日曜たのしさ一万尺 2021年12月19日

親知らずを語れ

知人が親知らずを抜いた話をネットに書いていた。痛そうだったがおもしろかった。書いてる本人もノリノリだった。

そういえば別の同僚も以前、親知らずのことを書いていた。

人は親知らずを抜くと語りたくなるのではないか。親知らずはコンテンツである。

その仮説をもとに、投稿を募集したい。

1971年東京生まれ。デイリーポータルZウェブマスター。主にインターネットと世田谷区で活動。
編著書は「死ぬかと思った」(アスペクト)など。イカの沖漬けが世界一うまい食べものだと思ってる。(動画インタビュー)

前の記事:そうめんとそばを混ぜると、おもしろい

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投稿企画だが、例によって初回投稿はデイリーポータルZの関係者に呼びかけてみた。

するとあっというまに20件をこす体験談が集まった。親知らずのコンテンツ力を一緒に楽しみましょう。

無粋な注
以下はあくまで個人の経験を当事者の視点でおもしろく書いたものです。親知らずについて不安があったらおもしろサイトに書いてあることで判断せず、歯科医に相談して下さい。

では痛い話をエンジョイしていきましょう!! 

大学病院で6人の研修医に見守られながら90分くらいかけてなんとか抜歯したあと、汗だくの先生が「こういうケースは全身麻酔で抜いた方がいい」と指導している声が聞こえました。
(拙攻)

聞こえてるときに指導しないでほしい。

歯医者の先生が苦戦しているので僕も一生懸命口を開けていたらアゴが外れました。初めてのことにパニックになっていると突然すごい衝撃が来てアゴがはまりました。先生が手のひらで叩いてくれたみたいです。完全に忘れていたのですがmixiの日記に書いていたので思い出せました。
(トルー)

「あごが外れる」って都市伝説じゃないんですね。

トンカチ系

うちでは手に負えないと町医者から紹介された大学病院に行きました。そこで木槌みたいな器具でガンガン叩かれて抜くというか砕かれました。その日は酒を控えるように言われていましたが、当時アルコール依存症でしたので、恐る恐る呑みました。
(つりばんど岡村)

酒飲みが最後に行き着く「焼酎」って書いてある焼酎(でかいやつ)を飲んでいたそうです。

大学生の時に下2本の親知らずを抜きました。抜くと言うより、砕くというのが正しくて、金槌的なので砕いて、抜いたものを見せてもらったら、4つくらいに割れていました。砕く時の衝撃は脳が揺れる感覚でした。怖くて上2本は抜いていません!
(地主恵亮)

こちらもトンカチで砕いた系。歯科医用のハンマーというのがあるようです。

なぜamazonで売ってるのかは謎。

発表される

4本はえて4本とも抜きました。
3本はグリッバキッと簡単に抜けたのですが、1本は巨大過ぎたので手術で切開されて抜かれました。
足が6〜7本あり、学会の発表で使わせてと言われました。了承しましたが、実際に発表されたかどうかはわかりません。
中学から高校にかけての話です。
(宮城剛)

学会でエアギタリストの歯が発表された。 

6本抜きました。
上の左右にトウモロコシの粒サイズが追加で2本。学会で発表するくらい珍しいと写真をたくさん撮られました。
岡本智博(オカモトラボ)

