人類の大発明、お湯
飲んでよし、調理に使ってよしのお湯はすばらしい。僕がにらんだ通りである。今年の下半期のヒット商品番付に入るのではないか。
というのはもちろん冗談で書いているのだけれど、紀元以降に登場したものすべてを対象にしたヒットアイテムランキングがあったらお湯の上位入選は間違いないと思う。ほかは「鉄」とかかもしれない。
好きなミュージシャンが神宮(球場)に行くときは、魔法瓶に湯豆腐を入れて持っていき、それをつまみにして外野席で酒を飲むと語っていた。
楽しそうだ。真夏でもない限り、ナイターは意外に冷える。そこに湯豆腐。すばらしい。
4年ほど前に河原でカップラーメンを食べたときも楽しかった。あのときはアウトドアコンロでお湯を沸かしたが、あれも魔法瓶でお湯を持っていけばよかったのだ。
お湯があるだけで世界は楽しくなるのではないか。お湯のすばらしさを再認識したい。
※2008年6月に掲載された記事の写真画像を大きくして再掲載しました。
お湯をコンパクトに持ち歩くには魔法瓶の水筒だ。
商店街の金物屋で勢いづいて3本も買ってしまった。1本1800円。家に帰って調べたらアマゾンより安かった。すごいぞ商店街。
記事のためではなく、本気で欲しくて買ったものなのでニフティあての領収書はもらってない。これは私物だ。僕が一生使うのだ。
まずは仕事に持っていく。今日はニフティが運営しているイベントスペース、カルチャーカルチャーでの打ち合わせだ。ステージ上の機材セッティングが淡々と進んでいる。淡々としているというか、クールすぎかもしれない。
この冷たい状況を変えてもらうためにお湯を飲んでもらおう。お湯を飲むとどんな状況でもほっとしてしまうのだ。
なんだこのネスカフェのCMのような表情は。別に頼んで表情を作ってもらったのではなく、お湯を飲んでもらっただけだ。なんの味もついていないお湯。白湯だ。
急いで飲めないのでそこで一呼吸あいてしまうのだ。それで気が抜ける。やがて胃がじんわりあたたかくなる。トラブルが未解決でも現場がおだやかに。
あなたの職場がギスギスしてたらお湯を飲むといい(ギスギスしすぎてるときはお湯掛け合ったりするかもしれないので注意)。お湯のすばらしさ再認識である。
そして今回の主題、屋外でのお湯の効用である。お湯があればなんとかなる。それを実証したい。
まずアウトドアでのお湯の使い道。お湯割りだ。
先日、家でお湯割りを飲んでいたとき、いたずらに焼酎を入れずにお湯だけ飲んでみたらうまかったのだ。焼酎が好きだと思っていたのだが、もしかしたら僕が好きだったのはお湯のほうかもしれない。意外だ。
しかし今回試すのはお湯割りである。説明とやってることが違うじゃん。うん、いま僕もそう思ったところだ。でもどっちも好きだということでご了解願いたい。
魔法瓶のお湯はまだ熱湯だった。ほんとうに魔法っぽい。いつまでもお湯が熱いだけで魔法だなんて不当表示で怒られるんじゃないかと思っていたが、これは魔法と呼んでいいレベルだ。
外で飲むお湯割りはうまい。気持ちいいし、ビールのように悪酔いもしない。端から見ればピクニックだし、こりゃいいわいと思っていたのだが、お湯割りを飲んでいるときは酒を飲んでる顔(とコップの持ち方)になるので注意が必要だ。
注意が必要だ、ってそれは僕の個人的な癖かもしれない。
しかしお湯はおもしろい。アウトドアのお湯割りもいいし、河原でのお湯ストレートも新鮮だ。
さて、飲むだけではなく、お湯で料理をしてしまおう。
結論から言ってしまうとお湯だけでかなりの食事が作れてしまう。
バーベキューのように火をおこす手間もないし、後かたづけも簡単。飲むだけではなくて調理もできてしまうお湯はすごい。
そんなお湯べキュー(お湯+バーベキューの意の造語)料理を紹介しよう。
じゃがりこにお湯を入れるとマッシュポテトになるのは有名だが、別に家でやる必要もないと思っていた。しかしお湯べキューには最適だ。ほどよくあたたかいポテトサラダがお湯割りのアテにちょうどいい。
そして冒頭でも紹介した湯豆腐。魔法瓶のコップ(フタ兼用です)に豆腐を入れて温める。
外で湯豆腐。これまでの記事で5本の指に入る楽しさだ。豆腐の汁を思わずこぼしてしまったが(まずい感じの場所に)そんな誤解をまねく写真も平気で載せるしさだ。
豆腐がもともと冷えていたせいもあり、表面はなまぬるく、なかは冷や奴というふたつの味が楽しめる状態になっていた。
うまいこと言った。
レトルトの調理もできるかもしれない。あんまり暖まらなくてもおなか壊すこともないだろうし…、とさほど期待せずに魔法瓶に突っ込んでみたのだが!
レトルト食品も温められることが分かったのでカレーも可能だろう。ごはんがないのでレトルトのカレーだけを飲むことになるがこの開放感ならばさほど苦にはならないはずだ!(想像で書いてます)。
生肉にお湯をかければしゃぶしゃぶだ。僕のしゃぶしゃぶ初体験は人より遅く22歳だった。それから15年、河原でポットのお湯で肉を茹でる僕はかなりのアドバンテージを得たのではないだろうか。
注) 念のため生食してもいい肉を使いましょう
やや(ほぼ)レア気味ではあるがしゃぶしゃぶだ。レア好みのかたにはぴったりのしゃぶしゃぶである。
注) お湯ベキューしゃぶしゃぶを行うかたは豚ではなく牛肉をお使いください。豚だと危険です。お湯ベキューは豪華に。
ちなみに180グラムのしゃぶしゃぶ用の肉を食べるのに800gのお湯が必要だった。200人にひとりぐらいはこの知識が役に立つ日が来るかもしれないので憶えておいてください。
飲んでよし、調理に使ってよしのお湯はすばらしい。僕がにらんだ通りである。今年の下半期のヒット商品番付に入るのではないか。
というのはもちろん冗談で書いているのだけれど、紀元以降に登場したものすべてを対象にしたヒットアイテムランキングがあったらお湯の上位入選は間違いないと思う。ほかは「鉄」とかかもしれない。
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