「動き」と「人間の目」すごい
「お菓子に乗りたい」で始めたのに、すっかり着地が「動きって奥が深いな」になってしまった。止まっている絵を重ねるだけで動いて見えることも改めて不思議である。
昔、海外のサイトで「大きいクッキーに乗るおじさん」の動画を見た。詳細は忘れたが「私もお菓子に乗りたい」というあこがれだけがいまも強く残っている。
しかし、乗れるお菓子を作るのは大変である。合成なら、せめて乗った気になれるのではないか。実験しました。
今回はいろんなお菓子に乗っていくが、静止画だとつまらない。せっかくなら動きもつけて「あ!!乗ってる!」という感じにしたい。
とはいえむずかしい加工は技術的にできない。静止画を撮影し、簡単なアニメーションで動かす方法にする。
まずはクッキー(オレオ)から試してみよう。
撮れた素材を合わせ、After Effectというソフトで動きをつけていく。
動きをつけるため、オレオはずっと回転する状態にしておき、背景は横に流れていくようにする。「乗っている感」を出すために自分を上下に動くよう設定した。これで書き出すと……。
めちゃくちゃ乗った気分になれて笑ってしまった。「これは乗れてるのか」「そもそも構造どうなってるんだ」という疑問はなくもないが、とにかく静止画3枚をどうにかすればお菓子にのれるのだ。すごい。発見である。
オレオに乗れたので次は一番好きなお菓子である「じゃがりこ チーズ味」に乗ろうと思った。
何が違うんだろうと思ったら、実際のスキーは風をきっているので髪がなびくことに気が付いた。
しかし静止画をつなげているだけなので髪はなびかない。
イラストで書いたマフラーを合成して、風を表現してみることにした。
人を上下に揺らす、背景を動かす…だけでなく、動きにあわせて布を揺らすとリアル感が増すらしい。
元が静止画なので、うまく動くとほんとうに不思議な気分である。あとじゃがりこのスキー板、あってもいいんじゃないかという気になって…こなかった。流石に無理がある。
もう一つ好きなお菓子に「ハリボー」がある。欧米が産んだあのかたいグミだ。
これにのってぼよーんぼよーんとバウンドしたいので、上下の動きをつけてみる。一番簡単そうなので最初にやればよかった。と思いながら作業をすすめると
確かにハリボーには乗れているし、バウンドもしている。だがしかし目と脳が「これはちがう」と言ってるのがわかる。
調べてみると、物の落下をあらわすにはコツが必要で
実際に落下した瞬間に「つぶれ」を入れ、はやさの緩急もつけてみた。
ハリボーに乗れた喜びも嬉しいが、動きがうまくいったときの喜びが倍すごい。「ぼよーんぼよーん」と音が聞こえそうである。だんだん趣旨と違ってきた。
「お菓子に乗りたい」で始めたのに、すっかり着地が「動きって奥が深いな」になってしまった。止まっている絵を重ねるだけで動いて見えることも改めて不思議である。
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