特集 2024年7月17日

江戸時代のように下から花を見てみたい

江戸時代には「下から花を見る」という遊びがあったらしい。

なんだそれは。楽しいのか? きれいなのか? なんで正面からではだめなのか?

気持ちがまったくわからなかったので、私もやってみることにした。いざ、江戸風の花見をしてみよう!

どうでもいいことを真剣に分析してみる記事をたくさん書いているエンタメライター。音楽や映画が特に好き!

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「花見」といえば桜だが、そのソメイヨシノは東京の巣鴨〜駒込あたりの園芸屋で生まれたそうだ。

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巣鴨・駒込は東京のこのへん。大名のお庭が近かったので、昔は園芸屋さんが多かったらしい。

江戸時代の駒込・巣鴨は、園芸ブームの一大発信地だった。

江戸時代に何度かあった空前の菊ブームも、ここから始まったものである。

……と、この前行った郷土資料館に書いてあった。

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すべて豊島区郷土資料館の受け売りです。(施設情報

それによれば、最初はただ花を見るだけだった「菊見」も、何度もブームが押し寄せるうちに、だんだんめちゃくちゃ凝った花の見方をするようになったらしい。

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いまでもたまに見ることができる「菊人形」は、江戸の菊ブームのクライマックスに登場した当時のアバンギャルド菊見方法。いまでもアヴァンギャルドかもしれない。
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菊人形が出てくる前は、いろんな菊を接ぎ木するのも人気があったらしい。私は心の中でこれを「キメラ菊」と呼んでいる。

 時代とともに発展していった菊の見方の中で、私が一番腑に落ちなかったのがこれである。

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「菊の花の裏側を見る」方法。なぜ?
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①普通に見る→②下から見る→③キメラ菊→④菊人形と進化してきた菊見の方法。2番目の「下から見る」だけ突然気持ちがわからなすぎる。

菊をそのまま見たり動物や人の形にしたりするのは、なんとなく良さがわかるのだが、「下から見る」のは良さとかよりも「なんで?」という気持ちが先に立つ。

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あと4メートルって菊でかくない?

知れば知るほど、下から花を見る気持ちがわからない。

これは一度やらないとわからないのではないか。というわけで、江戸の人の気持ちになって、下から菊を見ることにした。

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そんなに都合よく菊は咲いてない

が、ここで明らかになったのが現代人(私)の季節感覚のなさである。

菊のハイシーズンは秋。いまは7月の真夏。

つまり、下からどころか上からでも気軽に菊を見れないシーズンなのである。

でも、もう「下から花を見たい」という気分になってしまった。秋になったら忘れてしまうかもしれないし、思い立ったが吉日という言葉もある。

この際、菊でなくてもいいからとにかく下から花を見よう

というわけで、菊にこだわらずにいろんな花が見れる夢の施設、植物園に行くことにした。

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いろんな花が見れる近くの植物園。ここならいい感じの花があるはずだ!

それから、ひとりで花をのぞきこむ勇気もなかったので、友人を巻き添えにすることにした。

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巻き込まれた友人たち。「なんだかよくわからないが花を下から見るらしい」という情報だけで来てくれた。

準備はできた!それでは早速、下から花を見ていこう!

⏩ 下から花を見てみよう

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