新ゲーム「商店街ブラックジャック」
このたび新しく考えたゲームは商店街ブラックジャックである。いきなりだが遊び方はこちら。
カフェが10軒、歯医者が5軒、ラーメン屋が6軒見つかったら合わせて21だ。
事前に用意した店カードを何枚か選び、商店街を歩く。そして見つけたお店の数でブラックジャックをするというもの。考えただけでわくわくする。
店カードは筆者が独断と偏見で28枚作りました。商店街で数軒見つかりそうなものばかり。
カード用の用紙に印刷してオリジナルカードを作成。
戸越銀座で商店街ブラックジャック
実際に遊ぼう。世界初の商店街ブラックジャックの舞台は関東で一番長い商店街である戸越銀座商店街だ。全長1.3kmもある。渋谷駅から表参道駅までの長さとだいたい同じだ。
そんなスーパーロングロングストリート、戸越銀座の端っこに来た。
今回、闇のゲーム「商店街ブラックジャック」に参加してくれるのは高瀬さん(左)と石川さん(右)
そして筆者(ほり)
戸越銀座を端から端まで移動して21を目指す。そして、しょっぱなから特別ルールを設定する。
特別ルール
最初の1枚はランダムに選ぶ。(2枚目以降は好きなカードを選ぶ)
ほり:1枚目はランダムに選びます
石川:ブラックジャックっぽさがありますね
ランダムにカードを1枚ずつ引いたところ、高瀬さんは餃子、石川さんはたこ焼き。
高瀬:餃子屋さんってことですか?
ほり:看板のメニューに餃子が含まれていればOKにしましょう
高瀬:となると、けっこう多そうですね
筆者はラーメン屋を引いた。戸越銀座にラーメン屋は何軒あるんだろう。絶妙に予想しづらい。う~ん、8軒ぐらい?
ほり:2枚目以降は好きなカードを好きな枚数だけ選んでください
石川:じっくり考えていきたいですね
ほり:あと、カードの右上に予想を書くと良さげです
入念にカードを選ぶ石川さん
さっそく、各自構築したデッキを披露する。
高瀬さんのカード。男気溢れる2枚勝負。
高瀬:中華料理屋にはだいたい餃子があると思うので、餃子は15軒と予想しました。残りの6は不動産屋がちょうどよい気がします
石川さんのカード。幅広く4枚を選択。
石川:「大衆」っていいですよね
ほり:居酒屋に「大衆」って書いてあるとわくわくします
石川:たこ焼きが3、パン屋が10、大衆が3、学習塾が4です
高瀬:合計20ですね
石川:あえて21ではなく20を狙うことでドボンを回避する作戦です
ほり:パン屋さんの予想が多くないですか…?
筆者の選択。花屋5は多すぎな気もするが、多めに見積もることでドボン回避をねらう。
カードが決まったら早速答え合わせ。戸越銀座商店街を端から端まで歩こう。
商店街を歩く
商店街の端から端までひたすら歩きます。
ほり:あ、中華です。高瀬さん、いきなり餃子チャンス
中華料理 錦華楼。
「餃子コロッケ」とある。戸越銀座にはさまざまな変わり種コロッケがあり、錦華楼の餃子コロッケはその一つらしい。
高瀬:やった~!
正の字でカウントしていく
高瀬:ゲットするとうれしいですね
石川:あ、堀ってありますよ
筆者(ほり)と同じ苗字のお店。何の得点にもならないけど嬉しい😊
ほり:ありがとうございます。一応撮影しておきます
フラワーショップ ハナテル。きれい~!ダリア200円、ペンタス180円。
ほり:花屋ありました!
これで筆者も1点ゲット。気持ちいい。これをあと20回。
株式会社 大光ハウジング。手前の看板が不気味&かわいい。
ほり:高瀬さん、不動産屋さんです。順調ですね
高瀬: うれしいけど「もう来てしまったか」という不安もあります
のどかな商店街は続く。
KAGOSIMA隼人。鹿児島ラーメンってどんなのだろう。
ほり:よし、ラーメン屋見つけました
高瀬:サイドメニューに餃子もありそう
ほり:たしかに、餃子チャンスですね
サイドメニューの餃子を拾っていく高瀬さん。ありました
ラーメンあるところに餃子あり。
戸越銀座の洗たく屋。戸越銀座を看板に背負う心強さよ
ほり:お、クリーニング店。順調すぎてドボンがこわい
ハリマヤ。昔ながらのすてきなパン屋さんだ
石川:パン屋さんだ。ようやく私も1点ゲットです。
高瀬:このマスコットキャラクター、いたるところで見ますね
ほり:かわいい~
このマスコットキャラクターは戸越銀次郎。キツネに間違えられるが実はネコらしい。ゆるキャラグランプリのWebサイトにそう書いてあった。どう見てもネコである。
「大衆」を見つけて喜ぶ3人
高瀬:あ、大衆!
石川:大衆~!
ほり:大衆だ!!!
大衆酒蔵 漁 - Ryo -
石川:やっぱ大衆はいいですね
高瀬:でも大衆は注意してないと通り過ぎちゃいますね
ほり:大衆は見逃しがち
高瀬:これ、塾じゃないですか?
