必要な器具と下準備
上段左から、25度の甲類焼酎、20度の甲類焼酎、水、炭酸水、ウーロン茶、コーラ。
そして気になる左下のボックスは……
正式名称「屈折計0-80%アルコール屈折計」。
かっこいい! 超かっこいい!
望遠鏡や顕微鏡をおねだりしていた夏休みの子供にお父さんが間違って買い与えてしまったらトラウマ確実ですが、今の僕にとっては他のどんなレンズ付き器具よりも欲しかったもの。
この企画を思いついた瞬間、Amazonの購入ボタンを押していました。
ちなみに2500円くらい。
ただしこの濃度計、万能なわけではなく、日本酒やワインなど、糖分の含まれる醸造酒の濃度は正確に測れないそう。
となると、甘みのあるレモンサワーなんかも無理でしょう。
じゃあ甘くはないけど炭酸が含まれるプレーンチューハイは?
そこでまず、確認のためにあれこれ測ってみることにします。
計測方法は、
接眼鏡をのぞきこむ、というもの。
まずは「25度の甲類焼酎」を検査プリズムに乗せ、
ここを基準に、次は「20度の甲類焼酎」。
いきなり若干のずれがありますね。
市販の20度の焼酎が実は21度ということはないだろうから、環境やらなんやらで誤差が生じてしまうのはしかたないのかな。
今回は何度測っても同じ数値になってしまったので、このまま続けることにします。
次に「20度の甲類焼酎の水割り」を作って測ってみましょう。
下の点まで焼酎を注ぎ、次に水位が上の点の位置になるまで水を注ぐ。
目分量ではありますが、焼酎と水およそ半々くらいで割ってみたところ、半分の10度にはならず、このくらいの数値に。
考えてみればそう単純なもんじゃないのは当然か。
そこから先は数学などの分野に突入していきそうなので、今回は深く考えずに先を急ぎます。
同様に、炭酸水、ウーロン茶、コーラでも計測していきましょう。
やはり若干の違いは生じてしまいますが、そもそも重さを正確に計ったりしているわけではなく、目安のポイントに合わせて僕が手作業で注いでいるだけなので、誤差の範囲と考えることにします。
度数が増えてますね。
これがもし正確な数値ならば錬金術ですが、もちろんそんなことはなく、糖分に反応してしまっている模様。
というわけで、甲類焼酎の水割り、プレーンチューハイ、ウーロンハイなどの糖分のないお酒の度数に関しては、ある程度信用してよさそうということがわかりました。
ちなみに測定結果画面の撮影に関しては、僕が持っているカメラのひとつ、「PENTAX Q-S1」と「01 STANDARD PRIME」というレンズの組み合わせに、まるで専用機であるかのように、
「Qマウント」という規格のレンズとサイズが合うっぽいので、この夏会社から夏休みの宿題を出され、同じ研究をしてみようという方がもしいれば、参考にしてみてください。
さて、前置きが長くなりましたが、ここからは難しいことは考えず、お酒の濃度を測り比べていきましょう!
「自宅のチューハイ」
まず気になるのは、いつも家で馬鹿の一つ覚えのように作って飲んでいるプレーンチューハイ。
あれってどのくらいの度数なんだろう?
結果、
おぉ! このくらいだったのか!
っていうか7%って、僕が普段から馬鹿の二つ覚えのように飲んでいる缶チューハイ、タカラの「焼酎ハイボール」の度数と同じじゃん!
誰もがそれぞれに自分なりのチューハイの度数を持っているとするならば、僕にとってはそれが「7」だということが今判明しました。
今後の人生の指針になるな。
「日高屋」のウォッカソーダ割り
さて、実は僕が飲食店で飲んでいて、冒頭とは逆に「ここのお酒、薄めだな」と感じることが多いのが、人気中華チェーンの「日高屋」でした。
あ、断っておきたいのですが、これは決して批判とかではありません。
世の中誰もが濃いお酒を求めているわけではなく、軽く飲みたい気分の人もたくさんいる。
缶チューハイにだって、ストロング系もあればほろよい系もある。
それに日高屋はそもそも、居酒屋じゃなくて中華料理屋。
つまり、それぞれのお店が、お客さんがもっとも求める濃度にお酒の濃さを調整しているだけのこと。
だからこそ、その濃度を知ってみたかったのです。
日高屋のチューハイはウォッカベースで、お値段260円。
おー、「マイ濃度」であるところの7よりも1低い。
だからだったのか! と、ものすごい納得感。
ただ、例えば缶チューハイの「氷結」が5%なので、別に薄いってことはないですね、日高屋。
「串カツ田中」のウーロンハイ
好きなチェーン店のひとつ、串カツ田中。
はい出たマイ濃度!
体になじむわ〜。
日高屋よりも酒場寄りな串カツ田中は、濃度も若干酒飲み仕様といったところでしょうか。
町屋・居酒屋「G」のチューハイ
ここからは個人店系になるので、念のため店名を伏せます。
良い酒場の多い町屋の街で飲み歩きをしていて、失礼ながら「簡素な小屋」って感じの外観に惹かれ、ふらりと入ってみた小さなお店。
僕はホッピーセットを頼んだんですが、届いてみてびっくり。
こりゃ〜相当期待できます。
そこで友達の頼んだチューハイを「ごめん、ちょっといい?」と採集させてもらったんですが、絶対友達になりたくないよな、そんな奴。
もう一緒に飲んでもらえないかもな……。
ともあれ、肝心のチューハイ(350円)の濃度は、
濃いな〜! 一部で「酔いすぎる酒」なんて言われている、ストロング系缶チューハイ余裕で超えてるじゃん! 冒頭のテストでやった、焼酎と水をおよそ半々で割った濃度にも近い。 これだから街の酒場は怖いし天国。
町屋・居酒屋「D」のチューハイ
町屋でその次に寄った、
なんですが、独創的なメニューがどれも絶品&リーズナブルで、またしても良いお店でした。
何杯かのお酒を飲み、全体的にさっきのGよりは濃さを感じませんでしたが、さて、チューハイ(290円)の濃度は、
意外とある!
下北沢・居酒屋「S」のチューハイ
下北では実は意外と珍しい、昔ながらの大衆酒場。
何を頼んでも美味しく、居心地よく、安心の大衆価格で、大好きなお店です。
ホッピーのナカを頼むとコップになみなみとやってきて、ジョッキに移すと、
チューハイを飲んでいてもあまり濃いとは感じませんでしたが、どうなんだろうか。
えぇ! そうなの!
なんだか自分の濃度感に自信が持てなくなってきましたが、はっきりとわかったのは、「個人経営の大衆酒場強い!」ということ。
中野・居酒屋「ニューA」のウーロンハイ
採集したことすっかり忘れていて、カバンからこの店の名前の書かれた小さな容器がコロンと飛び出してきた時はびっくりしましたよね。
そうだ、採ってた採ってた!
ウケるんですけど。
酒飲みならば名前を知っているであろう昔ながらの居酒屋チェーンのウーロンハイ(390円)は、どんな濃度でしょうか。
うん、なんか絶妙!
今回の研究期間に採集できた焼酎たちは以上です。 いろいろな濃度があったけど、確実にいえることがひとつ。 どれも大変美味しかったです!