特集 2019年6月20日

スマート電球をハックして、部屋のライトの電球色と昼白色をかわいく切り替える

スマート家電とかIoTの記事を読んでいると、よく「気分によって照明の色が変えられるんです」みたいな製品が出てくるじゃないですか。なんなの、あれ?だって「今日はちょっと照明を青くしたい気分だな…」って思ったことあります!?ないでしょ??俺はそんなものいらん!という一方的な憤慨から一転、オリジナルのカラーチェンジ照明を作るに至るまでの話です。

インターネットユーザー。電子工作でオリジナルの処刑器具を作ったり、辺境の国の変な音楽を集めたりしています。「技術力の低い人限定ロボコン(通称:ヘボコン)」主催者。1980年岐阜県生まれ。(動画インタビュー)

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先に作ったものだけ見て

まだ前置きが続くので、飽きられる前に先に作ったものだけ貼ります。

 

電気スタンドの台座の上に、カエルを置く場所によって色が変わります。

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白いアザラシの横に置くと、青白い蛍光灯色
黄色いカエルの横に置くと、黄色っぽい電球色。

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素敵!カワイイ~(←言ってもらえなかったときのためにあらかじめ置いておきます)

本物のアマガエルは周囲の色に合わせて体の色が変わるけど、これは照明の色が変わる。(ので、それを受けた体の色もちょっと変わる…といえなくもない?)

照明の色を変えたかった自分に出会う

でね、今のは一回忘れていただいて、話を戻します。部屋を青くしたい気分とか絶対ないじゃないですか。赤も緑もしかりですよ。照明の色が変えられるの完全に意味不明!!照明はこれで十分!

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普段の自宅デスク

前世がダンゴムシなので薄暗い場所が好きなんですよ。なので僕は夜間は電球色の電気スタンド1本で済ませています。暗くて落ち着きます。
ところがこの部屋、もう一つのモードがあります。

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明るくしたところ


よく電子工作の記事を書いているので、制作時は部屋の蛍光灯も点けてこのモードになります。

手元を照らしたいっていうのもあるんですが、記事用なので写真撮るじゃないですか。その時に、白い蛍光灯と電球色のスタンドが同時に当たると、色が変になっちゃうんですね。なのでこの時はスタンドも昼光色の電球に付け替えています。

が、この付け替え作業がいちいち面倒。また、常時、机の上に予備の電球がいっこ転がってるのも邪魔です。あーあ、いちいち取り外ししないで色の変えられる電球とかないかなー……………………………あるわ。俺が「意味不明!」って勝手に怒ってた、あれだ。ここで初めて自分の矛盾に気づき、愕然としました。

買いました

というわけで、さっそく購入しました。

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スマート電球と、そのリモコン(右のはサイズ比較用のふつうのLED電球)

べつにIoTはいらないので、リモコン式にしました。中国直送の安いものなら500円くらいで売られてるのですが、今回はデスクライトでサイズが小さいため安物は合わず、日本のショップが売ってる3000円くらいするやつにしました。しかしですね、これが…

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良い。リモコンで昼光色から電球色まで色味が段階的に調整でき、明るさも変えられます。電球を差し替えずにな!イエーイ、最高!ヒュ~

ですが、2~3日使ってみると、ちょっと冷静になってきました。どうもリモコンが邪魔なんですよね。デスク上に予備電球があるのが嫌で買ったのに、それより大きなリモコンが置いてあるのはおかしくないか?これは本当に住環境が改善されたと言えるのか?目新しい製品を買ったから嬉しいだけではないのか…?


俺は改造する

そうとなったら即改造です。リモコンの存在を消す。この場合、

・電球側を改造(リモコン不要なように、直接スイッチをつける)
・リモコンを小さく改造

の2択があります。ただ電球には100Vがそのまま通ってますし、熱くなる箇所でもあるので、安易に手を出すのは怖い。そうすると必然的に後者になります。

…なんですが、リモコンもカジュアルに壊すにはちょっと高かったので、改造しないで、解析して複製する方向で行きたいです。

ここで朗報。リモコンは非常にハックしやすい製品です。赤外線信号がどういう内容かが分かれば、リモコンは簡単に複製できます。

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これが赤外線のセンサーです
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マイコンにつないで、マイコン側には赤外線のデコードプログラムをセット

これに向かってリモコンを、ピッ、って。

あれ、反応しない。

ピッ、って。

あれ…。

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あっ

えっと、リモコンに「2.4G RF」って書いてあるの見えますか?これはですね、Radio frequency の略で、要は電波です。車の電子ロックとかに使われてるやつ。つまり、赤外線リモコンじゃなかった!
電波となると、デコードも難しいですし、なにより電波法の制限があって、素人が電子工作するのは困難な領域です。ゲームオーバー。

執念

いやしかしですね、もう利便性とか実用性とかどうでもいいんですよ。俺は電球のリモコンをハックしたい。ハック欲だけに突き動かされてAmazonそして楽天をさまよい、国内にないと分かると中国の通販サイトをさまよい、ついにこんなものを手に入れました。

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安物スマート電球!