ITTO個別指導学院。学習塾は石川さんの得点
石川:あ、ほんとだ。立て続けに見つかりましたね
その後もすごい勢いでそれぞれの点数が増えていく。
フルーツ&フラワーキムラ。花屋ということで ほり1点
電話番号の下4桁が8741(ハナヨイ)
ほり:よい花ではなく花よい。「花というものは素晴らしい」という主張ですね
(株)マイコーポレーション。不動産屋さんなので高瀬さん1点
スワローチェーン。クリーニング店なので ほり1点
ほり:スワローチェーン、勝手につばめグリルの系列だと思っていましたが全然そんなことはなかったです
龍輝という中華料理屋で売られている冷凍ギョーザ。高瀬さん1点
ラ・パン。石川さん1点
石川:僕の予想ではパン屋は10軒あるはずで、そのうちの1軒です
ほり:10軒はさすがに多いと思います
米魂。石川さん1点
じゅげむ。たこ焼きで石川さん1点
日が差してきた。暑い。
大衆酒場 十八番や。これは良い大衆。石川さん1点
ほり:大衆もいいし十八番もいいですね
百番(中華料理屋)の晩酌セットについてくる餃子。高瀬さん1点
そしてこの後さらに怒涛の得点ラッシュを経て、やがて大きな交差点に出た。ここで中間発表をしよう。
中間発表!
商店街をぶったぎる第二京浜。ここがだいたいの中間地点だ。
高瀬さんは11点。非常に順調である。
高瀬:餃子が多いと思ったら意外と不動産が多いですね。
石川さんは8点。どのカードも意外と少ないものばかり。
石川:ちょっと少ないですけど、まぁ良いペースだと思います
ほり:石川さん、そこに塾が2つ見えてますよ
交差点から見える東京個別指導学院と坪田塾。今回のルールでは、商店街沿いに無くとも「歩く途中に見える店」はカウントの対象である。
石川:いまので10です。
高瀬:塾はこういうところにあるんですね~
石川:あれ、不動産もありますよ
目を凝らすと遠くに不動産が。高瀬さんはこれで12点に。
高瀬:やばいっ!
ここからはいかに相手のカードの店を見つけてドボンさせるかを意識して足の引っ張り合いになりそうだ。
筆者は中間時点で8点。ラーメン屋が2軒しか見つかっていない。
高瀬:ラーメン屋が意外とないですね
ほり:後半に期待です
足の引っ張り合い。後半戦!
さて、後半戦。 もはや3人とも相手のカードの店を見つけるのに必死である。
カレーパン専門店 YES!。パン屋なので石川さん1点。
日高屋の餃子。高瀬さん1点。
石川:写真に餃子が6個写ってるから6点分じゃないですか?
高瀬:急にルールが崩壊している
東海菜館(中華料理)の餃子。高瀬さん1点。
20メートルぐらいで一気に得点を重ねる高瀬さん。現在15点。ドボンが現実的に。
ほり:石川さん、公文ありますよ
石川:うわっ
高瀬:もはや「うれしい」じゃなく「うわっ」になってる
公文式。学習塾なので石川さん1点。
家系(いえけい)ラーメンの家系(かけい)図。ラーメン屋なので、ほり1点
その後も高瀬さんの怒涛の得点ラッシュを経て、いよいよ終わりが見えてきた。
三和エステート。不動産屋さんなので高瀬さん1点。これで高瀬さんは20点である。
高瀬:この奥で商店街のおわりですかね
ほり:ゴールが近い
現在、高瀬さんが20点、石川さんが13点、ほりが15点。
ラストスパート。高瀬さん、耐えきれるか?石川さんとほりは血眼になって不動産屋を探しています。
ほり:店の密度がちょっと落ち着いてきましたね
いかにもクリーニング屋さんっぽい見た目だけどお総菜屋さん。
これは…何屋だ…? (日焼けサロンでした。)
どうなる高瀬さん
さて20点の高瀬さん。21点超えのドボンの危機が迫る中、なんとか最終地点へたどり着いた。
寿不動産。これで21点。そしてここがちょうど最終地点!
戸越銀座商店街の端っこまで来ました。
石川:もう少し行けばきっと不動産屋さんが3軒ぐらいありますよ
ほり:いや、ここが商店街の終わりなのでここまでです!
石川:ここまでか…
ということで…
高瀬さん、ブラックジャック達成!すごい
高瀬:やった~!
石川:すごい
ほり:寿不動産でブラックジャック達成!縁起がいいですね
寿と高瀬さん。めでたい!
石川さんはパン屋が思ったより少なく14点止まり。
ほりはラーメン屋が思ったより少なく16点。意外と無いんだなぁ
おまけ
このあと復路で2回戦を実施した。今度は1枚目から自分の好きなカードを選べるルールだ。しかも1回通っているので雰囲気がつかめている。ハイレベルな戦いが予想された。
しかし、ふたを開けてみると高瀬さんは「整体・整骨院・接骨院」が見つかりすぎてドボン。石川さんは「床屋・美容室」が見つかりすぎてドボン。筆者は「商店街のマスコットキャラ」をちまちまと見つけドボン回避という塩試合であった。
筆者が見つけた戸越銀座商店街のマスコットキャラ「戸越銀次郎」のコレクションです
戸越銀次郎とのツーショット。うれしい~
これは売ってもいいレベルなのでは? → 売ります
完全な思いつきで実施した「商店街ブラックジャック」であるが、実際にやってみると非常に心地よいアクティビティだった。運動にもなるし、カードを通じてコミュニケーションも生まれる。なにより商店街を散歩すること自体が楽しい。そしてカードゲームなのに屋外専用という面白さよ。これは売ってもいいんじゃないか?
というわけで、この商店街ブラックジャックのカード一式をゲームマーケット2022秋@東京ビッグサイトにて販売することにしました。10月29日(土)に出展します。業者に発注するのでちゃんとした紙質のカードになる予定です。書きこんじゃうと1回きりしか遊べないけど、消せるボールペンやシャーペンで書けば何回でも遊べるはず。
デイリーポータルZのブースを出します。林さんやまいしろさんのボードゲーム、カードゲームも販売予定です。来てください~!