地元に帰る。これを凱旋という
ということで私の地元である元住吉に帰ってきた。
元住吉については以前ライターの米田さんと訪れた記事でも触れられている。
私の実家がある街であり、中学生の頃からつい数年前までよろしくやっていた街である。多感な時期をずっと過ごしてきたためか、私にはこの街がとにかく親しみ深く、大好きなのだ。
しかし、そんな元住吉も実家を出て以来訪れることがめっきり減ってしまった。それこそ盆や年の瀬に帰省するくらいのものだ。
でも今日は違う。しかも今日は実家ではなく、ホテルに泊まっちゃう。
地元でホテルの空気を浴びると混乱する
ホテルは商店街を抜けた先の住宅街の方にあるという。ずんずん向かっていこう。
今回泊まるのは川崎市国際交流センターに併設されたホテル。そんな公民館みたいなところに泊まるところあったんだ。全く知らなかった。
私が元住吉について知らぬところ、全然あったな。
普段は着の身着のまま帰省したりするが、ホテルなのでスーツケースを引っ張り出してきた。まあ、そんなに荷物ないんだけど。エレベーターで2階へ上がる。
防音がしっかりしていてシン…とした空気が流れている。まぎれもなくホテルの空気だ。まったく外が見えないのも外界である地元からも切り離されているみたいだ。
ここまで帰省の気持ちでやってきたが、このフロアに入った瞬間に完全に気持ちが切り替わったぞ。
ああもうド直球のホテル部屋である。一人で旅行に出かけたり、ライブの遠征に出た時に泊まる部屋だ。これが地元に?うそだろ?
さっきまで慣れ親しんだ地元にいたはずなのに急にホテル。実家に親戚のおじさんが来たようなよそよそしさがある。地元のホテルに泊まる、そのファーストインプレッションは「混乱」と「緊張」だ。
地元の飯は自由
外に出るとなんとそこには地元が広がっていた。私にとってはおなじみの空気だ。
さっきまでよそよそしかったのに、やっぱり地元は落ち着くなという気持ちにすぐになった。うわー、なんだこれ。変なの。
落ち着いたところで気づいたのだが、思えばお昼ごはんを食べていなかった。少し遅くなってしまったが食べておきたい。
どこかに出かけるとせっかくだからその土地の名物だとか、有名店だとかを訪れてみたくなってしまう。
でも地元だからそんなの全然ない。チェーン店とかすぐ入っちゃう。おいしいことを知ってるから。
地元はやることがない
地元に来た。ホテルにチェックインした。昼飯を食べた。
でもまだ日は長い。何しよう。
見知らぬ土地であれば観光のひとつでもすればいいのだが、全くの地元である。全てを知り尽くしたこの土地で一体何をすればいいというのか。
思えばふだん帰省する時も特にやることがないので、延々と実家でゴロゴロしていた気がする。まあ、帰省なんて家族に顔を見せるためのイベントみたいなものですからね。
でも今回は帰省ではないので、家族に顔を見せるということもない。
え、本当に何する?皆は地元で何してる?
ちらりと実家に寄ってお気に入りの漫画を取ってきた。こういう自由さも地元でホテルに泊まることならではかもしれない。
ちなみに家族には何も言わずに来たので、実家には誰もいなかった。人間、それぞれの生活があるからね。