木材はやたらと奥深い
木軸といえば、その材料である木材のことも聞いておきたい。
ひとくちに木材と言っても、木の種類によって色も密度も硬さも完全な別物である。例えば、削っていて楽しい木とかってあるんだろうか。
DRA うーん、ケヤキは素直に削れるからいいです。逆に一番削りにくくてイヤやったんは花梨紅白。
きだて 花梨紅白?
DRA父 これですわ(と角材を見せてくれる)
はー、なるほど、これは確かに紅白だ。どうやら花梨の樹皮に近い方が白くなっているらしい。
見た目の面白さとレアさで非常に人気の高い木材なんだけど、紅と白の部分で硬さがまったく違うため、めっちゃくちゃに削りにくいらしいのだ。
丸太の状態から使える形にして切り出すのを“木取り”というんだけど、希少な部位を無駄なく効率的に切り出すのは大変なのだとか。
DRA あとは黒柿かな。
黒柿というのは、柿の木の中でタンニンによる色素沈着が起きて、一部が黒く染まってしまったもののこと。
なにこれ色塗ったの?と聞きたくなるようなレベルでパッキリと色が分かれているが、もちろんこれは自然現象によるもの。あくまでも偶然の産物なので、これまためちゃレア木材である。
DRA 削っていったらどんどん黒いところが無くなっていって、せっかくの黒柿が最後には真っ白になっちゃったり(笑)。
あと、見せてもらった中で面白かったのは、リグナムバイタ。世界で最も硬い木としてしられているものだけど、木軸になにか黒いスジがいっぱい入ってる。これが風合いとしてとても格好いいのだ。
DRA 硬すぎて削ってるあいだに割れたんで、漆で接いだんです。
DRA父 彼から発注されて、私が下請けでやりました(笑)
おお、まさかの親子合作。しかもお父さんは漆塗師なんだから、ガチのプロの仕事である。
きだて 他にこういう木を削ってみたいとか、こういう軸を作ってみたい、みたいなことってあります?
DRA うーん、軸というか…金具(クリップや口金といった金属パーツ)をオリジナルで作ってみたいかな。今はそういうのは部材屋さんで買ってるので、他のメイカーさんと同じような感じになるし。やっぱりそこまで自分オリジナルで作ってみたいなとは思います。
「他の人が持ってないかっこいいペンが欲しい」からスタートしたDRAGONWOODくん。
しゃべる物腰は柔らかいし、そもそもまだ中学生という若さはあるんだけど、それでもやっぱり“自分の作るかたち”に対してのこだわりがものすごく強いんだなー、というのは感じられた。
ちなみにDRAGONWOODくんの作る木軸ペンは、BASEにて毎月10日(彼の誕生日が10日だから)をドラゴンの日と称して、その月に作った製品を発売している。
もしこれを読んで「うわーこんな木軸ペン欲しい!」と思ったら、10日に彼のサイトへ行ってみよう。
いやいや写真じゃなくて実物の木軸を見ながら選びたいんじゃよ!という方、チャンスです。
2月25日(土)に、五反田TOCビル 13階ホールHにて、文房具関連の物販イベント「文具マーケット(第2回)」開催! で、DRAGONWOODくんの木軸が再び委託販売で登場! こんな機会は他にないので、ぜひ!ぜひ!
なんでこんなに圧を高めているかというと、冒頭でも言った通り、僕が主催しているイベントだから。いろんなメイカーのオリジナル文房具や紙製品、文房具同人誌、文房具コレクションの放出品など全66ブースが並ぶ超絶おもしろイベントなので、ぜひお越しください。(入場料500円・小学生以下無料)