蚊取り線香が好き
とにかく蚊取り線香の匂いが好きだ。私の実家では昔から金鳥の蚊取り線香を使っていたのだろう。懐かしくもあるし、安心感もある。あと私は何を食べても美味しいという幸せな舌を持っているのだけれど、途中から蚊取り線香もローズの香り以外、全部同じに感じたので、幸せな鼻の持ち主でもあるのかもしれない。
蚊取り線香というものがある。多くの場合、緑色で渦を巻いており、火を付けることで煙が出て、蚊を遠ざけてくれる夏にはなくてはならないアイテムだ。この匂いがすると夏が来たと感じる。
蚊取り線香はいくつかのメーカーから出ているけれど、今回は「金鳥」の蚊取り線香。大きさや用途など、いろいろなタイプの蚊取り線香が出ているのだ。それを紹介したいと思う。
夏を代表する香り「蚊取り線香」。蚊はこの匂いを好まないのは間違いないけれど、人間にとっては、夏を感じる素晴らしき香りなのではないだろうか。これを書いている私は年中、蚊取り線香をつけている。年中家によくわからない虫(ユスリカみたいなの)がいるからだけど。
蚊取り線香はいくつかのメーカーから出ている。有名なところでは「金鳥」と「アース製薬」だろうか。効果の差はよく知らないけれど、私は金鳥の蚊取り線香の匂いを好む。ちなみにあの黒く動きが素早い虫については、アース製薬の「ブラックキャップ」のヘビーユーザーだ。
ということで、私は「金鳥」の蚊取り線香が好きで、年中、蚊取り線香を焚いているわけだけれど、いろいろな種類がある。それはサイズだったり、匂いだったり、用途だったり様々だ。好きなので、今回は全部を焚きたいと思う。
まずは普通の蚊取り線香。「金鳥の渦巻」だ。私が使っているのもこのシリーズ。シリーズと私が書いていることからわかるように、1つではない。3つのサイズがラインナップされている。
大きいと迫力がある。匂いはどれも一緒だ。でも、私の体はもはやミニサイズでは満足できない。スタンダードか可能なら大型12時間用がいい。サイズは一度に出る煙の量などではなく、純粋に時間。ミニが3時間、スタンダードが7時間、大型が12時間となっている。
概ね、箱に書いてある時間通り。環境でいろいろと変わる。ただ12時間用は12時間20分も燃えていて、上記を撮影した時は、いいかげん終わってくんないかな、と思っていた。それくらい燃えるのだ。素晴らしい。
缶に入っている蚊取り線香は蓋が線香皿になるのだけれど、サイズによって線香皿の蓋が異なる。ミニサイズは蓋がない。時間が長くなるほどに蓋が発生し、その蓋も頑丈になっていることがわかる。
私は夏が好きなのだけれど、夏とはなんだろう、と考えると「蚊取り線香」という答えに行き着いた。だから年中蚊取り線香を焚いている。するとずっと夏なのだ。私に冬はないのだ。私の家はユスリカみたいなのが湧いているし、ちょうどいいのだ。
蚊取り線香は除虫菊などで作るのだけれど、天然原料のみで作った純植物性の蚊取り線香も存在する。ペットや子供にも安心なのだ。ただ他と比べると高いので、私は自分へのご褒美として焚くことにしている。
除虫菊、針葉樹、タブの木、とうもろこしで作られている。除虫菊は金鳥の創設者がアメリカから種子を入手して全国に栽培を奨励したという歴史がある。そんな歴史ある匂いで部屋を満たし、蚊を撃退するのだ。
匂いも比べると植物を感じることができる。煙も「これは蚊を遠ざけるで!」という手応えを感じる。田舎の家に出かけたような、私たちのDNAに訴えかける懐かしい匂いだ。燃えている時間は3時間程度。3時間だけの自然派な私、なのだ。
私は動物と暮らしていないので、これは初めて買った。犬、猫、鶏、豚、牛などがいる家庭でも使える蚊取り線香だ。サイズも大きく10時間となっている。ただ私の家には私以外いないのだ。だから、これを全く必要としていないという問題はある。
匂いは比べると少し甘い感じがする。スタンダートと大差はない。スタンダートなものも箱で売っているだけれど、そちらは確か線香皿がないはず。しかし、動物用には線香皿がついてくるのでお得感がある。
次は「太巻」である。名前からもわかるように太い。とても太い。スタンダードなものの2倍の太さ。蚊だけではなく、ハエにも効く。太いから。外のヤブ蚊にも効くそうだ。太いというのもまた素晴らしい点ではあるが、こちらも若干高いので、自分へのご褒美として焚いている。
スパイシーな匂いにも感じるが、それは嫌なものではなく、農作業の途中で納屋に道具を取りに行った時のような懐かしさを感じる。このたとえではわからないと思うが、いい匂いということだ。約7時間燃え続ける。
燃えている時間は環境に依存するので、目安でしかないが、一番伝えたいのは、燃えた後の白い渦もまた美しいということだ。太巻は燃え尽きた後も太い。そこにロマンを感じて欲しいのだ。また燃えている様子は案外、時間を忘れて見てしまう。
蚊取り線香の匂いは「蚊取り線香の匂い」という説明が一番納得できるけれど、最近でもないが、匂い付きの蚊取り線香もある。金鳥の今のラインナップでは「ローズの香り」がそれになる。ピンク色をしている。
私は蚊取り線香の匂いが好きなので、ローズの香りはほぼ使わない。ただ匂いとしてはヨーロッパの貴婦人を連想させる。海外の雑貨屋でこのような匂いを感じたことがある気がする。
蚊取り線香は外での作業中にも使うことができる。農家さんに聞いたのだけれど、結局、蚊取り線香を腰から下げているのが一番刺されないと言っていた。日本には古くから蚊遣り具という独特の道具が存在したので、その流れが今もあるのかもしれない。
河川敷は虫が多い。でも、せっかく買ったので、全てを持ち運びできる線香皿で持って来た。この量を一度に使うのは正しい使い方ではないと思うけれど、虫に刺されない無敵になった気はする。もはや神なのだ。虫に刺されない神。
虫には刺されなかったけれど、半ズボンで草をかき分けると、草に肌が負けてなのか、かゆい。とてもかゆい。ここで一つの学びがある。草むらに行く時は長袖長ズボンがいい、と。虫に刺されるという話ではないのだ。
とにかく蚊取り線香の匂いが好きだ。私の実家では昔から金鳥の蚊取り線香を使っていたのだろう。懐かしくもあるし、安心感もある。あと私は何を食べても美味しいという幸せな舌を持っているのだけれど、途中から蚊取り線香もローズの香り以外、全部同じに感じたので、幸せな鼻の持ち主でもあるのかもしれない。
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