『さわやか』と言えばハンバーグ 他の形容動詞はどうなんだろう
『さわやか』という静岡にあるハンバーグ屋さんが度々話題になる。レポート記事を読むたびになんておいしそうなんだと新鮮に感動している。
そして同時に、素敵な店名だなと思う。『さわやか』という清涼感のある言葉と、お肉のご馳走、ハンバーグとのミスマッチが良い。
由来を調べたら、自然の恵みから生きる力をいただく感謝の心、そして提供した料理から笑顔や元気を広げていく、という想いが『さわやか』に込められていることが分かった。つくづく素敵だ。(炭焼きレストランさわやか ホームページ 創業者の想い)
とにかく『さわやか』と言えばハンバーグである。では他の形容動詞はどうなんだろう。
世界は、素敵な形容動詞の飲食店に満ちている
そう、さわやかの話題から始まったがさわやかには行かない。今回は、素敵な形容動詞と食べ物を結び付けたいのだ。
「さわやか」と聞いてハンバーグを想起するように、「すこやか」「なごやか」と聞いて食べ物を思い出してお腹を鳴らす。そういう脳が欲しいのだ。
それぞれ、行ける範囲にいくつか見つかった。世界は、素敵な形容動詞の飲食店に満ちている。
直感で一店に絞り、行ってきました。僕なりの『すこやか』『なごやか』『ほがらか』ということになる。
『ほがらか』が見つからず『すこやか』に行く
まずは東京、赤坂にある『ほがらか』を目指した。
場所は合っているのに『ほがらか』という看板がない。名前が変わったのか、ほがらかと表立って言わない方針なのか、とにかく見つからない。
お昼時で人出も増え、気持ちが焦ってきた。よし、他の形容動詞にしよう、とスマホのメモを見直して駅に戻った。
ほがらかを一旦諦めてすこやかに向かうことにした。すこやかは三鷹にある。
赤坂をうろうろしたせいで昼営業が終わる間際になってしまった。急いで向かう。
『ラーメン 健やか』である。『さわやか』はハンバーグ、『すこやか』はラーメンだった。
きれいな店内、貼り紙に美しいラーメンの写真が見えた。きっと行列ができるお店だ。お昼時を外した時間になったのが結果的に良かった。
ほがらかを諦めた先にあったものは、並ばないすこやかだった。
鮮やかで且つ爽やかで本当においしいラーメンだった。特に麺とチャーシューの食感にそれぞれ驚いた。麺はピッチピチ、チャーシューは柔らかくて口に入れた途端、瞳孔が開いた。味玉もトロトロだった。
味覚だけでなく触覚も刺激して、心身の隅々まで活力を与えてくれる。これが『すこやか』っていうことだ。そう解釈しました。
ありがとう。これで脳に刻まれた。『さわやか』はハンバーグ、『すこやか』は、チャーシューが2種類ある美しいラーメン。
『なごやか』に行く
別の日、今度は千葉に向かう。『なごやか』があるからだ。
千葉駅からしばらく歩いた場所にある。居酒屋のお昼の定食って好きだ。
店内は、サラリーマンのグループがいくつかいて、店名通り和やかに談笑していた。隅にテレビがあってお昼の情報番組が流れている。
そしておまかせ定食が来た。
牛皿、八宝菜、焼き魚、マグロのたたき、そば、マカロニサラダ、みそ汁、ご飯である。旅館のバイキングではしゃいだ人みたいになっている。
これは和やかな気持ちでいる場合ではない。そう覚悟を決めてもりもり食べ始めると全部おいしい。
どれも味付けが程よくて、食べ合わせてよりおいしく感じた。肉も魚も野菜も、そしてそばも米もたくさん食べた。幸せである。
おまかせ定食でこれだけ全方位的にカバーしたおかずを出してくれると、もう文句の付けようがない。任せて良かった、と心から思う。
ちょうど同じくらいに食べ終わった隣の方が「あーおいしかった…」と声を漏らしていた。分かる。
お金を払って外に出てふらふらと歩いた。すごく優しい気持ちだ。穏やかで何の心配もない。これが『なごやか』ってことだな、と思った。
ありがとう。これで脳に刻まれた。『さわやか』はハンバーグ、『なごやか』は、品数過剰な最高のおまかせ定食。
『ほがらか』に行く
最後の形容動詞、ほがらかである。赤坂で見つからなかったので別のほがらかを目指す。
居酒屋である。夕方、開店してすぐの時間に来た。
居酒屋に一人で行く習慣がないので少し緊張する。家族の夜ご飯を作らないといけないので、1、2杯飲んで帰る予定である。
お店はまだ空いていて、のんびりした雰囲気があって過ごしやすかった。
メニューを眺めながらお酒を飲んで、メニューを見終わったら店内を眺めつつ気に入っているマンガを読んだ。最高の時間だ。
一個一個が大きくて食べ応えがある。見ての通り味も染みていた。
このトマトサワーがとてもおいしかった。見る限り特別変わったところはないのだけど、濃さとか味の感じがすごくちょうど良い。なんてことない物が、突然自分のためだけに作られたかのようにおいしく感じることがあるが、それが起きたのだ。嬉しかった。
もう一杯飲んで確かめたかったが、電車の時間になってしまったのでお金を払って外に出た。
ほろ酔いで電車に揺られるのが気持ちよかった。あまり滞在できなかったけど大満足である。この晴れやかな気持ちで家に帰り、夕飯にいももちを作ったらすごくモチモチに作れた。これが『ほがらか』ってことかと思った。
ありがとう。これで脳に刻まれた。『さわやか』はハンバーグ、『ほがらか』は、おでんとトマトサワーがおいしいのんびりした居酒屋。
思い出すことでしょう
こうして無事、僕の中で形容動詞と食べ物が結び付いた。
これからは『さわやか』と聞いてハンバーグを思い出すのと同じように、ラーメンやおまかせ定食やトマトサワーを思い出すことになる。
今後の人生への良い投資ができた。
『さやか』にも行った
あまりなじみのある形容動詞ではないのであとがきで紹介することにしたのだけど、『さやか』にも行っていた。
漢字で『明か/清か』と書く。さえて明るい様を表現した言葉だ。
これに関しては『明か』を意味する店名か不明だが、音が同じなら連想することはできる。食べよう!
のりがクジャクみたいになってる。家系ラーメンと呼ばれる、豚骨醤油のスープで太麺でほうれん草が乗っていて、というやつだ。ご飯に合う。
『特』というやつにしたからか、普通の味玉とうずらの味玉が乗っている。おなかパンパンになった。
パンパンのお腹になぜか水を流し込み、すぐには帰れそうにないので少し近くを散歩した。
このはっきりしたパンチのある味と量、そして余韻、これが『さやか』かと思った。
ありがとう。これで脳に刻まれた。『さわやか』はハンバーグ、『さやか』は、クジャクのような派手さとサービス精神を持ったパンチのあるラーメン。