体脂肪率の計算は単純明快
体脂肪率の計算方法は単純である。脂質(脂肪)を全体の重さで割るだけだ。ふつう「体脂肪率」という言葉は主に人間へ適用されるが、ここではあえて食べ物に対して使う。
つまり、このてりやきマックバーガーだと、脂質が30.2g。標準製品重量は157g。このため、体脂肪率は19.2%となるわけだ。
ちなみに僕の体脂肪率は19.5%である。168cm 58.8kgというカラダの割には脂肪が多い。運動不足が見事にたたっている。
ともあれこの僕とてりやきマックバーガーは、ほぼ同じ体脂肪率なわけだ。男子の標準(やや太め)基準の17~21に入る。つまり僕は「ふつうの中のぽっちゃり寄り」という感じである。
この調子で、いろいろな食べ物の“体脂肪率”を見ていき、最終的には表を作っていこう。
ルール
・小数点第二位以下は四捨五入する
・参考にするのは栄養成分表
・平均重量が出ていないものは手計測で量る。器など、食べ物以外の重さは差し引く
天下一品、こってりとあっさりでぜんぜん違う
まず酒をあおった後、無性に行きたくなるラーメン店といえば天下一品である。その代名詞といえばこってりラーメンだ。
こってりの体脂肪率は13.6%。もっととんでもない数値が出てくるのかと思ったら、意外にふつうである。これがさらに「あっさり」となるとガラリと変わる。
あっさりの体脂肪率はわずか1.7%である。あの体操・内村航平の体脂肪率が3%というが、それすらも凌駕しているわけだ。「こってりに比べて物足りない」と語る人の多いあっさりだが、そのボディーは研ぎ澄まされている。
フライドチキン、意外とスリム?
次は揚げ肉系を見ていこう。まずは超スタンダードなケンタッキーのオリジナルチキンから。
肉、しかも揚げているものはいかにも体脂肪が多そうだが、体脂肪率は16.9%と意外に人間男子の標準ぐらいだ。僕(19.5%)よりやせている。
ファミチキに至っては15.1%。肉なのにどこまでもやわらかく、まるごと食べられるあのカラダは、意外と節制のたまものかもしれない。
寿司はみんなアスリート体形
続いてはみんな大好きな寿司である。しっかりした栄養成分表を公表している中では大手の「海鮮三崎港」でテークアウトを頼み、それらを一つ一つ量って体脂肪率を出した。
寿司は体脂肪率的に見ると、肉を使った料理よりはだいぶヘルシーとの結果になった。えびは驚異の体脂肪率0.4%である。人間だと倒れてしまうぞ。
その脂身のおいしさで人気のサーモンはやはり体脂肪率がいちばん高かった。しかしそれでも体脂肪率7.3%。あのクリスティアーノ・ロナウドと同じぐらいである。
ちなみにひとくちフードの仲間である崎陽軒のシウマイは、「おいしさ長持ち昔ながらのシウマイの場合」体脂肪率9.7%である(16.5g、32kcal、脂質1.6g)。
牛丼、意外と体脂肪率が低い
意外にスリムなのが吉野家の牛丼である。いかにもジャンクフードの代表扱いされるが、その体脂肪率は5.9%。イチロー(6.9%)をしのぎ、アンガールズ田中卓志(5%)にせまるほどのスマートボディーである。
同じ牛丼チェーンシリーズでもうひとつ。今度は松屋だ。
松屋で評判のカレーは、体脂肪率が3.9%。現役時代の高橋尚子、長友佑都の4%を超えるほどの超スリムボディーだ。
それを0.1%だが上回るのがポテトサラダ。なにか脂質が多く使われていそうなカレーより高いのは意外である。ともあれどちらも超アスリート体形なのだ。
カレーついでに、CoCo壱番屋・ロースカツカレーの体脂肪率を見ていこう。
カツが入ったこともあるのか、体脂肪率は7.6%と多少アップ。しかしそれでも節制して現役を続ける51歳、カズこと三浦知良の9.2%に勝っている数字だ。
お菓子は脂質が多い
つづいてはお菓子を見ていこう。
まずは「スーパーBIGチョコ」である。名前のわりには185kcalとヘルシーであるが、その体脂肪率は高めで23.8%。ちなみに力士の豪栄道は25%である。
チップス系のお菓子は体脂肪率が高く、たとえばカルビーのうすしお味も36%ある。RIZAP前のエドはるみの36.7%と同じぐらいだが、その後リバウンドした模様なので同じぐらいかも。
マックよりモスのほうが“スリム”?
