特集 2021年10月12日

炭酸水の「シュワー」が響くスピーカーを作る

左下の人はイヤホンを作ろうとしています。

お菓子の箱などで簡単に作れるスマホのスピーカーがあるが、あの要領で炭酸水の「シュワー」という音がきれいに響くようになったりしないだろうか。結論から言うと、けっこうできた。音の質が変わっておもしろかったです。

1987年東京出身。会社員。ハンバーグやカレーやチキンライスなどが好物なので、舌が子供すぎやしないかと心配になるときがある。だがコーヒーはブラックでも飲める。動画インタビュー

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炭酸水のスピーカーを作ってみたい

家で、炭酸水をコップに入れてちびちび飲みながら諸々の作業をすることがある。よく飲むので缶のものを箱買いして、缶のまま傍に置いていたら「シュワー」の音が違うことに気がついた。

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これ。『ただの炭酸水』
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Tadano Tansansui

わざわざ「ただの」と言うところに慎ましさのような卑屈さのようなよく分からない意思を感じて、そこが気に入って買った。

そして「シュワー」の音がいつものコップの時と違う。いつもの音が「シュワシュワシュワ…」だとすると「シュコココココ…!」と缶の中で反響して、大きく力強く聞こえる。全然慎ましくない。小さな音なんだけど、入れ物によってはっきり違いが出るのだ。

そこで思い出したのがスマホの手作りスピーカーである。

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お菓子の箱などでも作れて、構造もシンプルである。

炭酸水でもこんなことができないだろうか。「シュワー」の音が大きくなったり臨場感が出たりしたらおもしろそうだ。

そんなきっかけで身の回りのものを材料にしてごちゃごちゃとやり、全部で4つの装置ができた。順番に紹介します。

一号機、チップスターの筒

まずはシンプルに、缶に筒をはめてみてはどうだろうか。

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つまりこれを、
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こうだ。
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プッカもだ。
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箱の隙間はボンドで埋めて、音が逃げないようにした。

聞いてみよう。こちらである。

音が変わった! 明らかに大きくなった、という感じではないのだが、音の質が変わっている。「シュココココ…」とこもった音だったのが「シュカカカカ…」という開放的な音に聞こえる。

そしてこれは動画ではお伝えしづらいのだが、音がぶつかってくる感じが肌で分かるのだ。チップスターのパッケージから炭酸の粒が飛び出し、僕にぶつかって弾けるような感覚がある。炭酸飲料のCMで、飲んだ瞬間、水しぶきがかかってくる演出があるけど、まさにあのイメージである。

やっぱりおもしろい。オーディオに関して全くの素人なのだけど、のめり込む人がたくさんいるのが分かる。

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こうやって耳を覆えるようになったのも良い。こうするともう全身炭酸水である。シュワシュワの一部になれる。

ちなみに、プッカの箱もだいたい同じ音が出ていたのだけど、音が出てくる部分がきれいな円になっているチップスターの方が、音が一直線に飛んできて優秀だった。

二号機、グラスと牛乳パック

一号機を改良してより良い音を出したい。そこでこうしてみた。

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グラスに牛乳パック。
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こんな意図があった。

一号機を作って思ったのが、なんとか音そのものを大きくしたいということだった。高さのあるグラスで炭酸水の音が反響するようにし、取り付けた牛乳パックもラッパのような形状にした。

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塗装もした!

スマホのスピーカーの作り方などを調べると、紙素材のものはスピーカーとして使うには弱いので、厚塗りできる塗料で補強するといいということが書いてあり、炭酸水を響かせたい僕もそれに従った。

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真っ黒だとお店で売ってるオーディオ機器みたいでかっこいい。

音はどうだろうか…!

劇的にではないのだが、ちょっと良くなった…! 動画では分かりにくいレベルなのだけど、ちょっと音も大きくなったし、より開放的な良い音になったと思う。

一号機の音を聞いた時、炭酸の粒がぶつかってくると書いたが、二号機はその量がすごく多い。横向きの霧雨みたいに炭酸が来る。もうびしょびしょである。音で。

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こう見ると顔面に炭酸水を浴びてるよう。音と目が合ってるな、と思った。

三号機、イヤホン

ここで寄り道をしてイヤホンも作りたくなった。人生って寄り道らしいのだ。

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100円ショップでシリコンのチューブを買ってくる。
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こんな仕組みである。
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炭酸の缶に取り付ける。無音だ…。

すごくダメそうな見た目で、ちゃんとダメだった。

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チューブがいけないのかなと思って小さい声を出してみる。ちゃんとチューブから聞こえる。

炭酸水の音が小さすぎるのか、音の質が向いていないのか分からなかったのだが、とにかく無音だった。

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本当はこうして、炭酸の音を聞きながら勉強などをしたかった。
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すごくかっこいいな…!

チューブがノートを隠してしまうのでどけながら書いていたら、缶ごと引っ張って倒してしまい、装置の中が炭酸水でいっぱいになった。掃除中、今までで一番大きな「シュワー」が聞けた。

四号機、粘土

初心に返ってスピーカーを作ろう。二号機の塗装したスピーカーは悪くなかった。素材が大事なのならばと、石粉粘土を使ってみることにする。石の粘土だ。音がよく跳ね返りそう。

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夜中に無心で粘土をこねる。
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こんなのはどうだろうか。
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こんな感じで缶に乗せて使う。

石粉粘土は乾燥に時間がかかる。ペタペタ触って作ったものは愛着もひとしおで、乾かしている間も倒れたり傷ついたりしていないかとても心配だった。1日半ほどで表面が乾いたので音を聞いてみる。

缶を開けてスピーカーを乗せた瞬間、空気が変わって鳥肌が立った。音の広がり方が違う。目立って音量が変わったわけではないのでまたもや動画でお伝えしづらいのがもどかしいのだが、音というか、この炭酸水の周囲の空気がフワッと変わった感じがしたのだ。

きっと今までのスピーカーが直線的に音を発射するような構造だったのに対して、このスピーカーは音を広げるような形をしているんだと思う。柔らかく「シュワー」の音に包まれた感じがした。

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このようなイメージ。

炭酸水の音聞き放題ライフを送ろう

結局一番気に入ったのは粘土のスピーカーだった。

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気に入ったので色を塗った。
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色んな炭酸飲料を試せる。でもやっぱり普通の炭酸水が一番音が大きかった。

そう言えばお菓子の箱や牛乳パックは、はめる缶やグラスの大きさが決まってしまっていたが、これは乗せられさえすればだいたい使える。とても実用的である。

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これで炭酸水の音聞き放題ライフを送ろう。

ハッスルしすぎてしまった。

粘土のスピーカーの色は淡い青で、直接絵の具を乗せて敢えてムラを出すような感じにしようとか色々考えていたのだが、終わってみたらかなり青くてムラの感じも中途半端になってしまった。見切り発車だった。

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でも楽しかったな。
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