ワット・ポーで画面粉砕するまでの一部始終
5月初旬、私は灼熱のタイ・バンコクにいた。
ゴールデンウィークを利用して、ワーケーション一切無しのガチ休暇でバンコクを訪れたのだ。
ゴールデンウィークのバンコクはとにかく暑かった。
常夏のタイにおいて、雨季の直前である4月〜5月頭は最も暑いシーズンらしい。
日中の気温は35℃を平然と超え、強い日差しと相まって体感温度は40℃近かった。
しかし心は晴れやかだった。なぜならタイに住む親友と、連日ショッピングに観光に明け暮れる予定だからだ。
観光1日目、まずは定番の寺院「ワット・アルン」と「ワット・ポー」を巡った。
ご覧の通り常にハイテンションだが、屋根がほとんど無い中での観光なので顔面に汗がダラダラ流れる。でも楽しい。
怒涛の寺院見学を駆け抜け、ワット・ポーの片隅にあるベンチに座り一休み。同行メンバーでこの後の予定を立てる。
これから、夕焼けのワット・アルンを眺められるルーフトップバーに行って、その後はサイアム(東京でいうと新宿みたいな繁華街)に移動して有名レストランのタイ料理を食べよう、ということになった。
うお〜!なんて充実した1日なんだ!私は思わず「よし、もう行こう!」と言ってベンチから立ち上がった。膝の上に乗せたiPhoneの存在を忘れて。
ゴチッ という鈍い音が足元から聞こえた。
変な空気が流れる。さっきまであんなにハッピーバイブスに満ち溢れていたのに……
「いやでも、液晶の見え方にはそんなに影響ないから。このまま使えるから大丈夫よ!」
と言いながら、焦ってロック解除しようと親指でスワイプして見せた。
割れたガラスのエッジ部分で親指を切り赤いやつが出て、悲鳴が上がった。
もうダメだ……
しかしタイ在住の親友は落ち着いていた。
「この後、サイアム駅行くじゃん。駅にスマホの保護シール貼ってくれる自動販売機があるからそこで貼り直しなよ」
まさかの提案。
私「タイにはそんなのがあるのか…!やったことあるの?どんな感じ?」
親友「いや、やったことはないけど。誰かやらないかなーと思ってたから」
人柱じゃないですか。
しかしこの後の移動を考えると、電気屋さんに行って保護シールを買ったりしている暇はない。その自販機に全てを賭けることにした。


