主語の大きさを軽率に変えるとおもしろい
「主語が大きすぎる」はよく指摘として使われるが、揃ってない時に変な空気になることがよくわかった。
あとこれまで意見が合わなかった上司などを思い出し「上司は会社や部署が主語だったんだな」と3人で妙に納得した。なんだかお得な気分である。主語でころころ変わる、めちゃくちゃ面白い体験なのでみなさんもやってみてください。
「主語が大きい」という表現がある。
このあいだ、故郷のお菓子を説明する時に「地元の人は全員好き」と説明したら「全員じゃない むしろそうでもない人の方が多い」とおこられた。ただおいしいと言いたかっただけなのに…。
と、無意識に主語の大きさを変えているらしいのでいっそくじ引きで指定してみたらどうなるかと考えた。実験してみます。
今回は大小さまざまな「主語」を箱に入れ、引いた言葉を主語として話してみるという実験である。
とりあえず、箱に入れる「主語」を洗い出すことにした。
くじは作ったがどうなるか全くわからない。
トークテーマを「最近の悩み」に決め、最初は無理に主語をねじこまず、自然に会話してみることにした。
3分タイマーをセットして、スタート!
あまりにわからないので、後半は自分の「主語」を冒頭につけながら喋ることにした。
ここで3分終了である。
すっかり動物代表として悩みを喋ったが、よくよく考えると最近の悩みは「寝つきが悪い」 だと思い出す。
しかし、主語「動物」を背負っただけで、いきなり天候などに関心がいってしまった。主語を変えただけなのに!? 何これ怖いと全員ざわざわする。
隠すとわけがわからなさすぎたので、次は必ず主語をつけてから喋ってみることにした。
テーマは「日常のあるある」だ。それではスタート!
「現代人」「人間」と大きい言葉を主語とする2人はまあまあ話があっている。その後も
山宮「人間としては、1日数回食事するとかもあるある」
郡司「わかる。けど、僕ら現代人は、それ怠りがちなんだよねー」
よざ「沖縄県那覇市出身のよざひかるは『旬のフルーツが食べれる!』とかも嬉しいって思いがちだよ」
と地獄のような会話が続いた。2人は人類のあるあるを、1人は自分のあるあるを喋っているという状態だ。
そうして3分が終わった。
確かに、私は普段この2人が「地球に住む人間」とかいきなり言わないことを知っている。
なのに主語を変えるだけで、視点がガラッと変わり、いつもは言わないワードが浮かんでくるのだ。
「大人」を引くと「あのプライバシー流出事件とかは興味深かったね〜」とニュースを喋り出してしまい、「東京都民」を引くと「都会の喧騒をはなれるのはいい」と田舎に対して偉そうになってしまった。
なんだろうこの感覚は。すぐにスイッチが切り替わる、すごい発見である。
「主語が大きすぎる」はよく指摘として使われるが、揃ってない時に変な空気になることがよくわかった。
あとこれまで意見が合わなかった上司などを思い出し「上司は会社や部署が主語だったんだな」と3人で妙に納得した。なんだかお得な気分である。主語でころころ変わる、めちゃくちゃ面白い体験なのでみなさんもやってみてください。
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