ここでハンバーガーチェーン系を見ていこう。
冒頭でマクドナルドのてりやきマックバーガーの体脂肪率が19.2%と紹介したが、モスバーガーのテリヤキバーガーは10.1%と半分ほどしかない。
モスのテリヤキにはレタスが豊富に入り、カロリーハーフのマヨネーズを使っている“細マッチョ”ボディーである。そのあたりが両者との差を分けたのだろうか。
ここで、ついに最低記録が出た。爽健美茶(S)の体脂肪率、0%である。ホントにこんな人がいたら即入院&集中治療室行きになるだろう。
対してマックフライポテトは15.2%。つまりこの並びは、標準体重の人と超極端にやせすぎて健康に危機がせまった人とのツーショットなわけである。
BMIも量ろう
体脂肪率をここまで量ってきたが、おまけでBMIも量ってしまおう。BMIとはヒトの肥満度を表す指数で、身長と体重から表すが、今回は食べ物の高さと重さから行う。
BMIは6段階に分かれ、低体重=18.5未満、普通体重=18.5以上25未満、肥満(1度)=25以上30未満、肥満(2度)=30以上35未満、肥満(3度)=35以上40未満、肥満(4度)=40以上のいずれかに入る。
ちなみに疾病率が最も少ない、理想的なBMI値は「22」とされている。それでは量っていこう。
BMI6~7程度で、みんな「低体重」になった。とんでもなくやせた数値が出てしまった。実家に帰ると心配されて、「あれも、これも食え」と親にいろいろ食べさせられるタイプであろう。
しかし打って変わって彼らの体脂肪率は、男子の標準からやや太めぐらいである。比較的細身であるシーフード14.9%と太めのカレー23.4%との差が大きい。
そして逆の意味でまたとんでもない数値になったのが、マクドナルド・ハンバーガーだ。
BMIは適正体重を3倍以上オーバーしている。これでは洋式便所から立ち上がるのも一苦労だ。脂肪吸引とRIZAPをオススメするしかない。
人間の中でBMI72を探すとなると、プロレスラーの浜亮太(身長176cm、体重 225kg、BMI72.64)ぐらいである。しかし体脂肪率はアスリートとしての合格点である9%というのが奇怪だ。
ただごらんの通り、食べ物にBMIを適用するとちょっと体脂肪率と人間の感覚とは少し違った結果が出るので、BMIで遊ぶのはこれぐらいにしておこう。
とうとう表ができあがった
いろんな食べものの体脂肪率が出そろった。これより発表に移る。
ちなみに各界の体脂肪率を公表している有名人たちにも表に加わってもらった。
体脂肪率を公開しているのはアスリートやぽっちゃりタレントが多いので、必然的にそれらが並んだのだが、「人間で見たらこれぐらいなんだ」という目安にしてほしい。
デブタレント、ファミチキより「だいぶデブ」
ちなみに体脂肪率の目安は、僕が男性なので男性を例にとると、18~39歳の場合、やせは10以下。標準(やや細めが)11~16。標準(やや太め)が17~21。軽肥満が22~26、肥満が27以上である。
意外と27%以上の「肥満」まで行った食べものは少ない。最高だったカルビーポテトチップスうすしおでさえ36%だ。この上に松村邦洋44%、石塚英彦44.9%、そして驚異の54%を誇るゆいP(おかずクラブ)がいるのだ。
しかしゆいPの名誉にかけて言っておくと、女子は男子よりだいぶ体脂肪率の基準がゆるい。
ゆいPの位置する18~39歳を例にとると、やせは20以下と男子基準の二倍。標準(やや細め)は21~27、標準(やや太め)が28~34、軽肥満が35~39。肥満が40以上となる。まあそれでも相当な肥満ということも確かだが(ちなみに2015年当時の数字なので、いまはもう少しやせているかも)。
ともあれ彼らは、ファミチキ(体脂肪率15.1%)、スーパーBIGチョコ(23.8%)、天下一品こってり(13.6%)などよりも、体脂肪率的に見ると明らかにデブということだ。そう考えるとなんかすごいな。
食べものは意外と“スリム”だった
いろんなメニューの体脂肪率を見てきたが、意外とイメージするよりは低いことが多かった。僕もやっとの思いでダイエットをしたが、まだ天下一品こってりよりも太っているのだ。
くらべると人間は、なんかけっこう太っているように見えてしまう。妙なことだが、またちょっと節制してみようとさえ思えた。
なお体脂肪率が高い食べ物は、比較的カロリーが高い傾向にある。炭水化物・タンパク質の1gあたり4kcalにくらべ、脂肪は1gあたりで9kcalあるためだ。
カロリー制限でダイエットを考えている人は、この体脂肪率表を部屋に貼ってもらうと良いかもしれない。
決して「内村選手は体脂肪率3%なんだ、じゃあ内村選手を食べよう」という方向に思考が飛躍してはいけないが。