今度はバッチリ赤外線リモコン付き。口金のサイズが合わないのでアダプタも購入。ちょっと一回点けてみます?

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ウヒョ~、変わる変わる!昼白色電球色にとどまらない、えげつない色がどんどん出できます。これこそ俺が「意味不明」と憤っていたスマート電球!でも、今は素直にこう言えます。最高。

すぐにハックしてやるからな!

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なんかこんな感じにやると赤外線信号が解析できます

信号の中身が分かったので、次は実際にリモコンのコピーを作っていきます。

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この透明のLEDから赤外線を出します


リモコンは要はLEDを点滅させるだけなので、回路的には超簡単です。

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プログラム


まずは簡易的なものから。とりあえずONとOFFを繰り返すプログラム。

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イイネ~

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次、ON/OFFといっしょに色も切り替えるプログラム
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黒い線を、オレンジの線の横に挿すと電球色、白い線の横に挿すと昼白色になるはず

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イイネ~イイネ~

もうこの電球は征服したといっても過言ではない。

存在感という壁

さて、ここまでとんとん拍子にきたけれども、最終的にはリモコンを電気スタンドと一体化させ、存在を意識しなくていいようにしたいんですよね。
問題はどう一体化させるか。

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電気スタンドの全体像


こうしてみると無駄のないデザインで、どこにつけても野暮ったくなりそう

そこで目についたのがこのスペースです。

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なんとなく、電球の足元にジオラマ用の芝マットを敷いて、買ったおもちゃを並べていたスペース

多くの(なぜか比較的地味な)動物たちが暮らすパラダイス。ここをスイッチにしてみてはどうでしょう。
動物の配置が変わると電気の色が変わるの、良くないですか?我ながらナイスメルヘンアイデアだと思うけど、そんなことってできるのかな。配置をどうやって読み取ればいいのか…?

そんなことを考えつつ何気なく青色のアマガエルを手に取ろうとしたとき、指先に思いがけない抵抗を感じたんです。

そうだ、これ、マグネットだったわ。

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バッチリくっつきます

パラダイスの地下配管工事

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突然ですがこれリードスイッチといいまして

 

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磁石を近づけると電気が通ります

これを使えば、リモコンのボタンを押すなどという無粋なことをせずに、カエルを移動させるだけでライトの色を変えられる!

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こういう感じで配管工事を行い
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カエルで色が変わるようになりました

これでほぼ完成といってもいいんだけど、ここまでくるともうちょっとこだわりたいところ。

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後ろのこれがでかい

 

でかいし、電源としてパソコンかモバイルバッテリーにつながないといけないので、そっちもさらに邪魔なんですよね。
元のリモコンみたいにボタン電池で動かしたい。

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それがこちらです(料理番組でテーブルの下から取り出すシーン)

左が元の装置(さらに電源がいる)、右が作り直したもの。かなりすっきりしました!

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完成図

カエルの位置で色が変わる電気スタンド、これにて完成です!

もう1回見る?

実際の動きは冒頭に見ていただいたとおりですが、改めてこちらで披露させていただきたく存じます。

 

 

その後

やったー!できたー!という感慨にしばし浸った後、気づいたことがあります。部屋のホワイトバランスがなんか崩れている。

実はこの中国製電球、色味がかなり悪いんですよ。まず昼白色が完全に青(あれだけ全否定していた青い照明に結果的になっているのは皮肉である)。電球色の方もちょっと赤すぎるような。さらには、これは致命的なんですけど、これ1本で過ごすには暗い。けっこう暗い。

さすがに暗すぎでは、と思って買った中国通販サイトのレビューを見てみたところ、やはり「部屋の照明にはちょっと暗いかも」と言っている人が多数。そのうち「暗すぎだろ」とちょっと強めの口調で書いている人に対して、店側からも返信がついていました。「この値段だからしょうがないでしょ…」

リモコン付き、1個280円送料込みなんです。完全に納得。電気スタンドを最初に買ったRFリモコンの電球に挿し替えつつ、「顧客にあきらめを促す商売姿勢、実は大事なのでは…」等と考えるのであった。(完)

告知1

ヘボコン2019、7/21(土)開催!

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ロボットを作る技術も才能もない人が作った「自称:ロボット」を無理やり戦わせるイベント、技術力の低い人限定ロボコン(通称:ヘボコン)2019。現在出場チームが決まりまして、観戦チケットを発売中。毎回満席のイベントなので、お早めに!

告知2

8/3~4、Maker Faire Tokyoに出展します!

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毎年恒例のものづくりの祭典、MFT。デイリーポータルZは記事で作った工作の展示や、デカ顔、その場で作れるミニヘボコンも開催します。物販やステッカー等の配布もあるので、きてね~

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