特集 2023年12月5日

レジ袋としても使えるタンクトップを作る

タンクトップとレジ袋は似ている。

うっかりそんなことに気が付いてしまったものだから、タンクトップとレジ袋を合体させたものを作ることになった。

変わった生き物や珍妙な風習など、気がついたら絶えてなくなってしまっていそうなものたちを愛す。アルコールより糖分が好き。

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似ている二人

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つまりはこういうことなんだな。

平置きしたときの見た目が似ている。

シルエットは言うまでもない。色はレジ袋もタンクトップもだいたい白色だから同じである。

レジ袋の底辺を切り取ってやればそのままタンクトップになるのではないか。

はじめ、小ネタとしてどうかというくらいの軽い気持ち(なかばヤケクソ)で提案したのだが、ここで驚きの事実が判明した。

いたのだ、すでにやっている人たちが。

(「レジ袋 着る」などで検索すると出てくるのですが、刺激的な画像もあるので心して見てください)

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車輪の再発明を回避。

というわけで、新規性を求めた結果レジ袋×タンクトップの新しい物を作ることになったのだった。

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とりあえずレジ袋を着てみる

とはいえ、ものは試しなのでまずはレジ袋を着てみることに。

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家にあったレジ袋。
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底辺を切り取る。これで穴の配置はタンクトップと同じである。
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ガサガサ......。

絶対に窒息しないとわかっていても、頭にビニールをかぶせる感触はどこか不穏である。

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思ったよりも着づらい。

レジ袋を着るのは思ったよりもたいへんだということが分かった。

おもな原因は持ち手の穴が腕の太さに対して小さいことだ。腕を通すための穴ではないのだから当たり前である。

そして素材に伸縮性がないので無理に通そうとすると肩の関節が外れそうなくらい痛い。

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たまりかねてハサミで穴を広げることに。
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着れた!

撮った写真を見返すと、自分でもびっくりするくらいの笑顔だった。人間、こんなことでも達成感を得られるものなのだ。

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脱ぐときに裂けた。

なんとか着れたのはいいが、切れ目を入れて無理矢理穴を広げたこともあって脱ぐときに裂けてしまった。一回こっきりの消耗品。やはりレジ袋はエコではないようだ。

タンクトップを改造する

ここからが本題である。

タンクトップを改造して、レジ袋にもタンクトップにもなるものを作るのだ。

布でできていて繰り返し使えるわけだから機能としてはエコバッグの方が近いかもしれない。しかもただのエコバッグとちがって着ることもできるわけだから、まさに究極のエコ。

特許をとって悠々自適の生活をするところまで妄想が膨らんだ。

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やりたいことはこれだ。

タンクトップの底辺にファスナーをつけて開閉できるようにする。

開けばタンクトップ、閉じればレジ袋というわけである。

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ユニクロでタンクトップを買ってきた。

余談だがユニクロの前に何軒か別の店を見て回ったのだが、ぜんぜんタンクトップを売っていなかったので「すわ、企画倒れか」と青くなった。

冬にやる企画ではないと思った。

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広げてみたところ。

言うほどレジ袋と似ているだろうか?という根本的な疑問がむくむくと膨らんでくるのを感じたが、気付かなかったことにする。

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そしてファスナー。
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長さを合わせて、
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縫い付けていく。
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小学校の家庭科の時間に買った裁縫道具が今も活躍している。

普段裁縫はしないのだが、縫っている間は無心で作業に没頭できて気持ちがよかった。フロー体験である。

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縫えた。

1時間ほどで完成。

なんならもっと縫っていたいくらいの気分だ。

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平置き。見た目は加工前とほとんど変わらない。
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着るための準備でファスナーを開けてみたところ。
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タンクトップをタンクトップとして使ってみる(=着てみる)

まずは着てみることに。

ファスナーを開けた状態ではただのタンクトップなわけだから、ただのタンクトップなりの着心地だろうと思っていたが、やってみると実はさにあらず。

驚きの発見があったので紹介しておきたい。

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着たぞ!
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ファスナーのつまみがちらっと見えるところがポイントだ。

さて、着るときにすでに違和感を覚えていたのだが、脱ぐ段になっていっきに問題が顕在化した。

このタンクトップ、脱げないのである。

正確には、裾の部分をめくりあげて脱ぐということができない。

その脱げなさと言ったら、「ひょっとしてずっとこのままなのでは......」という絶望が頭をよぎったほどである。

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最終的に、肩の部分に指をかけて上に引き上げることでなんとか脱ぐことができた。
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原因はこれ。

ファスナーを取り付けたことによって裾の部分がいっさい伸縮しないようになっていた。だから、いつも着ているシャツと同じように裾をまくり上げて脱ごうとすると初手でつまずくことになってしまったのである。

これは目から鱗な体験だった。

我々が服を脱ぎ着するとき、思っている以上に服は伸び縮みしているのだ。

タンクトップをレジ袋として使ってみる

タンクトップとしての問題点がわかったところで、次はレジ袋として使ってやる番だ。今脱いだばかりのタンクトップ・レジ袋を握りしめて買い物に出かけた。

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レジ袋として使うための準備でファスナーを閉めたところ。

道中で少し考えた。

この発明品(あえてそう呼ぶ)、解釈としては

いざというときにタンクトップとしても使えるレジ袋(=メインの役割はレジ袋)

いざというときにレジ袋としても使えるタンクトップ(=メインの役割はタンクトップ)

の二通りがあるわけである。

頭の中であれこれシミュレーションしてみたが、どちらかというと前者がふさわしかろうという結論になった。

買い物してレジ袋がないときに、その場で着ているタンクトップを脱いでレジ袋にするのはいろいろとマズい。

逆に、着るものがなくて困っているときに、レジ袋を使って服を作るというのはなんだかありそうな気がしなくもない。現に私は雨のなかでレジ袋をかぶっている人間なら見たことがある。

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そんなことを考えているうちに買い物が済んだ。
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袋としての使い勝手は上々。肩にかけてヨシ。
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手に持ってもヨシ!
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ただし重いものを入れるとものすごく縦方向に伸びるようだった。2L入りのお茶ボトルを入れて手で持つと地面に擦りそうだ。

まとめると、このタンクトップ・レジ袋(なにかいい名前がないだろうか?)は

・着るときは横に伸びてほしいのに、伸びない

・袋として使うときは縦に伸びないでほしいのに、伸びる

という問題を抱えていることが分かった。

これが改善できるのかどうかはわからないが、世の中にある服や袋の材質は適材適所になるようよく考えられているのだなと感心したのだった。


最近、スーパーマーケットのロゴ入りのレジ袋をあまり見なくなった

ひと昔前に比べて自前でロゴ入りのレジ袋を用意する店が減ったのだろうか。効率化といえばそれまでだが、寂しいことである。

スーパーのロゴが入ったレジ袋風のタンクトップがあれば面白いと思った。

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スーパーのロゴは鳥をモチーフにしたものが多い気がする(上の絵のロゴは勝手に考えたものです)
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