デジタルリマスター 2024年3月1日

日本で唯一「横丁」が付く駅 (デジタルリマスター)

京浜急行電鉄(京急)の駅名にはなかなかインパクトのあるものが多い。

今回は中でも目をひく「青物横丁」と「鶴見市場」について、現場がどうなっているのか調べてきました。

2010年10月に掲載された記事を、AIにより画像を拡大して加筆修正のうえ再掲載しました。

行く先々で「うちの会社にはいないタイプだよね」と言われるが、本人はそんなこともないと思っている。愛知県出身。むかない安藤。(動画インタビュー)

前の記事:横浜にできた都市型ロープウェイが低くて楽しい

> 個人サイト むかない安藤 Twitter

青物横丁ってなんだ

京浜急行は東京とヨコスカとを超高速で結ぶ路線だ。かつて沿線に住んでいた僕にとってはもっぱらそういう認識である(もちろん他にも横浜とかいろんなところに止まる普通の電車です)。

そんな京急には魅力的な名前の駅が多い。たとえばこれなんてどうだ。

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八百屋か。

「青物横丁(あおものよこちょう)」。wikipediaで調べると「横丁」と付くのは日本でもここだけらしい。そりゃそうだろう、八百屋か、と思う。

いっこ前の新馬場(しんばんば)とかいっこ先の鮫洲(さめず)なんかも響き的にはグッとくるものがあるが、わかりやすく目立つという点では青物横丁の敵ではない。

今回はこの八百屋みたいな名前の駅にいったい何があるのか、降りてみることにした。

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乗り降りするお客は多いです。
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電車を降りてのファーストビューは、墓。
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青物横丁。

青物横丁は以前京急で通勤していた頃、寝過ごして慌てて降りたことが何度かあったが、駅から出たことはなかった。

名前からすると駅前に八百屋ばかりが軒を連ねているイメージだが、実際はどうなんだろう。

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駅を出てすぐ目に付くのが青横不動産。青物横丁は地元では青横と略すのだ、きっと。
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その向かいにあるみずほ銀行。
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その隣にある東横イン。
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これら何か共通点がないだろうか。そう、みな青いのだ。
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青い物が多い駅、青物横丁

さすが青物横丁、青い色であふれていた。

カンのいい読者はお気づきかもしれないが、そんなことはもちろんない。ただ青い看板を積極的に撮ってきただけだ。

そのくらい青物横丁は普通の駅だった。特に八百屋が並んでいるわけでもない。

あ、でも

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駅前の通りはかっこいい名前だった。

商店街の蕎麦屋さんで話を聞いてみたところ、かつてはこのあたりに果物と魚とを物々交換するような青果市場があったのだとか。

市場はもうないが、その名前だけが今も残っているのだ。

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街灯が凝っていました。
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鋳物の青物。
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わかりにくいですが、この街灯は上にインゲンがついています。
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蕎麦屋のおじさんに絶対行った方がいいとすすめられた品川寺。
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お寺には大仏がありました。行って良かった。

青物横丁は八百屋ばかりが集まった駅ではなかった。なんとなくわかってはいたが、実際に降りてみると納得の度合いが違う。

今回はもう一カ所用意しているよ。

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鶴見市場は市場なのか

次はこちら、「鶴見市場(つるみいちば)」。

駅名からして「市場」だ。どんな活気なのか。降りたら冷凍マグロのしっぽの部分が並んでいたりするのかもしれないぞ。いざ。

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三脚で撮ってるとこういうことあるよね。
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改めて、はい降りましたー。

鶴見市場駅は京急川崎というでかい駅から2駅。前後には八丁畷(はっちょうなわて)とか生麦(なまむぎ)とかこれまた魅力的な名前の駅が控えている。

さて、鶴見市場の市場はどこか。

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駅を降りてのファーストビュー。路地。
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振り返ると、そこは寺。

半分以上予想はしていたが、特に近くに市場などなかった。交番で聞いたから確かだ。市場はどこですか、って聞いたら「ここ」って言われたんだから。

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警官の方に市場の場所を聞いている最中の写真。「だから、ここが鶴見市場ですから」って念を押されているところ。

それでもしばらく歩いていたらいろいろなものを見つけた。

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ポットとか。
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テレビとか。

電化製品が落ちている町、鶴見市場。サンタクロースでも住んでいるのだろうか。

あと気になったのがこちら

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ゴム通り。

「ゴム通り」だ。はんぱない。

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ゴム通り三叉路。なにか仕掛けがありそうな名前だ。

ゴム通りにはかつてゴム工場でもあったのだろう。今では住宅街になっているが、いたるところに「ゴム通り」の表示があることから、住民の間ではこの呼び名で受け入れられているようだ。

そんなゴム通りでひときわ目立つ像を発見した。

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大人向けホテルの屋上に立つ自由の女神。
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スタチューつながり

青物横丁には大仏が、鶴見市場には自由の女神がいた。なんだ、この地下でねじれてつながっているような感覚は。

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ローソン鶴見市場ゴム通り店。声に出して言いたい日本語だ。
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鶴見市場はとにかく道が広い。車道脇にピットみたいな路線が一車線とってある。

やはり鶴見市場にも市場はなかった。かつて市場があった形跡すらない(帰ってから調べたら16世紀ごろ市場があったという話だ)。

京急には他にも梅屋敷(うめやしき)とかYRP野比(わいあーるぴーのび)とか、何があるのかワクワクできる駅がいくつもある。最高だ。


住んでしまえば気にならない

僕はかつて京急の追浜(おっぱま)という駅の近くに住んでいた。今考えるとなかなかきてる名前だと思うのだが、住んでいた頃は何の気なしにオッパマオッパマ言っていた。そんなもんだろう。そこに住む人にとっては駅名なんてたいした問題ではないのだ、きっと。

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青物横丁にあったスーパー。いたって普通。

 

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