特集 2025年11月12日

ヘンゼルとグレーテルみたいに白い石をたどれば森から帰れるのか

童話「ヘンゼルとグレーテル」の冒頭を覚えているだろうか。

このままだと森に捨てられることに気づいたヘンゼルとグレーテルは、歩きながらこっそり地面に白い石を置き、その石をたどって無事に家に帰ってくる。

2回目は白い石をパンに変えたせいで失敗し......という話なのだが、そもそも白い石をたどるだけで森から家に帰ることなんてできるのか。

ヘンゼルとグレーテルの帰り方を検証してみることにした。

どうでもいいことを真剣に分析してみる記事をたくさん書いているエンタメライター。音楽や映画が特に好き!

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ヘンゼルとグレーテル実証実験の参加者はこの4名。

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森に捨てられる準備をするのは不安すぎる

まいしろ(以下まい):じゃあ今日は白い石をたどれば本当に森から帰れるのか実験したいんですけど......

まい:場所が新宿なんですよね

迷うにはインフラが整いすぎている大都会(せめてもの抵抗で夜にしました)

まい:とりあえず役割分担をしましょう。私は白い石を落とす役だから...

三土:ヘンゼルですね

橋田:私はもうひとりの......

三土:グレーテルです。本名はマルガレータ、グレーテルは「マルガレータちゃん」という意味ですね

三土さんが異常にドイツに詳しいので住んでいたのかと思ったら「最近ヘンゼルとグレーテルのウィキペディアを読んだ」らしい。
役割分担が完了!
迷うためにはまず帰る場所がいるので、とりあえず何の変哲もないこの路上を「家」とした。

三土:先に下見に行ってきていいですか?

三土:ちゃんと帰れなくなる道を探したいんですよね

まい:捨てることに本気すぎる

三土:5分、いや15分ください

下見のため、闇に消えていった三土さん。

まい:この間に私たちは捨てられる準備をしましょうか

家から持ってきた小さめの白い石たち。

石川:地面に置いてみます?

頼りなさすぎる。
写真では明るくしてますが肉眼だとこれくらいです。

まい:わかるといえばわかるけど......

橋田:相当目をこらさないとわかんないよね

不安すぎてポケットにパンパンに詰めた。これで帰ってこれるのだろうか。
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継母との間にグレーテルをはさむと石を落としてもバレない

ほくほく顔で帰ってきた三土さん。「捨てるのにいい道を見つけました!」

まい:不安すぎる

橋田:ヘンゼルとグレーテルもこんな感じだったんだろうね

三土:じゃあふたりとも、楽しいお散歩に行くよー

まい:わー楽しみだー!

橋田:やったねーお兄ちゃん!

出発前に不要な小芝居をしていたら撮影担当の石川さんに「もういいです」と言われた。
みんなで森(新宿)へ行きます。
どんどん歩いていく継母(三土さん)の後ろから石を落とすのだが......
ばれそう。

まい:グレーテル! グレーテル、ちょっと真ん中に入って!

橋田:ここ?

継母との間にグレーテルをはさむことでばれずに石を落とすことに成功。
でもどれくらいの間隔で落とせばいいのかわからないうえに、どこまで行くかもわからないので石が足りるのかわからない。とりあえず曲がり角やわかりにくいところにどんどん石を落とした。
芝生エリアに来て不意に立ち止まる三土さん。

三土:ははは、ここがお前たちの墓場だー!

まい:うわーまさかー!

橋田:怖いよーお兄ちゃーん!

石川さんに「小芝居はそのへんで大丈夫です」といわれて「えっ」となるふたり。
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全く石が見つからない 

小芝居をばっさり石川さんに打ち切られ、いよいよ本題の「石を探しながら帰る」のターンがスタート......だったのだが

まい:初手から詰みました

橋田:もう家に帰れなさそうだね

まい:置いてるときは見つけられたのに、いざ振り返るとなにもないんです

まい(ヘンゼル)「振り返ったら石がなくなってたんですよ」
ちなみに肉眼だとこれくらい。少し先の人も見えない。
継母も石川さんもまじえて全力で石を探す。

まい:すいません、スマホのライトで探してもいいですか?

石川:絶対肉眼では見つかりそうにないからいいんじゃないですかね

ヘンゼルとグレーテルの時代に絶対になかった文明の利器を使っての必死の捜索。

三土:あ、これかな!?

大人4人で探すこと10分、ついに継母が帰り道の最初の石を発見!!!
やったー!!!

橋田:でもこれ全部見つけるの厳しいよ

石川:絶対帰れないですね

まい:現代の新宿でも探せないのに、中世の森なんか絶対むりだったろうな

石を探せば探すほどヘンゼルとグレーテルへの尊敬が増していく。

石川:これ、芝生だから難しいんじゃないですか?

でも別にアスファルトでも探せなかった。

橋田:ヘンゼルは夜じゃなくて明るくなってから帰ったんじゃないかな?

三土:確かに、物語では夜とは書かれてなかったですね

石川:あと石だけじゃなくて、木とか岩とか、他の目印も参考にしてたんじゃないですか?

まい:あとたぶんなんですけど、ヘンゼルめちゃくちゃ目よかったと思います

2個目以降の石も一生懸命探したが、結局スマホのライトなしでは全然探せなかった。「夜の森にある石をたどる」、想像以上に難しい。

⏩ 惜しみなく石を置くと帰れる

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