パッケージの謙虚な姿勢と情報量のバランス
どうやらコンビニでの取り扱いはないらしく、スーパーやドラッグストア限定で流通している模様。
手書き風の「たっぷりクリーム350%で作りました」が目に優しい。旅系カルチャー雑誌のOZ magazineみたいだ。よく表紙の上の方にこういう字体で一言が添えてある。今月のテーマがチョコパイだとすると、きっと「チョコパイで、ちょっといい1日を。」だろう。
パッケージあるあるではあるが、ちょこちょこある注意書きに誠実さが伺える。
正直な申告だな~と思うものの、その横には「珈琲にはやっぱりチョコパイが合う」と飲み物の指定を示唆している。謙虚だけど推しが強い寝具屋さんの営業みたいだ。
一目瞭然だが生チョコパイの高さがすごい。クリームがさぞぎっしり入っていることだろう。
クリームが分厚い。圧倒的な差を感じる。スポンジ生地もきめ細かく、しっとりしてそうな感じがする。こんなの絶対においしいもの。
実は2018年にすでにあった「生クリームチョコパイ」
実をいうと筆者は生チョコパイを食べるのは今回が初めてではない。
かつて新宿の京王百貨店に期間限定で生チョコパイのお店が出ていたことがあるのだ。有名なパティシエとコラボレーションをしていくつかのフレーバーを選ぶことができた。その後通販で1年くらい販売していたようだ。
特に記憶に残っているのがピスタチオクリームの中央にイチゴソースがはいっているチョコパイである。あれはもうお菓子ではなく、完全にケーキだった。1つ500円くらいのいいお値段だったと思う。
今回はロッテが独自に開発したチルドデザートだ。調べて初めて知ったのだが、去年2021年の11月にはもう発売していたらしい。気が付かなかった……。
こやつは純粋なチョコパイの進化系といってもいい。どんな味になるのか。張り切っていただきます。
クリームが多いとなると心配するのがその甘さだが、ひかえめでとっても食べやすい。甘すぎないけどしっかり「乳」という感じが伝わってくる。すごいなあ。おいしいなあ。
ノーマルチョコパイのクリームは水あめっぽい風味があるが、生チョコパイはまっすぐにミルキーである。
2018年に食べたパティシエ監修生チョコパイはがっつり「スイーツ」という感じで、よそにもっていくおみやげ然としていたが、今回の生チョコパイは自分のためのちょっとしたご褒美に食べるのがしっくりくる。
仕事中のおやつに食べるのがノーマルチョコパイ、一週間やりきって帰りに買ってお風呂上りににこにこ食べるのが生チョコパイ。そんな住みわけができている。そんなところもすごいなあ。お菓子を作るってかっこいいなあ。
ひとつだけ、言うとしたらひさびさに手にしたノーマルチョコパイの小ささに涙が出そうになった。もっと、もっと大きくありませんでしたっけ……。
かと思えばパッケージ裏にはこうある。
「小さな手で、大きなチョコパイを頬張る息子の笑顔に、幸せまったり時間をいただきます。」
なんだ、私が大きくなっただけか、と溜飲が下がりかけたが、だまされないぞ。確実に小さくなっている(と思う)んだから……!
今後もノーマルチョコパイの動向を注視しながら生チョコパイを楽しみたいと思います。