重要なのは懐中電灯
撮影に必要な物はまずカメラ。シャッターをバルブに設定できるカメラがお勧め。撮った結果を確認しながら設定をいじりたいのでデジタルの方がやりやすいけど、もちろんフィルムでも撮れます。そしてカメラを支える三脚、ぶれないようにシャッターを切るためにシャッターレリーズ、そして今回の肝、懐中電灯。
これだけ持って昼間のうちに目星を付けておいた桜の咲いている場所へ出かけよう。周りが暗い方が撮りやすいので時間はなるべく遅い方がいいのだけれど、あまり遅くにカメラを持ってごそごそやっていると問題もあるので注意。
撮りたい桜を見つけたら三脚にカメラをセットする。暗いのでファインダーをのぞいてもたぶんピント合わせとかできないので、マニュアルフォーカスで無限遠方に合わせてしまっていいと思う。あとはバルブか長時間に設定したシャッターを切るだけ。
で、ここでおもむろに懐中電灯の登場だ。
シャッターが開いている間、写したい桜を懐中電灯でくまなく照らす。するとフラッシュでは届かなかった奥の方の桜の花にまでまんべんなく光が届くのでぼわんと夜空に浮かぶ桜の写真が撮れるのだ。これが大山メソッドの全貌だ。
周りの明るさにもよるが、今回はシャッターを30秒ほど開け、絞りはかなり暗めに絞っている。このあたりの設定は夜景の撮影だと多少変わっても問題ないので、あとは何度も撮影しながら変えていったらいいと思います。
どうだ!大山メソッドの効果がおわかりだろうか。
まず色の違いも見てもらいたい。そのまま撮影すると白っぽく、そして平面的に写りがちな桜が、撮影中に懐中電灯で照らすことでピンク色の立体的な桜になっている。大興奮だ。問題は懐中電灯で照らしていると桜の後ろの家に信号を送っているみたいになって気が引けることくらいか。夜中に撮影していたのだが、急に窓の明かりが点いたのであせった。
この方法でどんどん撮影していこう。