特集 2019年5月17日

名画で学ぶ写真講座! 写真は手前にある物にピントを合わせると上手に見える

名画で解説します!

写真というものがある。デジタルカメラやスマホの普及により、フィルム時代に比べると誰もが気軽に撮ることができるようになった。撮った写真をSNSにアップすれば多くの人が評価してくれる時代だ。

 

だからこそ上手な写真を撮りたい。誰もが気軽に写真を撮れる時代だから、人よりも少しでもいい写真を撮らなければならない。それは難しいことではない。ピントを理解すれば簡単にいい写真が撮れてしまうのだ。

1985年福岡生まれ。思い立ったが吉日で行動しています。地味なファッションと言われることが多いので、派手なメガネを買おうと思っています。(動画インタビュー)

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> 個人サイト Web独り者 彼女がいる風の地主恵亮

 ピントを理解しよう

カメラにはピントというものがある。ピントが合っている部分は鮮明に見えて、そうでない部分はボケて写る。スマホなどでは撮影後にピントを合わせたり、ぼかしたりすることが可能だ。ピントは非常にセンスが出るところでもある。

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例えばこの海鮮丼の写真、モヤモヤしませんか?

上記の写真は手前がボケて後ろにピントが合っている。この記事ではこれを「後ピン」と呼ぶ(写真用語では前ボケ)。写真として手前にあるものにピントが来ていないとモヤモヤする。もちろんテクニックとしてはありなのだけれど、「後ピン」は上級者向けと考えよう。 

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これだと写真として成立していますね!

今度は手前にあるものにピントを持ってきた。この記事では「手前ピン」と呼称する(写真用語では後ボケ)。先ほど感じたモヤモヤはなくなったのではないだろうか。たとえば、多くの場合、締め切りが前の仕事からこなして行く。つまり我々には前からということが染み付いており、写真も同じく手前にピントがあることで、安心して見ることのできる写真になるのだ。 

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後ピンだとモヤモヤするけれど、
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手前ピンだと成立している

後ピンだと前にあるものはなんなんだ、と見る側がモヤモヤしてしまう。逆に手前ピンだとすんなり受け入れることができる。前にボケたものがあると、それにまず目が行ってしまいモヤモヤしてしまうのだ。手前ピンが写真の基本なのだ。 

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手前ピンが基本と覚えましょう!

名画で学ぼう! 

どこかへ出かけると記念として一緒に写真を撮ったりすることがあるだろう。そんな時も手前ピンにしておけば、安心した写真となるのだ。そういうことを踏まえて、写真の完成度だけを重視して、世界の名画からピントを学ぼうと思う。

 

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フェルメール作「青衣の女」

上記は世界的に有名な「フェルメール」が描いた「青衣の女」だ。フェルメールの代表作の一つ「真珠の首飾り」などと同じ頃に描かれ、フェルメールが最も得意とした室内での女性単身像。最高傑作と言われることもある一枚だ。ピントを意識して絵を見て欲しい。 

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フェルメール作「恋文」

恋文はフェルメール後期の作品。初期の作品は小道具などを排除していたけれど、後期になると画中画や小道具を多く配置するようになる。またこの絵はカーテンとドアが手前にあり、そこから二人を覗くという複雑な構図だ。構図が大切なのだ。 

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フェルメール作「レースを編む女」

こちらもフェルメール後期の作品だ。特徴的なのはどちらかと言えば「後ピン」の絵なのだ。手前にあるカーペットや糸が少しボケみを帯びており、後ろに位置する女にピントが来ている。高等な技術だ。フェルメールとしても後期だからこそできた、後ピン。経験と技術により可能となった後ピンの構図と言える。 

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フェルメール作「小路」

フェルメールは2枚だけ風景画を描いている。そのうちの一枚が「小路」だ。前期の作品でレンガの質感などが美しく表現されている。手前の建物には質感があるけれど、後ろに見える建物の質感はあまりなく、奥行きが表現されている。手前ピンであることがわかる非常に素晴らしい一枚だ。

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フェルメール作「天文学者」

こちらの作品は全体的にソフトフォーカスであることが特徴だ。どちらかと言えば「手前ピン」ではあるが、もっと手前にピントが来ているようにも見える。窓から射す光の表現のためだろう。ピントを写っているものに合わせないのは非常に難しい技術なので、フェルメールならではの一枚と言える。 

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ずっと見ていられるよね!

手前ピンの素晴らしさ 

フェルメールからもわかるように、経験や技術がついて来るまでは「手前ピン」にすることが、上手な写真の撮り方ということになる。見る人がすんなりとその写真を受け入れることができるのだ。もちろんそれはフェルメールだけではない。 

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レンブラント作「夜警」

こちらの作品には多くの人が描かれているけれど、手前の数人だけに光が当たる構図になっている。手前が目立つことでやはり見る側がモヤモヤしないようになっている。手前ピンの例として素晴らしい一枚だ。 

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レオナルド・ダ・ヴィンチ作「モナリザ」

モナリザもそうだ。もしモナリザがボケていて、後ろの景色にピントが合っている「後ピン」ならば、この絵が評価されることはなかっただろう。「手前ピン」だからこそ、世界中が熱狂する一枚となっている。 

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ルーベンス作「四輪馬車のあるエレーヌ・フールマンの肖像」

やはりこちらも、手前にいるルーベンスの二人目の若妻「エレーヌ・フールマン」の顔にバッチリとピントが来ている。見ていて気持ちいがいい絵だ。つまり基本的には手前ピンであれば、見る側を魅了することができるということ。それが世界の名画からわかったのではないだろうか。 

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名画から学ぶことはたくさんあるよね!

手前ピンにしようぜ

写真を上手に見せるテクニック「手前ピン」を理解いただけのではないだろうか。もちろん「後ピン」もダメではないが、そこには経験や技術から考え抜かれた構図が必要となる。名画でも多くは手前ピンなことがそれを裏付けている。街で撮るスナップや記念撮影などは手前ピンにしておけば、とても見やすい写真になるということだ。今回の写真のように。

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手前ピンで写真は平均以上のものになります!
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