このラスボスにんじん。周囲は柔らかく、中央は若干さっくりとしたくらいの硬さが残っていて、甘みや香りをしっかりと感じることができます。同じカレーに入っている、もとは同じにんじんなのに、それぞれ感想がまるで違う。

結論として、手ちぎりカレー。材料は同じなのに、なぜかいつもの家カレーとは別ベクトルの美味しさがありました。またやる!

⏩ 最後は肉野菜炒め!

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