特集 2018年10月22日

かき氷の白熊 発祥の地で4色の熊を食べる

鹿児島にはいろんな色の熊がいました

先日マサイキリンに会いに鹿児島へ行ってきた。はじめての鹿児島だ、せっかくなら他にも観光をしてみたい。

いろんなひとに「鹿児島でオススメありますか」と訊いて回ったところ「定番だがかき氷の白熊はどうか」という意見を多数もらった。意外とまだこのサイトでもメインで記事にはなっていないようだ。

 

調べてみたところ白熊以外にも最近ではいろんな色の熊が展開されているらしい。いいじゃないか、キリンの記事の次はシロクマ。ハナウタ動物園である。

今回の旅では結果的に4色の熊を、5杯食べることができた。白、黄色、黒、黒、赤。黒がだぶっている理由は本編でまた…。

 

※白熊、白くま、しろくまなど様々な表記があるが、ここでは現地で最も多かった「白熊」の表記に統一する

埼玉生まれ、神奈川育ち、東京在住。会社員。好きなキリンはアミメキリンです。右足ばかり靴のかかとがすり減ります。

前の記事:日本に7頭しかいないマサイキリンに会いに鹿児島へ

> 個人サイト のばなし

鹿児島は今日もかき氷日和

時は9月末。今年は一気に夏がシャットダウンされ、都心では早くも長袖を羽織り始めた頃。こんな時期にかき氷?と思うなかれ、鹿児島はまだまだ完全に夏真っ盛りだ。

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逆に真夏も35度を超えるようなことはないらしい、穏やかにずっと暑い

鹿児島県民いわく4月から11月までは半袖で過ごすとのこと。そりゃあかき氷文化が熟成されるものである。

1色目:白い熊は王道にして地元の味

鹿児島名物白熊を語るうえで避けては通れない店がある。それが白熊発祥の地である「天文館むじゃき」だ。

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遠くから見ても「あれが白熊の店だな」とわかる
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この建物全体で白熊を食べることができる!

現地の人の”ウラ技”いわく「2階なら空いてます!」とのこと。なるほど、確かに1階の喫茶店は躊躇うほどの行列ができていたが2階はすぐに席に着くことができた。ありがとう現地の人…!

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店内はこんな具合

写真でわかるだろうか。もっとおしゃれな雰囲気なのかと思ったら完全に"古き良き洋食屋"の様相。居心地が良い。

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メニューを開くと予想以上に種類が豊富だ

ちょっと待って、この店で何色も熊が揃ってしまうではないか。一瞬で閉じて見なかったことにする。白熊です、白熊をお願いします。

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届いた

レギュラーサイズにしようかとも思ったけど、これから何食もかき氷を食べるのである、無理はしないほうがいい。ここは意地を張るところではないのだハナウタ…と言い聞かせベビーサイズを選んだ。充分大きいな?

練乳味と聞いていたのでもう少し甘くて重たいのかと思っていたのだけれど、そこは土台が氷である。うまく緩和されて嫌味なくスッと食べられる。この練乳が自家製とのこと。や、単純にこの練乳がうまいんだな。うまい。

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上から見たところ。キョトンとした表情の白熊

隣の席には地元民らしきキャップを被ったおじいちゃん二人。ずっと楽しそうに笑っているので少し聞き耳を立ててみたけれど本当に会話が聞き取れない。途中で野球の話が挟まったことしかわからない(片方がカープファンらしい)。すごいぞ興奮するぞ鹿児島弁。

ひとりは白熊、ひとりはカレーライスを食べていた。彼らの日常の中に白熊があるのだなぁと思う。

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妙にスルスル動く椅子だと思ったらローラーがついていた。グルメサイトには載っていなかった情報だ

一方白熊はずっと美味しい。

バナナ、パイン、メロン、ぶどう、マンゴー、寒天ゼリー、レーズン、チェリー 、何らかの白い豆。果物のアクセントがうれしい。このトッピングは季節によって変わるらしい。

そしてやっぱりこの練乳だなー、この練乳を売ってほしい。

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これはたぶん芋のクッキー。鹿児島らしさ

隣ではカレーライスを食べ終えたおじいちゃんが白熊を頼んでいた。結局ふたりとも食べるのか。

天文館むじゃき
住所:鹿児島県鹿児島市千日町5-8
定休日:不定休 ※ホームページを参照

夜に近くを通った際も別のおじいちゃんたちが「白熊食べよう」と話をしていたり、4階の居酒屋へ向かって「10人入れますか」など明らかに普段使いのひとたちがいたり、鹿児島の人たちになくてはならない店なのかなと感じた。ちょっと、観光客向けの店なのかと穿った見方をしていたけれど、全然違ったのだ、いいぞいいぞ白熊!

2色目:黄色い熊は彼女の家で 

白をクリアしたぞ、次は何色だ!と勇んで向かうは、歩いて数分のところにある「cafe 彼女の家」。ここで食べられる熊が…

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黄熊だ!