6本!ちょっと自慢したくなりますね。

衝撃 

2010年8月30日に抜きました。麻酔が効いてたので、歯茎をメスで切ったり横倒しの親知らずを砕いたりする痛みはありませんでした。ただ、体が大きい先生がゴリゴリと歯を砕く衝撃だけが頭蓋骨に響いてました。先生の体が大きくてヒグマっぽいので、妻と僕は勝手にクマ歯科のクマ先生と呼んでます。
なんで正確な日付も分かるかと言うと、Twitterにそのときの記録が残ってました。デジタルタトゥー(違う)。
(松本圭司)
高校から大学にかけて4本抜きました。
先生から「入院する方法もある」とも紹介されたのですが怖すぎるので通院にした記憶があります。
下の歯が大き過ぎたので、歯茎を切って、歯を叩いて4つに割って取り出しました。麻酔がかかっていたのでまったく痛みはなかったのですが、ゴッゴッと歯が口の中で割られていくあの衝撃は未だに覚えています。
(北向ハナウタ)
20歳半ばの頃に一年に一本ずつ、計3本抜きました。
どれも根っこ部分がややひねくれていましたが、変な生え方はしていなかったと思います。
抜歯中、先生に口の端を押さえつけられ、頬の内側と歯が当たって痛かった記憶が強いです。
(米田梅子)

この衝撃を体験できるASMRあったら…いやですね。

いったん広告です

のんき

生まれつき親知らずがないのでこの手の話ではいつも優越感を感じています
(石川大樹)
特に抜く必要を医師に指摘されたとかではなく、暇だったので4本抜いた覚えがあります。2000年ごろです。
めちゃくちゃに腫れました。
(古賀 及子)
4本抜いたんですが、あまり記憶がありません…
(小堺丸子)

右下の親知らずを抜いて2日後ぐらい、食事の後に口をゆすいだら、抜歯した跡に詰まってた食べかすが見事な円筒形になってスポン!と抜けたのが非常に気持ち良かったです。

(きだてたく)

親知らずがない、暇だから抜く、記憶がない、円筒形が気持ち良い。これまでと違うテンションの人たち。 ではまた次からハードです。

人生を優先する派

24歳の時に2回に分けて2本抜きました。歯が横向きに生えてきていたので、かかりつけ歯医者さんではなく大学病院で砕いて抜いてもらったんですが、先生がずっと「大きいな」と言っていたのが印象的でした。
当時は何も考えていなかったので手術の次の日ハワイ旅行に出かけたのですが、飛行機の中で猛烈に腫れて顔がおたふくのようになっていたそうです。運良く腫れもそのうち引いて何も問題なく旅行を楽しんだのですが、ハワイで何かあったらとか、熱が出たらどうしようとか、何も考えずに行動していた自分が信じられません。(アメリカの病院に行くことになったら膨大な額の医療費がかかったかもしれない……と考えると恐ろしいです)
(ほりべのぞみ)

手術からのハワイ旅行のメリハリ。

留学前に4本を別々の日に抜きました。
「真っ直ぐ生えているし矯正で永久歯を4本抜いているので抜く必要がない」と歯医者に言われたのですが、海外での歯の治療費が高いと聞き、歯医者を説得して抜いてもらいました。
抜歯後に飲み会へ行ったら、次の日めちゃくちゃ腫れました。
(ほりべさんの投稿をみて思い出しました!)
(橋田玲子)

計画性があるなと思ったら酒飲んでる。 

2013年〜2014年にかけて計3本抜きました。
そのうち1本を抜く直前、しばらく思うように食事できなくなることを憂い、歯医者の近くにあった店(この店)に駆け込んでラムの串焼きを頼んだら、なかなか焼き上がらずに歯医者の予約の時間になってしまい。急遽テイクアウトして抜歯に向かうことになりました。
その後、帰宅してまもなく、ラム串の誘惑に抗えずに頬張ったところ、ものすごく食べづらく、計画性のなさと我慢のなさを反省しました。
抜歯自体の辛さはあんまりよく覚えてません。
もしまた抜く機会があったら、抜く前に余裕を持って食べたいものをほうばっておきたいです。
(ネッシーあやこ)

 ラム串を持って歯医者に行く。故事か。

大学のときに親知らずをまとめて抜いたんですが、手術直後に飲み会があり、笑うとめちゃくちゃ顔が痛かったので、とにかくつまらない会話になるように必死でいらないツッコミを入れ続けたことがあります…

(まいしろ)

