地元の夜を歩く
旅行先で夜、ホテルを出てぷらぷらと散歩することがある。地元のホテルでもやってみたが、やはり大変楽しかった。


そうやって存分に地元の夜を浴びた後に、再びホテルに戻ってビールを飲む。
最高である。
ああ、いけない。夜になったら行きたいところがあったんだった。再び外という名の地元に出ていこう。
行きたかったのは地元で大好きな酒屋である。ホテルで夜に飲むお酒をここで買おうと思っていたのだ。
おいしいお酒をなじみの地元の酒屋でしっかり抑えて、夜のホテル部屋飲みに繋げていく。ついに地元とホテルが噛み合いだした。
お酒をおさえたところで夜ごはんも食べていく。
これもまたおいしいと分かっているおすすめのお店があるのだ。へっへっへ。
おいしいものといえば肉か寿司だと思っていた学生の自分が蕎麦のおいしさに目覚めた店である。
以降全てを悟ったように「蕎麦っていいお店で食べるとすごいおいしいんだよね〜」と周囲に言ってまわっていたものだ。ここでしか食べたことなかったくせに
昼はやることないなんて言ってしまったが、やはり地元は楽しみどころが全て分かっていていいな。期待通りのものを期待通りに得ることができる。
さて、酒の準備もできたしお腹も満たしたし、そろそろ部屋に帰って一杯やりますか。
ホテルの部屋でお酒を飲むのってなんでこんなにわくわくするんだろう。
日常から離れ、誰にも憚られずに好きなものを飲み食いしちゃう。ここにも自由があるからかもしれない。
暑かった昼やおいしかった蕎麦など今日一日のことを思い出す。
ホテル部屋飲みはこういう一日の思い出が一番のつまみなんだよな。
初めにこの部屋で感じたよそよそしさや緊張感はすっかりどこかへ行き、自分だけの楽しい空間と化した。
ホテルはやっぱりいい。かなりいい。ここが地元なんて嘘みたいだ。仙台とかでしょ?ライブの遠征とかでさ。
地元でホテルに泊まると、地元の確約されたいいところとホテルのいいところを同時に摂取できる。まさにいいとこ取りだ。
この日最も自由な人間は、おれだったのかもしれない。
旅行先で夜、ホテルを出てぷらぷらと散歩することがある。地元のホテルでもやってみたが、やはり大変楽しかった。
そうやって存分に地元の夜を浴びた後に、再びホテルに戻ってビールを飲む。
最高である。
ここから
会員特典コンテンツです
この先は「デイリーポータルZをはげます会」会員向けの有料コンテンツです。会員になるとごらんいただけます。
![]() |
||
<もどる | ▽デイリーポータルZトップへ | |
![]() |
||
![]() |
▲デイリーポータルZトップへ | ![]() |