特集 2021年7月20日

自撮りのさびしさをどうにかしたい

君と過ごした夏。

記事の撮影をするとき三脚を立てて自撮りをすることがある。ただ、このむなしさはなんだろうか。

だれもいないなかポーズをする悲しさ、この興奮を共有できない無念な気持ちがある。それが表情に出てしまうときがあり、楽しい撮影が台無しになってしまう。

もっと笑顔で撮影したい。それなら自撮りに何かを加えればきっとさびしくなくなるのではないか。

1988年神奈川県生まれ。普通の会社員です。運だけで何とか生きてきました。好きな言葉は「半熟卵はトッピングしますか?」です。もちろんトッピングします。(動画インタビュー)

前の記事:「自由が丘駅はとんこつのにおいがする」は本当か?


自撮りをすることが多い

記事の撮影をするとき、三脚を立てて撮影をしている。たぶん、ネットで記事を書いている人は全員やったことがあるだろう。

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三脚と向かいあって撮影をする。
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カメラと三脚、無機質な感じがさびしい。

これはもう悲しさを抱えながら生きていくしかないのか、ひとりの孤独な男としてこのまま終えるしかないのか。

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写真だってぼやける。心霊写真のときの画質じゃん。

違う、運命はいつだって自分の手で切り開いて行かなければならない。もっと自撮りを楽しくするしかない。

カレーを目の前に置く

カレーの旬を聞かれたら「毎日が旬です!」と答えるほどカレーはいつ食べてもうまい。見るだけで心がやさしい気持ちになるし、食べたらうまいし、きっと宝くじも当たるしで一石三鳥である。

そんなカレーが前にあれば、きっと笑顔で写真を撮ることができるのではないか。公園に来る途中でインドカレー屋があったのでテイクアウトをしてきた。「ナンを焼くのに20分かかるけどいい?」と聞かれたが「全然待ってます!」とお店の中で待っていた。待ってから食べるナンはうまい。

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旬を感じる焦げ目。
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笑っているけどカレーを見ているな。

確かにカレーは笑顔になるが、目の前に置かれると見てしまう。あまりにもうまそうなのだ。お腹だって鳴る。

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道で猫に出会ったときと同じ顔をしている。
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そのあと、食べた。外で食べるカレーはおいしい。いや、いつだっておいしい。
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あの頃の日記で照れ笑い

恥ずかしさで照れ笑いをすることがある。隠そうと思った感情がどうしていいかわからず、思わず顔に出てしまう。そんな笑いを意図的に起こせれば笑えるのではないか。でも、そんな方法あるのか。家を探したらあった。

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そう思って持って来たのがこちら。高校生の頃に書いた日記です。

先日、掃除をしていたら見つけたのだが内容が青い。処分するか迷ったがもしかしたら何かに使うかもととっておいたが、登板するのが早い。肩、温まってない。

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薄目で見てください。

「絶対に落としてはいけない」という気持ちで持って来た。この記事を読んでいる人、もしこの日記が落ちていた場合、燃やしてください。

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セットした。カンペか?

液晶パネルとカメラ本体で日記をはさむことできた。これを見ながら撮ってみる。

セルフタイマーを10秒にセットした。10、9、8とカウントダウンするにつれて、学生の頃の思い出、平静をよそおっているが面白い感じで書きたいという文章の雰囲気が目に入ってきてしまいうわーってなる。うわーって叫びたい。

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まぶしさと恥ずかしさ、全部が合わさった顔をしている。笑顔ではない。

余談だが、個人的に一番恥ずかしかった部分がある。

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自分で書いた大喜利の答えを見て、
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結果的には笑顔になったが心になにかしらのダメージを受けた。

三脚をかざりつける

やはり楽しそうな雰囲気が大事である。パーティーなんてずっとみんなニコニコしている。そうか、パーティーか。楽しそうな雰囲気にすればきっと笑顔があふれた写真が撮れるのではないか。そう思って、誕生日パーティーをすることにした。

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三脚をかざりつける。

部屋をかざりつけるとおめでたく、楽しい雰囲気になるだろう。なので、100円ショップで色々と買って三脚をかざりつけた。

晴れわたる青空の下、パーティーがとりおこなわれる。真夏の誕生日パーティーだ。ハッピーバースデー。

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飾りつけられた三脚。

帽子をかぶせたらかわいい三脚になった。まるでパーティーの参加者の一人だ。たのしい誕生日パーティーが行われようとしている。遠くでユーチューバーを歌っていた。歌ってみたをしているところをはじめて見た。

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そんな状況で撮った写真、なんか泣きそうでした。

泣きそうになっている。誰も来ないのにかざりつけているさびしさ、カメラだけがにぎやかになっている状況、ユーチューバーが歌うアニソン、全てが重なって悲しくなった。

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お誕生日おめでとうございます。
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人と撮りたい

