続いては絶対こちらの記事をどうぞ
さて、デイリーポータルZは炊飯器を見続けている。今回は内釜を叩くという若干トリッキーな取り組みであったが、炊飯器の楽しみといえばそのブランドネーミングとキャッチコピーを差し置いては語れない。それについては、今回「象印 極め炊き NP-VD10」を持って参加してくれたライター爲房さんの記事に詳しい。
ご自宅の炊飯器の音を確認しつつ、こちらの記事をご覧いただければ気持ちの高まりもいよいよかと思う。
ご飯を炊いたあとの炊飯器のお釜は、シンクに置いて水を張りお米のこびりつきを取ってから洗う。
先に他の細々したものを洗って洗って洗っていると、手に持ったなにか別のものがふいにお釜に当たってしまうことがある。
クヮーン…クヮーン……クヮーン………クヮーン…………
この音が、めちゃくちゃ良い音だ。
ほぼ鐘といっていい。
人々に頼み込み、各家の炊飯器のお釜の音をきかせてもらった。なんとも風情あふれ、また霊験あらたかなといっても良いような精神的体験となった。
集まった釜の音を、20秒の動画にまとめました。よろしければ最初にご覧ください! 音が出せないご状況の方はこのまま記事へどうぞ~!
私の家の炊飯釜はかつて、内側も外側も薄いねずみ色をした薄いものだった。叩いても鳴り響くような音はしなかったように思う。
あるとき買い替えて、それほど高い炊飯器ではなかったけどお釜は黒く分厚くずいぶん立派になった。以来ずっと、うっかり何かに打ち付けてしまったときにうつくしい鐘の音が出るようになったわけだが、今回
>というわけで、お宅の釜をたたいてみてはもらえませんか?
と、サイト関係者と、読者の会である「デイリーポータルZをはげます会」のグループで募集したところ続々と11人の仲間たちが自宅の釜の音色を聞かせてくれたのだった。
このような意味がないことに対して協力があったことにまず喜びと驚きがあり、そして同時に、みんな家の釜もきれいな音で鳴るんだ! とその点にも世の美しさを見て嬉しかった。
そして全12釜の音をまとめたのが冒頭の動画である。こうしてひとつひとつの音を短くまとめて聴くと、同じ炊飯器の釜とはいえ様々な音色があるのだなと思わされる。
集めて聴いてわかったこととしては全体で低音の「ゴーン釜」、中間の「コーン釜」、高音の「カーン釜」があったことだ。
動画の最後で余韻の深い「ゴーン」音を聞かせてくれたのはライター玉置さん。「一升炊きサイズだからこそ可能な音の膨らみと余韻」というコメントを寄せてくれた。
今回参加してくれたお釜は大小それぞれだが、音は鳴らす物の振動が多いほうがより高くなる。玉置さんちのような大きく重い釜のほうが振動が少なく低い音がするということだろうか。
読者の畳三十郎さんちのものは見たところ3合炊きのようで、なるほど「カン!」と高い音が鳴っていた。
「釜が薄いのでキーンという音がします!」と送ってくれたのはライターほりべさん。 そうか、大きさではなく厚みでも振動は違う。
今回みなさんには「炊飯器のお釜をたたいて画像を送ってください」と、それだけお願いした。
すると、自主的に好奇心を持って深くこの依頼に取り組んでくれた方々がいた。その一人が編集部の橋田。
「しゃもじがプラスチックか木で音が変わる?と試してみました」と2つに分けて動画を送ってくれたのだった。結果としてはどちらも「コ~~~~~~ン」という軽やかで伸びの良い音色であった。
読者のぴかーどさんは「当然かもしれませんが、お釜の下に何を敷くかで響きが変わりますね」と、杉のまな板に乗せて、またシンクの上にそのまま置いてで叩きくらべてくれた。
比べると、なるほどシンクに置いたほうが音がよく伸びていた。まな板が振動を吸収したようだ。ぴかーどさんも言う通り当然のことかもしれないが、こうしてやってみてもらえると「確かに!!」と納得がいく。
炊飯器の釜を鐘にみたてることにもこうして学びがあるものだ。
すでにキャプションで興奮を伝えたが、音はもちろん12機種集まったときのメーカーのさまざまさにもぐっときた。
象印、タイガー、日立、三菱電機、パナソニックそしてサンヨーにナショナル。
これこそが真のオールスター大集合ではないか。武道館に集めるべきだ。擬人化してアイドルグループを作るのも良い。
ちなみに炊飯器のシェアは象印マホービンが1位、パナソニックが2位というのが近年の様相だそうだが、3位のタイガー魔法瓶が今や急激な追い上げを見せていると聞いた。
実は今回の企画への参加が一番多かったのがタイガー。その美しい鐘の音も相まり、今後のさらなる躍進に象印もパナソニックも戦々恐々とせずにはいられないところであろう。
最後にもういちどまとめてどうぞ……。
さて、デイリーポータルZは炊飯器を見続けている。今回は内釜を叩くという若干トリッキーな取り組みであったが、炊飯器の楽しみといえばそのブランドネーミングとキャッチコピーを差し置いては語れない。それについては、今回「象印 極め炊き NP-VD10」を持って参加してくれたライター爲房さんの記事に詳しい。
ご自宅の炊飯器の音を確認しつつ、こちらの記事をご覧いただければ気持ちの高まりもいよいよかと思う。
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