会話が面白くならないようにするツッコミを聞きたい。

現在進行系の人たち

まさに今日抜かれてきました。
大学病院で先生と学生が取り囲んで、「つぎはどうするんだったっけ?」「はい、麻酔です」「ちげーよ消毒だろ」とか話してました。最初学生がトライしたけどうまく行かず先生にパスしたところあっという間に抜けました。患者としては不安だったけど医学に貢献できてよかったです。
「明日は前歯プラプラの患者だから一瞬で抜けるよ」とか言ってて面白かった。今は平気ですがこれから痛くなるんじゃないかと不安です。
(三土 たつお)

「つぎどうするんだっけ」って医者で一番聞きたくないセリフです。

今年の夏、奥歯の治療のために左側上下の親不知を抜きました。
かかりつけの歯科医に紹介状され大学病院の口腔外科の診療を受けたところ、根っこというか歯ぐきに埋まっている部分が肥大化して普通のやり方では抜けないので歯ぐきの肉を切開して取り出す入院手術が必要との事。
少し混乱して大変な事になったなあと病院を出て御茶ノ水駅に向かう橋を渡る時、橋の向こうのビルにたくさんの処方箋薬局の看板が掲げられているのが見えて「処方箋薬局はいったい何をもって他店と競合しているのだろう」と気になったのを覚えています。
手術当日は麻酔薬の点滴を1回ミスって、お、挿し直したなと思ったところで昏睡し全身麻酔による手術は無事に終わりましたが1ヶ月弱程じんじんと患部を襲う鈍痛に悩まされました。
これから奥歯の治療がやっと始まります。キッズリターンのようです。
(伊藤健史)

 途中の処方薬局の心理描写はなんなんでしょう。

高校生くらいから存在は認知していた親知らず…ずっと歯医者に「いつか抜いた方がいい」と言われつつも見て見ぬ振りをしており、ついに今年抜きました!
大人になってから抜くのはなかなかキツいとは聞いていましたが1泊2日で入院して抜くはめに…。
コロナ禍で基本マスクの生活だったからこそ、抜こうという勇気が出たのかもです…それに関してはコロナ背中押してくれてありがとう…。
(井口 エリ)

伊藤さんも井口さんもしれっと入院してますね。

高校生の時CTを撮ったら、歯の下に歯が埋まっていて驚愕しました。CTの医者に「この状態だと親知らず生えないかもね」と言われました。
その後、成長して骨?歯?の位置がずれたのか、奥歯親知らず4本全てキレイに生えてきました。歯医者に「奥歯これ全部親知らずですね!うまい具合に生えてて稀です。ラッキーですね!」と力説されました。ラッキー奥歯です。
今日、定期検診に行ったら「きれいに生えて入るけど、要らない歯なので抜きましょう」と言われ、震えてます
(ぬっきぃ)

これはビフォア親知らずの話ですね。エピソードゼロ。

2010年から4年連続で1本ずつ抜きました。
上の歯より下の歯の方が痛く、更に生えかけてるのを抜くより埋まってるのを掘り出すほうが痛かったです。一番ひどいときは10日ぐらい鎮痛剤飲んでました。
3本目の抜歯中に「腫れるけど氷では冷やすな」と念を押されました。抜きながらチョコレートの匂いのクリームをたびたび唇に塗られたのが気になりまくった。(なんのことか不明だが、分かる人いたら教えて欲しい…)
4本目は切開する必要もなく上の歯なので、抜歯日が近づいてきても今までになく冷静。抜歯慣れしてるのもある。抜歯って慣れるのか…
(さくらいみか)

チョコレートの匂いのクリームが気になりますね。チョコレートだったら最高。 


 さてここまで読んできて、おれにも親知らずエピソードがあるぞ、語らせろ!とテンション上がった皆さん、ぜひ投稿してください。

語りたくなってつい長文になると思いますが350文字以内でまとめてください。投稿はスペース調整、読みやすくするために文章を編集することがあります。ご了承ください。

では親知らずが生み出すコンテンツを聞かせてください!

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