体育館の利用料が安い
スーパーボールで遊ぶために町営の体育館を貸し切った。
この体育館はエアコンがないことに目をつぶれば、1時間270円という破格の値段で利用できる。270円で寝ても転んでも叫んでもいい。自由はここにあった。
スーパーボールのにおいを嗅ぐ
小さな頃を思い返すとスーパーボールは勝手に家にあるものだったが、大人の世界にそういう奇跡は存在しない。amazonでまとめ買いした。
スーパーボールが手元にあるのは何歳になっても嬉しい。なんだろうか、この嬉しさは。まだ封も切っていないのに心が弾んでいるようだ。そう、スーパーボールのようにね。
ものを嗅ぐのが好きなので嗅いだ。
ゴム臭ではありつつも輪ゴムとはまた違ったテイストで、奥に少しの酸味を感じる。ピート香の強いウイスキーと合わせたいところだ。総じていえば秘密結社の研究所のような香りである。
スーパーボールをぶちまける
香りに癒やされたところで、スーパーボールを思いっきり投げてみよう。最初からクライマックスだ。全部まとめてぶちまけてやる。
おもしろい。スーパーボールまとめ投げのキモは音だ。秩序があるんだかないんだか、連続して聞こえるボールの跳ねる音がいい。体育館に思いっきりボールを散らかす爽快感もある。
続けざまに、高い声をあげながら周囲のボールを拾って四方八方に投げまくった。きっと理性がおねんねしているのだろう。キエーーー!
投げまくるのもこれまた気持ちいい。広さと安全性が確保されているがゆえの面白さだろう。
物を床に叩きつける快感は大きなもので、ともすれば暴力的で罪悪感がありそうな行為だが、ボヨンと可愛らしく跳ねるスーパーボールは罪を中和してくれる。
犬の障害物競走のように
せっかく時間もあるのでただ投げる以外の遊び方を考えてみたい。
そうだ。アジリティという犬の障害物競走があるだろう。飼い主が犬に並走して障害物を飛び越えさせるやつ。あれに憧れがある。スーパーボールでやろう。
超エキサイティング!
意外なことにアジリティの楽しさに犬の存在は関係なかった。これは一度試しておいて損はないだろう。
スーパーボールはおもしろいし体育館はいい
時間はあるのでまだまだ遊びを考えたい。
実は他にも考えてきたことがあったのだが、障害物走に本気になったせいで体力がもうない。後片付けをしよう。
散らばったボールを体育館のモップ掛けついでに集めていく。ボールの集まり具合が掃除の進捗を表すのがおもしろい。掃除嫌いの子供もこれなら楽しんで掃除ができるかもしれない。
そういう次第で時間が余っているのだが、もったいないので体育館を活用すべく好きなことをして残りを過ごした。
広い部屋で好き勝手に投げるスーパーボールは面白かったが、そもそも体育館を貸し切って遊ぶこと自体が面白いのかもしれない。2時間で540円なり、最高だ。
大富豪になったら体育館を買い取ることにしよう。出資者も募集中です。

