小袋のデザインを変えてみた
もしも納豆についてた「たれ」や「からし」がこんなパッケージだったらどうだろう。
買ってこれが出てきたら、納豆にかけるものとは思わず多分捨てる。
もしも赤飯の「ごま塩」がこのパッケージだったら……
ケミカルな印象だろう、塩とゴマなのに。
袋には「たべられます」と書いてあるので問題ないはずだが、どちらもパッと見「食べるな」と言われてるように見える。
「食べられます」を作ってみよう
この「たべられます」小袋を作る流れをざっと説明しよう。まず見本にするための「食べられません」をまとめ買いした。
お菓子に気軽に入ってるぐらいだし、多分安いんだろうと思ってはいたが、20袋320円だった。1袋16円ぐらいなもんだったのか。
この小袋を参考にしつつ、同じようなデザインを描いてみた。元は「DO NOT EAT」だった部分は「YOU CAN EAT」とかでいいか。
「Oxygen Absorber」は日本語にすると「脱酸素剤」……ってことは、ここは内容物の英語訳か。「Safe and delicious food」にでもしとこう。
これをフィルムのシール用紙にプリントする。A4用紙にプリントしたらこのサイズ感。ロゴ自体はかなり小さい。
このシールを食べ物が入ってる未開封の小袋に貼る。そして、本物の「たべられません」に紛れさせてみると……
この流れを知っていれば抵抗がないかもしれないが、これをなにも知らない人に渡したらどうなるだろう。
お土産として渡したい
作った小袋を、普段お世話になってる当サイトの編集部のみなさんにお土産として持って行ってみた。
し、しまった。編集部の藤原さん、リアクションを求めちゃいけないタイプの人だった。
人選改め、気を取り直して……
疑い深く心配性の橋田さんは、「食べられる」と書いてあっても、最後に「ほんとは乾燥剤でしたァァァ!!」とネタばらしがあるような気がしてならないらしい。かなり警戒している。
開封して中を見てもらった。
「色が危険な感じがする!」と一同抵抗を感じるようだ。
この中身は何かというと、パチパチ弾けるキャンディ(昔売られてた「ドンパッチ」的なやつ)だ。
ここでもう一つ用意してた別のお土産を出してみる。今までの袋よりもちょっと大きい。
袋が大きい場合、不安感はなくなったようだ。こんなに大きい「たべられません」は存在しないから、まったく別物に感じるらしい。
そして開封したら明らかにお菓子なので、これなら不安感もゼロ。
見た目で判断する難しさ
ここで袋の中身を出してみよう。食べられない「脱酸素剤」、納豆に入ってた「からし」、「パチパチキャンディ」を開封し、見比べてみた。
ここにいる全員が脱酸素剤を開けてみるのは初めてだったが……
「パチパチキャンディ」の色もちょっと警戒してしまうという話になってたが、「からし」の色にもみんなギョッとした。
この中で一番普通に食べられてる自然な食品のはずの「からし」にみんな抵抗感を感じてる。
確かになにも知らない状態で「どれ食べる?」と聞かれたら、迷わず「脱酸素剤」だろう。
不安感をあおる見た目って?
袋の見た目は、やっぱり本物に近い方が不安感が増す。大きすぎても小さすぎても、嘘っぽさがあるので、ほどほどが良いようだ。
中身の見た目については、カラフルだと危険に見えるという意見もあったが、単色でも中身を知らされてなかったら怖いもんは怖い。
とにかく「得体の知れなさ」=「不安感」ということなんだろう。
……ということは、不安感を与える「食べられます」を作りたい場合、こうすればいい。
「(袋が)本物と似てる」「(中身が)得体が知れない」この条件を満たしていれば、そこそこびびらせることができるのだ。
今後似たようなものを作りたいみなさんは、この条件を満たすようにしてみてください。
ところでみなさん、ヨーグルトに砂糖が付いてこなくなってたのを知ってただろうか。
糖の袋にシールを貼ろうと購入したら付いてなくて、なぜ……?? と思ってたら、5年も前に添付が終了になってたと初めて知った……。そんなにも長期間気づかなかったくせに、時間差でちょっとショックを受けた。