特集 2021年9月23日

スイーツとバズと自分

特定の甘いもの(a.k.a. スイーツ)が突如SNSで拡散される、という現象が近年増えている。そしてそれにすぐ影響されて商品を探し歩く人もいる。私のことである。最近そのような経験を立て続けにしたのでまとめてみた。

1976年茨城県生まれ。地図好き。好きな川跡は藍染川です。(動画インタビュー)

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PARM ほうじ茶ラテアイスが買えない

甘いものが好きだ。千疋屋のカフェに並んだり、伊勢まで赤福を食べに行ったりする。何かが美味しいという評判を聞くとすぐ影響されて食べたくなる。

千疋屋のパフェ

なのだが、話題になった甘いものがコンビニ等でしか売ってないとなると話が大変になる。せっかく最寄りのお店に行っても売ってなかったりするのだ。

先日ツイッターで、PARMのほうじ茶ラテアイスがおいしい、という書き込みが流れてきた。他の人の感想を検索してみると「めっちゃ美味い」「ほうじ茶の味がする」「やっと買えてうれしい」など、味を褒めるものばかりだった。同時に、なかなか売ってないということも伝わってきた。

すぐ影響されて欲しくなったのだが、実際に売っているお店を見つけて食べることができるまでは大変だった。それをどうしても伝えたい。

内容とは関係ないが、一段落ごとに甘いものを紹介したい。神保町「スタイルズケイクス」のタルト。あまりにもおいしい。

1日目

PARMほうじ茶ラテアイスに関する書き込みを注意深く検索したところ次のことがわかった。

・コンビニにはどうやら売っていないらしい
・スーパーで売っているらしい

まずは売っている場所を確認することが大事なのだ。扱いのない店舗をどれだけ回っても絶対に手に入れることはできない。

「スーパーで売っているらしい」という情報をもとに近所のスーパーをすべて回ったのだが、結局どこにも売っていなかった。絶望しつつ、その日はそれで諦めた。

代々木八幡「365日」のパン。ひたすらおいしい。

2日目

さらにツイートを検索し、問題のアイスを「クリエイト」という薬局で買った、という書き込みを発見した。核心に迫る情報である。みんなどこで買ったかほとんど書かないのだ。

さっそく近所のクリエイトを探して訪れた。しかし売っていなかった。もはや慣れっこで落ち込まない。どうやら冷凍食品の扱いのある店舗とそうでないのがあるらしいということがわかった。

家に帰り、周辺のクリエイトのうち冷凍食品の扱いのある店舗をマッピングした。

千駄ヶ谷「モンマスティー」のシェイク。こんなおいしいミルクティーがあるのかと思った。

 

3日目

クリエイトを近い順に回ることにした。その一軒目。

店の冷凍食品の棚はこうなっていた。

奥に見えるPARMのアイスはふつうのチョコのタイプだ。ただしその手前のラベルには「PARMほうじ茶ラテ」と書いてある! つまり、確かにこの店舗で扱っているが、今は売切れということなのだ。

いままで姿を見ることができなかったPARMほうじ茶ラテのしっぽをついに捕まえた。ホシはこの近くにいる。

いったん引き返して次の日の朝にまた来ることにした。 

移動式店舗の「空海(くうな)」のかき氷。むちゃくちゃうまい。

4日目

そして次の日の朝、クリエイトを訪れると・・。

ついにあった! ほうじ茶ラテ。こんなパッケージだったのか。

家まで遠いので、溶けないように保冷袋に入れ直す。

中身はこんなだった。少し溶けかけていたので冷蔵庫に入れ直してカチカチにして食べたところ、おいしかった。

今回は好きな味だったのでよかったが、こんな感じで探したあげく好きな味じゃなかったということもある。それは確かに残念ではあるのだけど、探して見つけるまでが宝探しのようで楽しいから、トータルではいい体験になる。

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甘いものの評判の広がり方

こんな感じで日々甘いものの評判に振り回されているのだが、振り返ってみるとこういうものの評判の広がり方には少なくとも3つのパターンがあるように思った。

1. 発売して即評判になる
2. 発売してからじわじわ評判になる
3. 発売してから間をおいて突如評判になる

それぞれ、甘いもの好きである自分への影響が少しづつ違うのだ。

1. 発売して即評判になる

商品を発売してすぐに飛ぶように売れ、同時に評判も広がるというパターン。スイーツでいうとローソン「プレミアムロールケーキ」がその例だ。

2009年9月に発売されたこの商品は、「5日間で全国100万個の販売を記録し、発売後約2ヶ月間は毎日商品入荷待ちの状態にまでなった。」という(「開発秘話/プレミアムロールケーキ」より)。

品薄になり、評判になっているのになかなか買えない状況になった。グラフにするとこんなふう。

Google トレンドの「プレミアムロールケーキ」のグラフに加筆

これはグーグルでの検索数の推移を示したグラフで、SNSでの評判そのものではないが、目安になる。

発売開始と同時に検索も急激に増えているのがわかる。バスク風チーズケーキの「バスチー」(2019年)や、「ハーゲンダッツ 華もち」(2015年)もこの「発売して即評判になる」パターンだった。

このパターンの甘いもの好き(自分)への影響はこんなふうだ。

「評判なのですごく食べたいが、どこにも売ってない」

2. 発売してからじわじわ評判になる

商品がじわじわと売れ、それと同時に評判もじわじわと広がるというパターン。評判になる商品の多くはこうだと思う。

たとえば「マリトッツォ」を見てみよう。

福岡「アマムダコタン」のマリトッツォ(左上だけ「パンとエスプレッソ」)

日本でのマリトッツォの流行は、福岡のアマムダコタンというパン屋が2020年4月に販売したことから始まるという。

Googleトレンド「マリトッツォ」のグラフに加筆

ネットでの検索数は今年になってからじわじわと広がり、発売から約1年後の2021年6月にピークを迎えているように見える。確かに私がマリトッツォを知ったのもその頃だ。

このパターンの甘いもの好き(自分)への影響

「買うべきなのか少し迷うが、結局買う」
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3. 発売してから間をおいて突如評判になる

発売後の売れ行きとはとくに関係なく、だれかのSNS上での紹介によって突如評判が広がり、それによって売れ行きも上がるというパターン。

たとえば「あかつき」という品種の桃。

Googleトレンド「桃 あかつき」のグラフに加筆

グラフをみると毎年夏に検索のピークがあるのだが、今年の夏は例年の2倍の検索がある。おそらく次のツイートによるものだと思う。

 

あかつきを取り寄せたら写真を撮る前に食べ尽くしたので別の桃

このパターンの自分への影響:

「すごくおいしそうだし、買えるので買う」

実際、ツイートを見かけてすぐに「あかつき」を注文してしまった。

SNSで突如評判が広がるのはもちろん甘いものに限った話ではない。たとえば、「有職装束大全」という歴史的な衣装を扱った本が、発売から1年後の個人の方のツイートをきっかけに重版した例を覚えている。

思い返してみると、浅間山荘事件でカップヌードルが突如売れたり、健康番組で納豆が突如売りたしていた、以前は(今でも)テレビがその働きをしていたのだろう。SNSの特徴は、個人による紹介でも同じようなことが起きるようになったということだろうか。


振り回される旅はつづく

いま欲しいのは、将棋の藤井聡太三冠がおやつに食べたという不二家の「コロコロしばちゃん」だ。夕方に訪れたところ、すでに売切れだった。

次はまた朝に来たい。 

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