冷凍のギョウザが楽しみ
機会がなくてまだ食べられていないのだが、今、冷凍庫に自販機で買ったギョウザがある。
冬の上着が必要なくなったと思ったら夜はやっぱり寒かったり何なら昼間も日陰はちょっと寒かったりするが、いやいやよくやっている、着実に暖かくなってきているよ自信持てよとかなり気候に対して好意的になれている。春が来たのだ。
浮かれたついでにたんぽぽについて調べてみると、各所に「たんぽぽ公園」が存在することが分かった。あるなと思ってはいたがちゃんと見るとけっこうある。たんぽぽそのもののようだ。
春真っ盛りまで秒読みという今の時期、各たんぽぽ公園のたんぽぽ開花情報をお伝えします。
「たんぽぽ公園」とGoogleマップに入れただけで、都内近郊にこれだけ出てくる。
「そよかぜ公園」も「ふれあい公園」もたくさんあるが、今回は「たんぽぽ公園」だ。上の地図のうち、時間が許す限り6ヵ所を巡って来た。そもそもたんぽぽ公園にはたんぽぽがあるのか、そしてあるのなら咲き具合はどの程度かをお伝えします。
1ヵ所目は東京都江戸川区にある小松川たんぽぽ公園。JR総武線平井駅から徒歩で15分くらい。
日差しが暖かい。でも日陰で風が吹いたらちょっと寒い。まさに3月下旬という感じの気候である。
たんぽぽの開花時期は3月から4月。時期的には咲いていてもおかしくないが、そもそもたんぽぽがあるかどうかが分からない。公園を管理する方も「たんぽぽ公園」と名付けたからといってわざわざたんぽぽを植えたりはしないだろう。そういう花じゃないのだ。
しかしあまり不安にも感じていなかった。暖かくなってきたので「たんぽぽ」と名の付く場所へ行く。そこがいいのだと思う。
奥の遊具で子どもたちが遊んでいて、広場の方では親子が自転車の練習をしていた。なんてのどか。
一番日当たりのいい場所がこんな感じで、他の桜の木はつぼみだった。わくわくしますね。
下を見ながら公園をぐるっと一周するが、たんぽぽはなかった。葉っぱだけを地面にペタッと広げた冬越しのたんぽぽもなかった。
小松川たんぽぽ公園のたんぽぽは咲いていない、というよりかはそもそも無いという結論になった。しかし広い公園なのでもっとよく探したら一株くらいはあったのかもしれない。たんぽぽってそういうところあるので。
江戸川区 小松川たんぽぽ公園 たんぽぽの開花情報
そもそも見当たらなかった
江戸川区のたんぽぽ公園にたんぽぽはなく、たんぽぽ的な日差しやのどかさだけを享受した。そのまま電車に乗って浦安市の公園に向かう。
たんぽぽのことを意識しながら歩くと、他の植物のことも何となく気になってくる。
小さい公園である。親子が二組くらいいて奥のすべり台で遊んでいる。
たんぽぽの花が見られた。たんぽぽ公園の隅でひっそりと咲いている。あなたの名前がついた公園なんだからもっと堂々としなさいよと言っても、やはりこういう風に咲くんだろう。そういう花なのだ。
茎も短いしまだ咲きはじめたばかりなのかなという感じがした。3分咲きということにしておこう。今さらだけど、桜に言う時の「◯分咲き」とは若干違う意味で、この記事に限り使っています。しっかり茎が伸びて花の数もそろってきた状態を「満開」としよう。
浦安市 たんぽぽ子ども遊園 たんぽぽの開花情報
3分咲き
また電車に乗って東西線の東陽町駅に来た。ちょっと距離があるけどここから歩いてみる。
季節限定メニューで『メンチカツとデミグラス・カレーのおそば』があったので頼む。暖かくなったのでたんぽぽ公園を見に行くなんて人間は季節限定メニューを食べるべきだ。
まずもう『デミグラス・カレー』という表記が良い。村上春樹の昔のエッセイで『キャット・フード』と書いてあったのを思い出した。
そばもカレーもメンチカツも、それぞれに「ちょうどそういうのが欲しかった」という塩梅があって最高だった。季節限定だけど、今期中になんとかもう一度食べたい。そう思える味だった。店中にデミグラス・カレーの香りをさせてしまったが悔いは無い。手放しでおすすめします。
ここは枝川橋という橋のふもとの広場を小さい公園にしたもので、こっちがたんぽぽ広場、通りを挟んで向かいの広場はひまわり広場という名前になっている。
見ていただいて分かる通り、たんぽぽは無い。
道中はとてものどかでたんぽぽ的な春の訪れを感じたが、目的地にたんぽぽはなかった。旅の過程で得たものこそ、求めていたものなのかもしれない。3ヵ所目にしてもうそんなことを思う。
ここで一気に東京の西側に来た。中野駅からバスに乗って行く。
これはまた無いのか、と思いながら下を向いてうろうろすると、
あった。中野区立たんぽぽ公園にはたんぽぽがある!
今は冬越しの状態で、これから咲くのだと思う。春はこれからだ。
中野区立たんぽぽ公園 たんぽぽの開花情報
開花前
今度は荻窪駅に行って、そこから少し歩く。
何か買って公園で食べようかなとか思ってよく確認もせずギョウザのボタンを押すと凍ったギョウザが出てきた。
立ち止まって考えてしまった。たんぽぽの花を咲かせている力が春、それが仏だとすると、たんぽぽ公園とはなんだろう。
公園に「たんぽぽ」と名付けることで、人が、春の力と触れ合えるようにしたみたいなところ、そんな作用があるとしたら、仏像…? 仏像なのかな。仏像巡りをしているのか僕は。
たんぽぽ公園には小さい公園が多い。もしかしたら「小さいながらも素敵な場所であろう」というニュアンスが「たんぽぽ」という単語に含まれているのかもしれない。
さっきの仏像のことを蒸し返してみると、お地蔵さんに近い。
杉並区立たんぽぽ公園 たんぽぽの開花情報
そもそも見当たらなかった
夕方近くなり曇ってきた。次で最後にしよう。吉祥寺駅からバスでたんぽぽ公園に向かう。
住宅街にひっそりとある小さい公園。たんぽぽは無いがたんぽぽの名前が付いている。今までのパターン通りの公園だった。
三鷹市 下連雀たんぽぽ児童遊園 たんぽぽの開花情報
そもそも見当たらなかった
「たんぽぽ公園」だからといってたんぽぽがたくさん咲いているわけでは無い、ということが分かった。「袴田」という苗字だからといって袴を履いているわけじゃないし、「持田」という苗字だからといってもちもちしているわけではないのだ。多分そういうことなんだろう。
しかし一日歩いてみて春が来ていることははっきりと分かった。もう少ししたら僕が見つけられなかったたんぽぽがバンバン咲くのかもしれない。そうなったら自分の注意力にがっかりしてしまうが、花がたくさん咲くというのはそれはそれで良いと思う。
しかしひとまず今の時点では、こちらをもってご報告とさせていただきます。
たんぽぽ公園 各地の開花情報
そもそもたんぽぽがほとんど見当たりませんでした
機会がなくてまだ食べられていないのだが、今、冷凍庫に自販機で買ったギョウザがある。
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