「cafe彼女の家」という店名と若干ちぐはぐな外観は、なんとなく中華料理屋を彷彿させる。

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入ると大きなスピーカーが鎮座している

彼女の家にはじめて行って、このサイズのスピーカーが並んでいたら少し身構えるな。内装は純喫茶のようで、外観ともまた異なり不思議なバランスだ。

まぁそんなことは良いのだ。この店では黄色い熊を食べるのだ。

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いろんなサイズがあるが、無理はしない

何せ明日はマサイキリンに会いに行くのだ。無理をしない自分は一番小さいハンディ黄熊を頼む。

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大きいよ

やっぱり大きいのだ。ハンディとは、手とは。
鹿児島のひとだけ手が大きいのだろうか。

まぁ大きいことはいいことなので早速食べる。この距離でも香るこの黄色い果物の正体はマンゴー。ちょうど台湾のかき氷がイメージとして近いだろうか。

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マンゴーも好き

先ほどの白熊と打って変わって濃い。ドロっとしたマンゴーのシロップが奥まで染み込んでいるのだ。

クーリッシュというアイスのマンゴー味がとても好きだったのだけど、あれにマンゴーのぶつ切りを加えてさらに高級感を出したような、そんな感じだ。

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バナナ「黄色い果物!? おれを忘れるなよな!」

ただ、濃いまま進むので多少飽きもくるなぁ、と奥の方まで食べたところでバナナが数切れ入っていた。ありがとう変化のバナナ!うれしい。もっと入っていても良いぞ。今回の旅で一番「スイーツ!」という感じを出していたのが黄熊だった。

帰り際店員さんに「他の色の熊を出す店ってありますか」と訊いたところ「黒い熊がいますね」とのこと。黒い熊、なんだろう、イカスミかな。

カフェ彼女の家 天文館店
住所:鹿児島県鹿児島市東千石町8-18
定休日:なし

ところで鹿児島の都心は路面電車で移動するのだけど、

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めちゃくちゃホームがせまい

 これは最後まで怖かった。

赤い熊を探せ

黒い熊の存在を把握したが、ここらでちょっと中心街を離れよう。天文館通から路面電車で30分ほど揺られたところに赤い熊がいるらしいのだ。

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向かう途中で偶然見かけた。「黄熊…」と思った。この旅一番の奇跡
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着いた

沿道は上の写真のような具合でずっと南国を思わす樹木が立ち並ぶ。駅から少し距離のあるこのIL MOLEという店は、グリルの美味しそうなリゾートレストランだ。

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出たー!赤熊だ!

ここで食べられるのがドラゴンフルーツを使った赤熊。だったはずだが。

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うわー

貸切だった。またのご来店をお待ちされてしまった。

ひとり旅なのでずっと無言で移動していたけど、その上で絶句した。静寂に静寂が重なった。いやーでもなー、披露宴はめでたいからなー。仕方ないよなー。

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夕日は綺麗

落ち込んでいるわけにもいかないぞ、すっかり日も暮れていたがもう1熊したい。先ほどの黄熊の店員さんの言葉を思い出す。そうだ、黒熊だ。

3色目:黒熊は、黒いと言えば黒い

這々の体で店を移して「カジュアルレストラン まき」へ。ここもまた駅からは離れた場所にある。連日歩数は25,000歩を超えた。

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ここでかき氷…?大衆居酒屋の雰囲気もあるが…
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店内はアメリカンダイナー

鹿児島には外装と内装の雰囲気を変えなくてはいけないというルールでもあるのだろうか。ここでは「元祖 氷黒熊」が食べられるとのこと。

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イチゴは427円。消費税込でキリのいい数字になるのかなと思ったけど計算したら461円だった。なんで
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もちろんここは迷いなく黒熊を選ぶ。黒…? いや、黒だ

当然巨大な熊が出てくる。もう大きいのには慣れてきた。

黒熊の”黒”の正体はコーヒーだ。白熊の練乳にコーヒーの苦味を加えることで口当たりがとてもいい。コーヒー好きにはうれしい。とはいえ2本刺さったポッキーがビターに感じる程度には甘い。甘いコーヒー好きにはうれしい。

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白熊に欠かせないフルーツ、ここはブドウ一点突破。試行錯誤の上たどり着いた感がある

寄りの写真を見てもわかるだろう。氷がふわっふわだ。これはどこの白熊についても共通なのだけど、まあ氷がきめ細やかだ。いいかい、ふわっふわなのさ。

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終盤はコーヒーゼリー。わかった、パフェだこれは

底に残った甘いミルクコーヒーをストローで飲み干して完食。マスターも人懐こく、会計時に親しげに話しかけてくれた。トータルすると「うちのかき氷が一番」という話だった。

カジュアルレストランまき
住所:鹿児島県鹿児島市与次郎1-10-28
定休日:水曜
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帰り道、キリンをメインに据えた幼稚園を見かけた。マサイキリンっぽいな

 今日は白、黄、黒の3色を食べることができた。明日も食べよう、亜種白熊。

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