色々やって気づいたが、やっぱり人に撮られたい。だが、予定があったりと呼ぶのが難しい。なら、三脚を人っぽくすればいいのではないか。そうすれば人に撮られたように思えるかもしれない。

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そう思って家からカツラを持って来た。

カメラにカツラをとりつける。人ってだいたい髪があれば人に見えるから。

あと、今まで野鳥を撮影していたおじさんがこの様子を撮影していた。自分、野鳥じゃないんですよ。

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できた。無機質な感じがなくなったが呪いって感じがするよね。

カメラにカツラをかけてみると無機質な感じがなくなった。これで撮られてうれしいかと言われたら、ここは黙秘権をつかわせてください。

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カツラをつけて撮影した写真。セルフタイマーのランプが髪の毛で見えないので、いつ撮影されたかわからないのが短所。長所は全部です。
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マネキンをつかってみる

やはりもう少し人に撮られた感じにしたい。なのでマネキンを持って来た。

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空気でふくらませるタイプのマネキン。

これをカメラの後ろに置いてカツラをかぶせれば、それはきっと人である。やってみよう。ふくらませるのって夏の時期にやるとダイエットになるほど汗が出るのでおすすめです。

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周りでナンパをする人がいたり、上半身裸で散歩する人がいたり、自分の言うのもなんだか変な撮影をする人など無法者たちが集まっている。

ふくらませること15分、段々と形になってきた。汗が止まらないのはこの日、とても暑かったからか。それともみんながこっちを見てくる冷や汗か。十六茶をゴクリと飲んだ。

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暑い夏が始まろうとしている。

ふくらんだところで撮影をしようとしたが、このままだと無機質な感じになるので服を着させた。そっちの方が人間っぽく見えるだろう。見えるという気持ちをみんなで持とう。大事なのは強い気持ちである。がんばれ。

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念のため制服を着させた。一応。一応ですよ。

この撮影をしていたら外国の人がじっとこちらを見て去っていった。あと、別の外国の方は「ワオ」と小声で言って去った。グローバルな撮影をしている。

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はじめて彼女が立ったとき、夕暮れをつげる涼しい風が吹いた。

なんとか立たせることができたがカメラを構えているように見せたい。テープで固定しようと思ったがそもそもテープを持って来てなかった。

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右手のそでの穴に左手のそでボタンを入れるといいですよ。
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カメラ女子だ。かわいい。

カメラ女子がいる。休日はカメラを持って町へ繰り出すタイプの人だ。もしかしたら、好きかもしれない。ちゃんと言わせてください、好きです。

準備ができたこんなかわいい女子に写真を撮ってもらえばきっと素敵な笑顔になると思う。

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撮れた写真には怪しい笑顔を浮かべる男がいた。捜査線上にいる男じゃん。

だめだ、ちゃんとした笑顔ができるような自撮りをしたいのだ。出すか、本当は使いたくなかった秘密兵器。

写真を撮るときに声をかけられたい

実は家でセルフタイマーの10秒に合わせて音声を録ってきたのだ。しかも録っただけではない、ソフトを使って女性の声に変換した。家には誰もいない時間を狙った。これがばれたら家にいられない。やっていて「もうダメかもしれない」と思ったが、笑いが止まらなかった。

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音声を録っているとき、希望に満ちた目をしていた。

勇気がある人は聞こう

録音した直後、友人にこの音声を送りつけて聞いてもらったところ、「キテレツ大百科のトンガリ?」と言われた。こっちだって本当はもっと美少女っぽい声がよかった。でも、これはこれで満足です。

セルフタイマーをONにした瞬間、録音した音声をスマホで流す。流すぞ!公園の人たちは耳をふさいでください!!恥ずかしいから!!!

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さあ、流すぞ!

なんだこの気持ち、うれしさと恥ずかしさがこみ上げてくる。これか、これが写真を撮られるってことなのか。普通に三脚を立てて行う撮影の5倍いい。

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いい笑顔の写真が撮れた。

よかった。心が満たされている。今日は寿司を食べてもいいな、そう思いながら家に着いた。

片付けているときセミの鳴く声が聞こえてきた。おれたちの夏が始まろうとしている。

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幸せになります!

本当はプロに頼もうと思った

今回の撮影で音声を使おうと思ったとき、フリーの声優さんや音声依頼サービスを使おうと考えていたが、月日が過ぎるのは早いものでぼーっとしてたら撮影日前日でもうだめだと思い、自分で録音した。今度、こういう撮影をしようするときは頼もうと思った。自分の声は恥ずかしすぎるから。

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カップルが撮影をし始めたとき、その世界線に行きたいと思った。
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